ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” http://www4.nhk.or.jp/diamond-hakushi/
放送 NHK Eテレ。全12回。金曜22:00~22:30。
【※以下ネタバレ】
世界的ベストセラー『銃・病原菌・鉄』で知られる進化生物学者ジャレド・ダイアモンド博士が、アメリカ・ロサンゼルスで、若者向けに行った特別授業を12回にわたって放送。ヒトと動物の違いと共通点に注目し、言語やアートの本質、夫婦の不思議、そして、なぜ人間の間で格差が拡がってしまったのかを考える事によって、環境破壊や、戦争と大量虐殺など人間が抱えている問題について、解き明かしていく。
第9回 地球外生命体(エイリアン)も進化する? (2018年3月2日(金)放送)
内容
3月2日金曜
NHKEテレ1 午後10時00分~ 午後10時30分
ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” 9▽地球外生命体(エイリアン)も進化する?
ダイアモンド博士は、「銃・病原菌・鉄」でピュリッツァー賞を受賞した進化生物学者。人間の進化によって現代社会を考察する博士の特別授業を12回にわたって放送。
ダイアモンド博士の講義9回目は、地球から宇宙の話に飛び出す。地球の外にも、私たちと同じように進化と発展を遂げた生物がいるかもしれない。そんな地球外生命体=エイリアンについて、みんなで議論する。エイリアンについて自由に考えることで、このシリーズで学んできた動物からヒトへの進化を見つめ直す。今回の講義の場所は、宇宙への好奇心を刺激し続けてきたウィルソン山天文台。
【出演】進化生物学者…ジャレド・ダイアモンド,【声】糸博
●地球外生命体は存在するか?
空飛ぶ円盤は既に地球に来ているか? とりあえず博士はまだ来ていないと考えている。その上で地球外に知的生命体が存在するかどうかを考えてみる。
生命が存在するには、惑星が
・ガスではなく岩など固いもので出来ている
・水が液体でいられる適度な温度
・放射線に被爆しない
といった条件を満たす必要がある。このような惑星を「ハビタブルプラネット」と呼ぶ。
有名な「ユーリー・ミラーの実験」は、ガラス容器の中にメタン・水素・アンモニアを入れ、水蒸気を発生させながら放電させてみた。これは地球の原初の状態を再現したもの。すると一週間ほどでアミノ酸が発生した。つまり必要な条件が揃えば生命の要素が揃うことが示された。
●何故地球外生命体と接触できないのか?
何故人類は今まで地球外生命体と出会っていないのか? 博士の考えでは
・地球が遠すぎる。遠すぎてたどり着けない
・地球以外にもたくさんの星が有る。真っ先に地球に来てくれるとは限らない
そして最大の理由が「高度な文明は長続きしない」。生命が生まれてから35億年、人類が初めてラジオ信号を発信したのは1901年だが、博士は2050年までに人類は核戦争などで滅びる可能性が高いと考えている。とすると、人類が地球外生命体と接触できるチャンスは1901年~2050年の149年間しかない。
他の星の文明も同様に149年間で滅びてしまうとすれば、人類が地球外生命体と接触できないのも致し方ないのではないか。
●地球外生命体が地球に来たら何が起きるか?
博士はもし地球外生命体が地球にやって来たとしたら、平和的な接触はあり得ないと考えている。何故なら、地球には人類以外にもクジラやチンパンジーやオウムなど知的な生物がいるが、人類が彼らに何をしているかを考えれば推測できる。人類は、他の知的生物のクジラたちを殺して肉にしたり、チンパンジーを動物実験の材料にしている。エイリアンだって人類に同じことをするだろう。
感想
今回は、突然SFチックな話題になりましたが、「人類がクジラをぶっ殺している以上、エイリアンだって地球人に同じことをするだろうよ」という主張には一理ある気も致します。「人類皆殺し」という有名なSF小説が脳裏をよぎりましたな。
- 作者: トマス・M.ディッシュ,深町真理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (14件) を見る