【OVA】感想:アニメ(OVA)「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」(2007~2008年)第12話(最終話)「モナド」

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 6<最終巻> [DVD]

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放送 AT-X。2021年10月9日(土)

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【※以下ネタバレ】

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ OVAシリーズ(全12話)
http://www.votoms.net/about/07.php
2007年10月26日(第1巻)~ 2008年8月22日(最終巻)発売


百年戦争末期、“異能生存体”の研究のためにキリコと4人の兵が集められた


時に百年戦争末期、キリコ・キュービィーは飛び交う銃弾の下にいた。
一方ペールゼンは、レッドショルダーにまつわるスキャンダルで失脚。軍首脳はペールゼンを葬ろうとするが、情報省次官ウォッカムによって法廷から救い出される。
ペールゼンの残した秘密文書に着目したウォッカムは、『異能生存体』の有用性を実験し、戦後における地位の足掛かりにしようと目論んでいた。
かくしてウォッカムの監視下となったキリコは、秘密文書にピックアップされていた4人、バーコフ、ゴダン、ザキ、コチャックとともに、次々と過酷な戦場を転戦させられる。「異能でなければ、生き残れない」

 

第12話(最終話) モナド (2008年8月22日発売)

 

あらすじ

http://www.votoms.net/about/07/12.php
長い一瞬のあいだ、目の前で落下するコチャック機を見つめる4人の男。バーコフ分隊はついに一人目を失ってしまったかに見えたが、着地したATからは傷を負いながらも何食わぬ顔でコチャックが這い出す。「本当なのか異能生存体ってのは」――その、安堵の直後、敵の銃弾にコチャックが砕け散り、ゴダンが力尽きる。崩壊を始めた惑星モナドで、バーコフ分隊の旅が終わる。

 
 コチャックのATはバララント軍との戦闘で大爆発に巻き込まれるが、コチャックは負傷しつつも生き延びていた。コチャックはますます自分が不死だと確信し、他の四人が止めるのも聞かず無謀な攻撃を開始するが、直後に反撃を受けてATもろとも爆死した。

 ゴダンはコチャックの死に動揺し、バーコフとザキを銃で脅して敵の射線に晒し、本当に自分たちが不死なのかを確かめようとするが、打ち込まれたミサイルをかわし切れずにATを破壊され、ゴダンも死んだ。バーコフとザキは自分たちが本当に異能生存体なのか疑い始める。

 直後、惑星モナドに震動が走り、周囲のバララント軍が姿を消してしまう。キリコはバララント軍の通信を傍受し、バララント全軍にモナドからの撤退命令が下っていることを知る。一方、ウォッカムたちも、惑星モナドのコアが暴走を開始し、惑星が爆発しかけていることを知り動揺する。

 キリコたちは惑星脱出用のカタパルトめがけて突進するが、バララント軍同士でも脱出艇を求める争いが起き、カタパルトへの道は大混乱に陥っていた。キリコたちはバララント軍を追い抜きカタパルトまでたどり着くものの、バーコフは重傷を負い、もう助からないことを悟って自分は残ると言う。そして一人でバララント軍を食い止めた挙句、自爆して果てた。

 キリコとザキは小型艇でモナドから脱出するが、艇内でザキが突然キリコに銃を向ける。ザキは自分の脳が何者かに操作を受けていることを悟り、キリコにその相手への復讐を頼み、自分に銃弾を撃ち込んで死んだ。


 モナドは大爆発を起こし、この作戦に投入された一億二千万人のメルキア軍兵士も道連れとなった。軍はすぐさまウォッカムの責任を問うため兵を差し向けるが、ウォッカムは部下のルスケと共に逃走すると、ペールゼンのいる惑星クズスクに逃亡する。

 ウォッカムはペールゼンと対面するが、この星の医者は情報省内部にペールゼンが送り込んだスパイで、死の直前と思われていたペールゼンは実は健康体だった。さらにウォッカムはペールゼンから「ペールゼン・ファイル」とはニセ資料で、ウォッカムを操るために作ったものだったと知らされる。ザキの脳を操作していたのもペールゼンたちだった。ウォッカムはペールゼンの意図したとおりに、キリコたちをテストしていたのだった。

 ウォッカムはバーコフ分隊は全員モナドで死んでおり「異能生存体」という理論は破綻していると反論するものの、ペールゼンはウォッカムはキリコの死を確認していないと言い、ウォッカムを黙らせる。ペールゼンはモナドのコアの暴走もまたキリコの影響だと確信していた。

 ウォッカムはルスケにペールゼンを殺すように命じるが、ルスケはペールゼンの「異能生存体」理論に魅せられ、ウォッカムを射殺するとペールゼンについていく。


 最後、宇宙艇の中でキリコが自分に睡眠薬を打ち、眠りに落ちるシーンで〆。

感想

 最後の最後で大逆転劇が待っていた。まあよく考えたら、この話の後に当たる「ザ・ラストレッドショルダー」でペールゼンが生きていたのだから、この話の中で死ぬわけ無かったわ。

