【歴史】感想:歴史番組「ダークサイドミステリー」シーズン4(2022年版)「姿なき連続殺人鬼テッド・バンディ ~笑顔に隠された恐怖~」(2022年6月9日(木)放送)

Ted Bundy: The Only Living Witness

ダークサイドミステリー NHK https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/
放送 NHK BSプレミアム。毎週木曜夜9時放送。

www.nhk.jp
【※以下ネタバレ】
 

他の回の内容・感想

perry-r.hatenablog.com
 

本当の謎は、人間の闇


シーズン4スタートしました!
今年度はなんと、地上波・Eテレで毎週(火)夜10:45放送の、名作の数々のコンパクト29分版と同時期放送です!
背筋がゾワゾワ、心がドキドキ、怖いからこそ見たくなる。世界はそんなミステリーに満ちている。世間を揺るがした未解決の事件、常識を越えた自然の脅威、いにしえの不思議な伝説、怪しい歴史の記録、作家の驚異の創造力…。
人智を超えた謎に迫る「幻解!超常ファイル」のスピンオフ!
栗山千明中田譲治志方あきこのダークなトライアングルに加え、伊藤海彦アナウンサーも参加!

 

姿なき連続殺人鬼テッド・バンディ ~笑顔に隠された恐怖~ (2022年6月9日(木)放送)

 

内容

ダークサイドミステリー▽姿なき連続殺人鬼テッド・バンディ~笑顔に隠された恐怖~
[BSプレミアム] 2022年06月09日 午後9:00 ~ 午後10:00 (60分)


優しく賢く信頼される美青年の正体は、恐怖の連続殺人鬼?家族も友人も恋人もだまし続け、人知れず30人以上を殺害。アメリカを混乱に陥れた史上空前の犯罪者の謎に迫る。


もしあなたの夫や彼氏が連続殺人鬼だったら?優しい笑顔とまじめな人柄、皆が信頼するハンサムな好青年…という姿で社会に溶け込み、人知れず30人以上の女性を殺害したといわれるテッド・バンディ。その異様な存在は“シリアルキラー”の言葉を生み出し、「羊たちの沈黙」のモデルにされるほど。理知的な言動と、野獣のようなおぞましい犯行。常識の理解を超えアメリカ社会を恐怖と混乱に陥れた、史上空前の犯罪者の謎に迫る。


【出演】栗山千明,【ゲスト】平山夢明関東学院大学教授…新井克弥,【語り】中田譲治,【司会】伊藤海彦

 
 今回のテーマは「シリアルキラー・テッド・バンディ」

●恐怖の連続誘拐殺人事件

 1974年7月14日。ワシントン州サマミシュ湖は行楽地としてにぎわっていた。昼12時半、若い女性が片手にギプスをはめたテッドという若い男に荷物を運ぶ手伝いをするように頼まれ、ついていったまま戻らなかった。四時間後、16時半にもう一人やはり若い女性が行方不明になった。

 誘拐犯はフォルクスワーゲンビートルに乗っていたことが多数目撃されており、すぐに犯人は捕まるかと思われたが、ビートルからもテッドという名前からも犯人は特定できなかった。


 一か月半後の1974年9月6日、湖から三キロ離れたテイラーマウンテンの森の中で、ハンターが白骨遺体を発見。遺体のうちの二人はサマミシュ湖で失踪した二人の遺体と判明したが、恐るべきことに森の中からは合計八人の白骨遺体が見つかった。異常な事に、遺体は埋められた形跡がなく、また八人中四人は首だけしかなく、体はいくら捜索しても見つからなかった。

 遺体を調べた結果、犠牲者は全員八か月以内にシアトル周辺て行方不明になった女性たちで、全員センターで分けたロングヘア、そして多くが成績優秀な大学生だった。

 目撃者の証言から、「テッド」は、身長170センチ、長めの金髪または茶発、少しイギリス風のなまりで話す、という特徴が明らかになり、警察は女性たちに警戒を呼び掛けた。


 1974年10月以降になると、ワシントン州から1000キロ以上離れたユタ州若い女性6人が、その隣のコロラド州では同じく5人が、それぞれ失踪しのちに遺体で発見された。全米は姿なき連続誘拐殺人犯の凶行に震え上がった。



●「テッド」逮捕される

 1975年8月16日深夜、ユタ州ソルトレイクシティで、深夜警察が不審なフォルクスワーゲンを停車させた。警官が車内を調べると、「手錠・アイスピック・目出し帽・パンティストッキングで作ったマスク」と怪しげな物が続々と見つかった。

 運転していたのは、セオドア・ロバート・バンディという、ユタ州大学で弁護士の勉強をしている27歳の大学院生。セオドアの愛称はテッドである。そしてバンディはワシントン州の大学からユタ州大学に転学しており、その引っ越しのタイミングは連続誘拐殺人の移動と一致していた。


 警察はバンディを不審物所持容疑で逮捕。そのあとの捜査で、バンディは9ヵ月前の1974年11月8日に誘拐未遂事件を起こしていた事が判明した。バンディは若い女性を自分のビートルに連れ込もうとしたものの、抵抗して逃げられていた。その女性の髪がバンディの車内に残っていたことが決め手となり、警察はバンディを再逮捕した。

 さらにバンディのクレジットカードの使用記録から、バンディはコロラド州の殺害現場の近くで給油していたことが解った。そしてコロラド州ワシントン州の警察もバンディを殺人の容疑者として捜査を開始した。



●裁判、そして脱獄

 1976年2月23日、まず誘拐未遂事件の裁判が始まるが、バンディの弁護には有能な代わりに超高額な報酬を請求する弁護士がついた。バンディの無実を信じる家族や友人が基金を作り、弁護士費用を工面したのだった。

 バンディは1946年生まれ、五人きょうだいの長男で家族との関係は良好、成績は優秀、周囲からは「将来は州知事になれるかも」と言われるほど評判は良かった。だがその反面、恋人に「深夜女性を尾行した」と異常な性癖を告白したり、こっそりつきあった浮気相手と婚約した途端突然連絡を絶ち、婚約の話を否定したり、と、普通でないところがあった。


 1976年3月1日、誘拐未遂事件の判決がくだり、女性の目撃証言と、車内の髪の毛が決め手となり、最長15年の懲役刑となった。続いてバンディはコロラド州の殺人事件の裁判のため現地の刑務所に移送されたが、獄中でのテレビインタビューではユーモア交じりの余裕のある受け答えをしてみせた。


 ところが約二年後の1977年12月31日、バンディは二度目の脱獄を行った。過去に既に一度裁判所の二階の窓から飛び降りて脱獄しており、今度が二度目だった。無実を訴えながら脱獄するという行動に、支援者たちも離れて行っていた。警察はバンディ最重要指名手配犯として全国に指名手配した。



●フロリダでの凶行

 バンディの脱獄から15日後。1978年1月15日、何者かがフロリダ州タラハシーにあるフロリダ州立大学女子寮に侵入し、二人に重傷を負わせ、二人を殺害して逃走した。

 一か月後、1978年2月15日、警察が盗まれたフォルクスワーゲンを発見すると、運転していたのはバンディだった。しかもバンディが住んでいたのは女子寮の近くだった。

 逮捕から五ヶ月後の1978年7月27日、フロリダ州地方裁判所で当局がバンディを起訴するにあたり、マスコミを集めた上で本人に伝えたが、バンディはマスコミに対して無罪を主張した。裁判は全米テレビ中継されるほどの注目を集めた。



●自分で自分を弁護

 1978年6月1日。大学女子寮襲撃事件の裁判が開始されるが、バンディは弁護士が有罪を確信しているので、自分が自分自身の弁護を行うと発表した。弁護士は死刑回避のため司法取引を勧めたため、バンディは自分が弁護団に参加したのだった。

 バンディの裁判は陪審員制で、一般市民から選ばれた12人の陪審員が有罪か無罪かを全員一致で決める。意見が割れれば評決不能として、別の陪審員を選んで裁判をやり直す。つまり陪審員の一人でもバンディは無罪だと考えれば、バンディは有罪にはならない。

 バンディは常に笑顔を絶やさず余裕の態度を見せ、裁判のあとの記者たちとのやりとりでもユーモラスな受け答えをして見せた。また検察側はバンディが犯行に関わったという直接的な証拠を提出できず、不利な状況に陥った。



●死刑判決

 1979年7月9日。裁判に行方を変える意外な出来事が起きた。裁判で検察により最初に事件現場に到着した警官が証人として呼ばれた。検察側は簡単な事実確認だけで終えるつもりだったが、バンディは何故かその警官に対し反対尋問を開始し、遺体がどのような状況であったかを一時間以上かけて事細かに説明させた。陪審員たちはこのバンディの行為に、彼の心の中の闇を見た。

 一週間後。バンディの犯行を示す決定的な証拠が見つかった。死体に残されていた歯型が、バンディの物と完全に一致したのである。

 1979年7月24日。結審の日。陪審員たちは全員一致でバンディに対し第一級殺人による有罪を宣告した。


 バンディは死刑囚となっても上告を18回繰り返し、そのため死刑は10年延期された。そして死刑の日が決まると、バンディは突然ワシントン州の殺人について真相を語り始めた。しかしバンディは全てを告白するにはあと三年は必要だとして死刑の延期を要求した。


 1989年1月24日。死刑執行の日、刑務所の外には1000人の群衆が集まり死刑の執行を待ち、執行された合図を見ると大歓声を上げた。

感想

 またまたまた連続殺人犯の回。この番組は第一回であの切り裂きジャックをとり上げ、以後も定期的にこの手の連続殺人者をテーマにしてきたのですが、今回は「シリアルキラー」という言葉が生まれる元になった人物について。不覚にもこの人物の名前は知らなかったのですが、闇深すぎ。
 
 

光と闇のナビゲーター 栗山千明
語り 中田譲治
テーマ音楽 志方あきこ
司会 伊藤海彦 (アナウンサー)

 
 

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