【科学】感想:NHK番組「ダイアモンド博士の“ヒトの秘密”」第4回「性と出会いのメカニズム」

若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来

ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” http://www4.nhk.or.jp/diamond-hakushi/
放送 NHK Eテレ。全12回。金曜22:00~22:30。

【※以下ネタバレ】
 

世界的ベストセラー『銃・病原菌・鉄』で知られる進化生物学者ジャレド・ダイアモンド博士が、アメリカ・ロサンゼルスで、若者向けに行った特別授業を12回にわたって放送。ヒトと動物の違いと共通点に注目し、言語やアートの本質、夫婦の不思議、そして、なぜ人間の間で格差が拡がってしまったのかを考える事によって、環境破壊や、戦争と大量虐殺など人間が抱えている問題について、解き明かしていく。

 

第4回 性と出会いのメカニズム (2018年1月26日(金)放送)

 

内容

NHKEテレ1 午後10時00分~ 午後10時30分
ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” 第4回「性と出会いのメカニズム」


ダイアモンド博士は、「銃・病原菌・鉄」でピュリッツァー賞を受賞した進化生物学者。人間の進化によって現代社会を考察する博士の特別授業を12回にわたって放送する。


第4回は性と出会いのメカニズムについて。ヒトや動物は、異性と出会い、引きつける技能をどのように進化させたのか。また、より多くの子孫を残そうとして、選び取ってきたその仕組みは、ヒトと動物でどのように違うのか。ダイアモンド博士が、私たち人間の命をつないできた神秘のからくりを解き明かす。


【出演】進化生物学者ジャレド・ダイアモンド,【声】糸博

自然淘汰と性淘汰

 ダーウィンは進化は、環境に適応するように変化したものが生き残る「自然淘汰」を考えた。しかしそれでは説明できない特殊な例の説明のため「性淘汰」も提唱した。

 性淘汰は異性を引き付けるための特徴がそのまま固定化したもの。例えばクジャクのオスの派手な羽根は、生き残るためには全く役立たない、というより邪魔である。大きすぎるし目立ちすぎる。しかしメスを引き付けるという目的には役に立っている。

 性淘汰ではどのような特徴が異性に好まれるのか。三つの説がある。
1 自然淘汰に役立つ特徴。生き残れるからメスを引き付ける
2 自然淘汰と全く関係なし。
3 自然淘汰の際に不利になる特徴。不利なのに生き残っている、という事がメスにアピールできる

 たとえ自然淘汰では不利になるような「派手な羽根」「長い尾」のような特徴であっても、他のオスよりメスをより強く引き付けることが出来るなら、結果的に自分の遺伝子を残す可能性が有る。



●夫婦は似ている

 人間の場合はどうか。夫婦を調べてみると、互いに似ていることが解った。しかしそれは「中指の長さ」「耳たぶの大きさ」「背の高さ」といった部分で、あまり気にしている部分ではないっぽい。

 人は自分と似ているタイプが好き。それはつまり、自分の肉親で反対の性(母親や姉妹)で見慣れているタイプが好き、という事。



●人種の起源

 人間の祖先はアフリカから全世界に広がっていったが、今何故こんなに多くの人種が有るのか。地理的な影響も確かで、赤道近くでは黒い肌で皮膚がんの発生を防ぎ、逆に高緯度地方では白い肌で太陽光を通してビタミンDを生成してくる病を防ぐ。しかし南極近くに住むタスマニア人は肌の色が黒いし、逆に赤道直下の南米アマゾンの先住民は肌の色が白い。それは今のところ説明が付かない。

 肌の色は自然淘汰の考えでほぼ説明できるが、髪の色や目の色は性淘汰と関係が有るらしい。


感想

 ふーん、顔が自分と似ているタイプを探せば結婚できたかもしれないのか…… 
 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

「ダイアモンド博士の“ヒトの秘密”」内容・感想まとめ

perry-r.hatenablog.com
 
 
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)