 最後にペールゼン側に寝返ったルスケ(声:銀河万丈)がのちのロッチナ大尉という事なんですかねぇ。ワイズマンの目だからキリコを追っていた、というテレビ版の設定と食い違っている気もしますが……


総括

 評価は○(そこそこ)

 2007~2008年発売のボトムズOVAシリーズ。1988年発売のOVA「レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」の19年越しの続編。しかしなんかイマイチというか……


 メルキア情報省の次官ウォッカムは、ヨラン・ペールゼンの作成した資料「ペールゼン・ファイル」を手に入れ、いかなる戦場でも生き残る不死身の兵士「異能生存体」についての研究を知る。ウォッカムはその真偽を確かめるため、キリコを初めとする「異能生存体」と目される五人を一つの分隊にまとめ、次々と過酷な試練を与える……


 監督・脚本・キャラデザ・メカデザ全てがテレビシリーズと同じ人たちなので、純正ボトムズの筈なのですが、なんだか「オリジナルスタッフによる二次創作」という雰囲気が強いというか、なんというか。

 ちゃんとキリコは出てくるのですが、あくまで「バーコフ分隊五人の中の一人」という扱い。群像劇形式なのでキリコの存在感がめちゃくちゃ薄く、全然「キリコのボトムズ」という感じがしなかったのが物足りませんでした。

 それでも「過酷な任務に投入されるはぐれ兵士たちの物語」と割り切れば、そこそこはイケるかに思えたのですが、それでもなおひっかかったのが「異能生存体」というトンデモ設定。

 テレビシリーズの「異能者」は、反射神経や回復力が常人よりはるかに優れた超人、という設定で、これなら受け入れ可能でしたが、「異能生存体」は「生き延びるために、周囲の状況を捻じ曲げてしまう生物」という物ということで、そんなもん遺伝子がどうこうで説明できる話ではなかろうと…… この設定がどーにも受け入れがたかった。正直テレビシリーズとは別次元の何かに思えます。

 あと、本作ではATを初めとするメカは全てCGで描かれていますが、なんかおもちゃっぽいというか。まあ、一々手描きしなくて良いので、すさまじい大部隊でもどんなアクションでも自由自在、というメリットはあるのでしょうが、重みというかそういう物がまるで表現できておらず、無駄にクルクルその場回転するATを見せられたりすると、「おもちゃかよ」感が凄かったし……


 結局のところ、「ダメ」では無かったのですが、夢中になるという程でもなかったです。やはりテレビシリーズこそが至高ということで。
 
 

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ
https://www.at-x.com/program/detail/2554


キリコとは、異能生存体とは何か?
アストラギウス銀河を二分した百年戦争が、
終焉に向かって加速する…!!

人気TVアニメのOVAシリーズで、後に劇場化もされた。


<スタッフ>
企画:内田健二、 森本浩二
原作:矢立 肇、高橋良輔
シリーズ構成:吉川惣司
キャラクターデザイン:塩山紀生
メカニカルデザイン大河原邦男
美術監督:鈴木俊輔、野村正信
色彩設計:久力志保
CGIディレクター:畑田裕之
撮影監督:高橋健太郎
音響監督:浦上靖夫
音楽:前嶋康明(La Gauno)、乾 裕樹
音楽プロデューサー:眞野 昇
チーフディレクター総作画監督:竹内一義
監督:高橋良輔
アニメーション製作:サンライズインタラクティブアンサースタジオ
制作プロデューサー:山路晴久
プロデューサー:塚田廷式(サンライズ)、長谷部大樹(バンダイビジュアル
製作:サンライズ


<キャスト>
キリコ・キュービー:郷田ほづみ
ノル・バーコフ:長嶝高士
ガリー・ゴダン:江川央生
ゲレンボラッシュ・ドロカ・ザキ:矢部雅史
ダレ・コチャック:後藤哲夫
フェクド・ウォッカム:石塚運昇
ヨラン・ペールゼン:大塚周夫
ナレーション:銀河万丈


2007年OVA作品 全12話

 

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」あらすじ・感想まとめは以下のページでどうぞ

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装甲騎兵ボトムズ 1/20 スコープドッグ(ペールゼン・ファイルズ版)
WAVE 1/24 装甲騎兵ボトムズ スコープドッグ ペールゼン・ファイルズ版 パーコフ分隊仕様
WAVE 1/24 装甲騎兵ボトムズ スタンディング トータス ペールゼン・ファイルズ版
装甲騎兵ボトムズ 1/20 B・ATM-03 ファッティー地上用(ペールゼン・ファイズ版)
 
ボトムズバイブル―装甲騎兵ボトムズ 全記録集〈1〉 (装甲騎兵ボトムズ全記録集 (1))
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