感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第125話(シーズン5 第21話)「奴の死体はどこだ!」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン5」あらすじ・感想まとめ

 

第125話 奴の死体はどこだ! A Ghost Story (シーズン5 第21話)

 

あらすじ

研究者ハワードは自らが開発した神経ガスに侵され余命僅かとなり、亡命した東側を脱出、息子の待つ父の家にたどり着くが、そこで父に殺されてしまう。フェルプス(ピーター・グレイブス)が家庭教師として屋敷に入り込み、メンバーと共にハワードの幻影で父を精神的に追い込むことで、神経ガスの残留するその死体を見つけようとする。


研究者ハワードは、自らが開発した神経ガスに侵され余命僅かとなり、亡命した東側を脱出。息子の待つ父親の家にたどり着くが、そこで父親に殺されてしまう。フェルプス(ピーター・グレイブス)がハワードの息子の家庭教師として屋敷に入り込み、メンバーと共にハワードの幻影で父親を精神的に追い込むことで、神経ガスの残留するハワードの死体を見つけようとする。

※DVD版のタイトルは「消えた汚染死体」。


【今回の指令】
 化学者ハワード・ベインブリッジ(Howard Bainbridge)は、過去にアメリカから東側へ亡命し、神経ガス「TRA」を開発していたが、自身がガスで侵されてしまい、アメリカの父親の屋敷に脱出してきた。しかし父親ジャスティンに殺害され、死体はどこかに隠されてしまった。ハワードは東側脱出の際TRAの資料を破棄したので、TRAについて知るにはハワードの死体を調べるしかない。IMFはハワードの死体を発見しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、ダナ、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。嵐の夜、ハワードが父親ジャスティンの屋敷に現れ、父親に、自分は開発していた神経ガスに侵されて長くないので息子のポールに会いに来たという。しかしジャスティンとハワードは取っ組み合いになり、ハワードは打ちどころが悪くて死んでしまう。ジャスティンは庭に穴を掘ってハワードの死体を埋める。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 ジャスティンはファシズムの信奉者で自宅に私設軍隊まがいのボディーガードを何十人も雇っている。そのリーダーのサンドラー少佐は、実は東側のスパイで、サンドラーもまたTRAの秘密を狙っている。フェルプスはポールの家庭教師として屋敷に入り込み、他の四人は屋敷内にある防空壕跡に潜入して基地代わりにする。

 IMFジャスティンを麻酔で眠らせて耳にマイクを埋め込み、また自室に映写機を取り付ける。フェルプスはポールが立ち入り禁止の部屋に入って笑っているのを聞き、不思議に思って中に入るが、何者かに気絶させられ階段から転落する。フェルプスはあとから問題の部屋を調べてみるが、何も不審な物は見当たらない。

 IMFジャスティンに心霊作戦を仕掛け、耳のマイクに怪しげな音声を流したり、パリスが変装したハワードの姿を映写して「死体を掘り出して焼いてくれ」と懇願したりして、ジャスティンを心理的に追い込む。たまりかねてジャスティンは庭を掘り、そこにフェルプスとサンドラーもやって来るが、死体は見つからない。

 一方屋敷内ではダナがポールと一緒にいるハワードと対面していた。ハワードは実は死んでおらず、埋められてから息を吹き返して屋敷内に隠れており、それを知っていたのは息子のポールだけだった。そして屋敷の家政婦も東側のスパイで、ハワードを連れて行こうとするが、IMFが取り押さえた。

 最後。ハワードはわずかの余命の間息子と居たかっただけだと言うと、フェルプスはガスの内容が解れば解毒剤も作れるはず、と言ってハワードを屋敷から連れ出し〆。


監督: レザ・S・バディイ
脚本: エド・アダムソン&ケン・ペットス(原案: ジョン・D・F・ブラック&エド・アダムソン)

感想

 評価は△。

 今回のエピソードは、IMFが過去何回かやってきた「人工の心霊現象で相手を心理的に追い込んで目的を達成する」という物だが、話がIMFすらも予想もしない方向に転がっていくという異色編であり、そして全く面白くなかった。第5シーズンは、こんな話が頻繁に出て来るので困りものである。

 IMFがトリックで心霊現象を起こして相手を追い込む、という作戦は今回が初めてではなく過去数回実施されている。そういう過去の経験が蓄積されているのか、今回は相手の耳に直接超小型のマイクを埋め込んでテープで怪しげな音を聞かせてみたり(当然本人にしか聞こえない)、青白いメイクをしたメンバーが恨めし気な声で語り掛けて、それをカメラで写して映写機で投影して怯えさせるとか、いちいちそつがない。このあたりの作戦の進め方自体は悪くは無かった。

 ところが、IMFメンバーも把握していない不確定要素として、屋敷に住む少年ポールがフェルプスに幽霊の存在について聞いてきたリ、森の中に走り込んで行ったり、誰もいないはずの部屋で笑っていたりする。もうこのあたりでネタは割れているが、終盤ジャスティンが庭を掘り起こしてみると死体は無く、実はハワードは生きていた、とミッションの前提条件が崩壊するような展開となっていく。正直スパイ大作戦にこんなどんでん返し的な物は求めていないので、見ていて白けてしまった。

 ラストは、青白い顔でふらふらしているハワードがフェルプスに「最後に息子と居たかっただけ」と言うと、フェルプスが解毒剤を作れば助かるからといって屋敷から連れ出す人情物的な展開で〆となる。はっきり言って、こういう話を見たくてスパイ大作戦を視聴している訳ではないので、全く乗れない結末だった。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが留守の土産物屋(?)に入り、鍵のかかったキャビネを開けて、中から大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。
(※第104話(シーズン4の第26話)「ヤング・パワー」のシーンの使いまわし)

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。化学者ハワード・ベインブリッジは、わが国から東側へ亡命、そこで「TRA」と称する特殊神経ガスの研究・開発を進めていたが、このたび自分の作り出した恐るべき化学兵器に汚染され、急遽鉄のカーテン内から脱出、父親の屋敷に舞い戻った。一方、父親ジャスティン・ベインブリッジは、戻ってきたハワードを殺し、その死体を密かに隠匿してしまった。東側を脱出する際、ハワードが関係記録を全て処分したため、特殊神経ガスTRAを知るには、その死体に残る痕跡を分析するしかない。

 そこで君の使命だが、ハワード・ベインブリッジの汚染死体を発見することにある。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン5(105~127話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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