感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第156話(シーズン7 第7話)「脱出請負業」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン7」あらすじ・感想まとめ

 

第156話 脱出請負業 Underground (シーズン7 第7話)

 

あらすじ

ある脱出あっせん組織が、シンジゲードの不法資金運用係だったシェルを脱走させた。目的はシェルが逮捕前に隠したシンジゲードの金。シェルの奪還と金の回収のため組織に潜入したフェルプス(ピーター・グレイブス)は心理的拷問を受け、IMFとの通信も閉ざされてしまう。


犯罪者の国外逃亡を手助けするという脱出斡旋組織が、裏組織の資金運用係だったシェルを脱走させた。目的はシェルが逮捕前に隠した裏組織の金を奪うこと。ありかを吐かせようとシェルを拷問する。IMFもこの裏組織の金回収の為、フェルプス(ピーター・グレイブス)を国外逃亡の依頼者として送り込む。しかし通信が閉ざされた中、想像以上の心理的拷問をフェルプスも受けることに…。

 
【今回の指令】
 シンジケートの不法金融業務のブレーンであるガンサー・シェル(Gunther Schell)は、逮捕されたものの、昨日、犯罪者の国外逃亡を請け負う某組織の力で脱走した。シェルは逮捕される直前、シンジケートの金数百万ドルを隠匿している。IMFはシェルを見つけ出し、その金を回収しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。刑務所に向けて護送されているガンサー・シェルを、謎の男たちが襲撃して連れ去る。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 IMFは、国外逃亡を請け負う謎の組織が、大金に関わりのある人間を脱獄させた後、薬物で金の在処を自白させて大金をせしめていると推測する。

 IMFは、ニュースで医者(フェルプス)が殺人を犯し、大金を持って逃亡中というニセ情報を流す。続いて悪徳私立探偵役のバーニーが、謎の組織に連絡をつけ、自分の客(=フェルプス)を国外に逃がしたいと依頼し、組織はそれを受ける。フェルプスは耳に発信器を埋め込んでいたが、薬を盛られて眠らされた上、鉛の棺に閉じ込められて連れ去られたため電波がキャッチできなくなり、バーニーたちはフェルプスを見失う。

 フェルプスは死体置き場の建物に連れていかれるが、目覚めると、糖尿病の人間だけ反応するガスを作る薬を空調ダクトにこっそり放り込む。組織のメンバーはシェルから金を奪おうと心理尋問を行っていたが、シェルが失神したのでターゲットをフェルプスに変更する。しかしフェルプスは、厳しい尋問を受けるものの、自己催眠をかけていたので何もしゃべらない。

 そのうち糖尿病のシェルはガスのせいで意識不明になり、組織のボスたちは慌ててフェルプスに診察を頼み、フェルプスは肺塞栓で緊急手術が必要だと言う。ボスたちはフェルプスに手術をしろと強要し、フェルプスは仕方ないふりをして麻酔医役のウィリーを連れてこさせる。ウィリーは睡眠ガスを持ち込んで一味を眠らせ、フェルプスたちはシェルを連れて脱出する。

 そのあとIMFはシェルを仲間のところに送り返し、彼らが金を確認に行くのを後をつけ、隠した金を見つけ出す。そこに逃亡組織のボスたちも金を狙ってやってくるが、IMFと警官隊に一網打尽にされる。最後、IMFが車で立ち去るシーンで〆。


監督: デヴィッド・ローウェル・リッチ
脚本: リー・ヴァンス

感想

 評価は△。

 クオリティが低く久々に退屈極まりなかった回。

 まず、IMFが相手にすべきターゲットが「犯罪者逃亡援助組織」と「シンジケート」の二つが有り、無駄に話が複雑になっているのが頂けない。謎の組織を騙した後、さらにシンジケートのメンバーも騙す、というのが二度手間で、見ていて非常に面倒くさかった。

 また今回はメンバーが連携して作戦を達成する展開ではなく、フェルプスだけが連れ去られたり過酷な心理尋問を受けたりと一人だけ負担が大きく、他のメンバーは半分も働いていない、という展開も面白みに欠けた。

 まあ、そうは言っても少しだけ面白いシーンもあり、1)フェルプスが薬を使ってシェルを意識不明にする→2)組織に手術が必要だと信じ込ませる→3)手術には麻酔医が必要だと仲間のウィリーを呼んでこさせる→4)ウィリーが組織のメンバーをガスで全員眠らせる、という流れについては、ちょっと楽しかったのは間違いない。もっとも、逆に言えばスパイ大作戦らしい痛快な展開はそこくらいだった、という気もする。

 ちなみに今回はIMFメンバーの中では、ケイシーがほぼ仕事をしておらず、最初の打ち合わせシーン以外は、車の運転をしているだけである。もっとも、それには無理からぬ理由が有り、ケイシー役のリンダ・デイ・ジョージは産休直前の身重の体だったためで、顔を出してくれただけでもありがたいと感謝すべきなのかもしれない。なおケイシーは、運転時はもちろん、打ち合わせの時も下半身が写らないようになっていた。

 今回フェルプスはオリエンタルな日本庭園で指令のテープを受け取るが、道のすぐ傍に有る椅子に座ってテープを再生している。近くを通りがかる通行人に聞かれることを気にしていないのだろうか……

 今回のサブタイトルの原題「Underground」とは「地下組織」とかそういうニュアンスの言葉である。謎の犯罪者逃亡援助組織の事を示していると思われる。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが日本庭園に行き、お茶を提供している和服の女性に合言葉を言うと、女性はその場を離れる。フェルプスはお茶を置いてある机の引き出しから大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出し、近くの椅子に座る。そしてその後、テープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。犯罪者の国外脱出を請け負う某組織が、昨日シンジケートの不法金融業務のブレーンであるガンサー・シェルを脱走させた。シェルは逮捕される直前にシンジケートの金数百万ドルを隠匿した。

 そこで君の使命だが、シェルを奪還し、その金を回収することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン7(150~171話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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