【映画】感想:映画「JAWS/ジョーズ」(1975年:アメリカ)

ジョーズ [Blu-ray]

土曜洋画劇場 https://www.twellv.co.jp/program/drama/doyou-youga/
放送 BS12。2024年4月6日(土)

【※以下ネタバレ】
 

サメ映画の原点にして頂点。当時弱冠27歳のスティーブン・スピルバーグ監督が、獰猛な鮫と人類の息詰まる闘いを歯切れの良いサスペンス演出でダイナミックに描く。水中から襲いかかる鮫を想起させる、ジョン・ウィリアムズの不気味なテーマ曲も恐怖度満点。公開時、海に出かける人が激減した不朽のパニック・アクション。第48回アカデミー賞では編集、作曲、音響の3冠を受賞。(日本語吹替)

 

あらすじ

 夏。アミティ島の海岸で泳いでいた若い女性が行方不明となり、翌朝無残な死体となって発見された。アミティの警察署長ブロディは、検死報告で被害者がサメに襲われたらしいと知り、市長にビーチの封鎖を進言する。しかし観光地のアミティ島にとっては、夏に海水浴にやってくる客が主要な収入源のため、市長は被害者は船のスクリューに巻き込まれたという事にしてしまい、ブロディも渋々受け入れる。

 だが、しばらくして海水浴場で泳いでいた少年がサメの犠牲になってしまった。少年の両親はサメ退治のため3000ドルの賞金を掛け、賞金目当てにあちこちから有象無象の連中が集まってきた。またブロディの依頼でサメ専門の研究者マット・フーパーもアミティにやって来た。

 やがてサメハンターたちが大型のイタチザメを釣り上げ、市長やブロディはこれでサメ騒動は解決したと安堵する。ところがフーパーがサメの胃を調べると、食われたはずの少年の死体は見つからなかった。ブロディとフーパーは少年を襲ったのは別のサメと気が付き深夜の海に船を出発させ、地元の漁師がサメに襲われて死んでいるのを発見する。フーパーは船に刺さっていた巨大なホオジロサメの歯を見つけるが、死体に驚いて海に落としてしまった。

 翌7月4日。アミティ島の海開きの日が来た。ブロディとフーパーは市長にサメがいるので海岸を封鎖すべきと主張するが、市長は全く聞く耳を持たない。やがて海岸に大勢の観光客が押し掛けるが、彼らの目の前でボートに乗った男性がサメに襲われて殺され、大パニックとなる。

 ブロディは、呆然自失状態の市長を強引に説得し、サメ退治の専門家だというクイントを一万ドルで雇い入れ、フーパーと共にクイントの船に乗ってサメ退治に出発した。

 やがて沖合で一行は巨大なサメに遭遇するが、それはサメを見慣れたクイントやフーパーですら今までに遭遇したことのない7~8メートルはある巨大サメだった。クイントはサメにワイヤーで樽を結びつけたモリを撃ち込むが、サメは樽の浮力をものともせずそのまま潜って姿を消してしまう。夜には逃げたはずのサメが襲ってきて船に体当たりしてくる。

 翌日。クイントは接近してきたサメにモリをさらに打ち込むが、サメは三つの樽を引きずりながら自由自在に動き回り、クイントを驚愕させる。クイントは船でサメを港まで引きずって行こうとするが、サメの力の前に船の方が壊されそうになり、やがてエンジンが破損して航行不能となった。

 フーパーはサメよけの檻の中に入って毒入りのモリでサメを刺そうとするが、サメに檻を壊され慌てて逃げるほかはなかった。海上では徐々に船が沈んでいき、クイントはサメの犠牲となった。ブロディはサメの口にアクアラングのボンベを押し込み、さらに自分に向かって突っ込んでくるサメの口の中をライフル銃で狙撃すると、タンクが大爆発しサメはバラバラに吹き飛んだ。

 最後。船の残骸にしがみついているブロディの傍に生きていたフーパーが浮上してくる。二人が漂流物の樽にしがみついて力を合わせて島を目指して泳いでいくシーンで〆。<完>


感想

 評価は○(面白かった)。

 1970年代の公開時に大ヒットを飛ばし、日本人にスピルバーグの名前(と、あの襲撃シーンのBGM)を刻みつけた超有名映画。しかしその後意外に見る機会が無く、今回の視聴は四十数年ぶりとなりましたが、相変わらず面白い映画でした。


 ストーリーは恐ろしくシンプルで、前半に海辺で人間が次々とサメに襲われ、後半は主人公たちが海に乗り出してサメ退治をする、とそれだけなのですが、キビキビとしたテンポの良いストーリー展開で、二時間超の作品にも拘わらず一切だれるところが無く、一気に視聴できる好作品でした。


 ただし、今回視聴してみて気が付いたのは、この作品はいわゆる「猛獣パニック映画」枠ではなかったことですね。と言うのも、この作品はとにかくサメが出てこない。物語の前半でアミティ島の海岸で何人もサメの犠牲者が出ますが、サメの姿を全く見せない。また、後半にプロディたちが海に乗り出しても、サメが海中を泳いでいる姿を見下ろす形でぼんやりと見ることできますが、本格的にサメが顔を出して歯をむき出しにするのはラスト10分くらいのみ。ヒッチコックの「鳥」の方が、よほどストレートに動物に襲われる恐怖を描いていました。

 つまるところ、この映画は「鳥」同様に「サスペンス映画」なんですね。猛獣の残酷襲撃シーンがウリではなく、サメに襲われる心理的恐怖で視聴者を不安の渦に叩きこむタイプでした。そういう意味では、あの有名BGMの効果のおかげもあり、ばっちり成功していました。

 この作品以後業界で残酷シーンの演出がエスカレートしたこともあり、今となっては本作はショッキングな映画どころかマイルドな演出の作品にしか見えなくなっていますが、サスペンスとしては今でも十分通用する一作でした。
 
 

https://www.twellv.co.jp/program/drama/doyou-youga/archive-doyou-youga/doyou-youga-262/
2024年4月6日放送
JAWSジョーズ


【ストーリー】
ある初夏の晩、海岸からひとりの若い女性が消えた。翌日、浜辺に無残な彼女の遺体が打ち上げられ、平和な観光地アミティは騒然となる。警察署長ブロディ(ロイ・シャイダー)は、この事件を巨大な人食い鮫の仕業と判断。海岸を閉鎖するように提案するが、貴重な収入源である海水浴客を失うとして、市長から猛反対にあってしまう。だが、間もなく、海水浴を楽しむ人々から第二の犠牲者が!責任を感じたブロディは、鮫狩りの達人クイント(ロバート・ショウ)、海洋学者フーバー(リチャード・ドレイファス)とともに船に乗り込み沖合を目指すが、それは想像を絶する死闘の始まりだった…。



番組情報
【スタッフ】
監督:スティーブン・スピルバーグ


【キャスト】
役名:キャスト(吹替)
マーティン・ブロディ:ロイ・シャイダー谷口節
クイント:ロバート・ショウ内海賢二
マット・フーパー:リチャード・ドレイファス堀内賢雄

 

2024年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
 
ジョーズ ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray]