http://www.amazon.co.jp/dp/4802110545
甦る 究極のシミュレーションゲーム大全 Vol.1 単行本 2021/7/9
出版社:メディア・パル (2021/7/9)
発売日:2021/7/9
単行本:160ページ
【※以下ネタバレ】
「甦る」シリーズ第3弾はシミュレーションゲーム特集!
コンピュータの黎明期から存在していた幻の作品から誰もが知っているあの作品の1作目まで約100本のゲームを掲載。
1970年代から80年代半ばにかけてのPCゲームを中心に、幅広い作品を解説していきます。
戦略・戦術シミュレーションから経営・恋愛・金融・歴史・実機・スポーツなど、
様々なジャンルをシミュレートしたゲームの数々を大量の画面写真をもとに紹介。
作品の成り立ちを知ることによってゲーム史への理解度がより深くなること間違いなし。
レトロゲーム解説本の決定版堂々登場!
内容
https://www.mediapal.co.jp/book/1054/
アイコン黎明期に楽しませてくれたあの名作が現代に甦る!SLGマニア垂涎の決定版! テレビゲームのジャンルの中でも特にマニアックな人気を持つシミュレーションゲーム。1971年から1987年までに、主にPCで発売されていた作品を約100本解説。これまでほとんど語られることのなかったマイナー作品から、知る人ぞ知る名作まで、数多くの画面写真と貴重な資料で当時を振り返りながらフルカラーで詳解します!
メディアパルから発売されているレトロゲーム紹介ムックのシミュレーションゲーム編の第一弾。対象期間は1971年から1987年。
海外のSFゲーム「スタートレック」とその日本語移植版の紹介から始まり、1980年代前半は光栄やCSK・木屋通商の戦争系ゲーム、1985年頃からは、今に続く光栄の歴史ゲーム(信長の野望、三国志など)や、大戦略シリーズ、A列車で行こう、ディーヴァ全7作、T.D.F.、エルスリード三部作、等々が並んでいます。
まだこの頃はゲーム数が少ないせいか「フライトシミュレイター」の紹介が多め。また珍しい「釣り」のシミュレーションゲームも数作品掲載されています。さらに「アート・オブ・ウォー」「バランス・オブ・パワー」「シド・マイヤーズ・パイレーツ」といった移植された洋ゲーの紹介もあり。
しかしまあ、筆者があらかじめ断っている通り、何をもって「シミュレーションゲーム」とするのかはあいまいで
・「インベーダーゲーム」 … 宇宙からの侵略者を撃退するシミュレーション
・「ドラゴンクエスト」 … 魔王討伐シミュレーション
と言えなくもない、とのことで、「リトルコンピューターピープル」や、パチンコのゲーム(パチンコ台のシミュレーションという扱い)、も掲載されています。
感想
評価は○(そこそこ)。
ゲーム黎明期の、自分が一番知識のない頃の作品を取り扱っているので楽しめるかと思いましたが、満足度はいま一つ。
「スタートレック」が海外のフリーソフトで日本の会社がそれぞれ独自バージョンで日本のパソコンに移植していた、というのが解ったのは良かったですが、どうせなら「トレードトレック」も触れていてほしかったなぁ。
また、初期のシミュレーションゲームは、しょぼい画面&「●●の戦い」のような限定されたテーマしか扱われていない作品ばかりなので、説明を読んでもイマイチ面白くないのです。そういう意味ではグラフィックがそこそこ見れるようになった1985年より前の作品は紹介されても仕方ない的な印象でした。
RPGと違ってこの時期のゲームは「後世に語り継がれる作品」というものが殆ど無いので、システムソフトの現代大戦略・大戦略IIと、光栄の三国志・信長の野望全国版、あたりくらいしか読むところなかったという感じで期待外れでした。
おまけ
ところでこの本、ちょっと間違いが目立ちます……
・P95 現代大戦略 … 元々は持ち込みゲームで、作者は東京のシステムソフトに持ち込んだ云々。
↓
当時システムソフトは九州の福岡にありました。システムソフト=福岡って80年代ゲーマーには常識だったけど……
・P109 シティーファイト … SPI社は1969年にSTRATEGY & TACTICS社の業務を引き継ぎ云々
↓
全く違う。SPI社は1969年に、同人誌「STRATEGY & TACTICS」の権利を発行者から買い取り、自社の雑誌として発行を開始した。このあたりはウォーシミュレーションのややこしい歴史の話になるので、間違えるのも無理は無いか……、しかしいい加減な事を書いて混乱させるのはいただけない。