ダークサイドミステリー NHK https://www.nhk.jp/p/darkside/ts/4847XJM6K8/
放送 NHK BS。
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【※以下ネタバレ】
本当の謎は、人間の闇
「「こわいマンガ」はなぜ怖い? ~トイレに行けない! 表現進化の70年~」(2024年12月20日(金)放送)
内容
ダークサイドミステリー 「こわいマンガ」はなぜ怖い?表現進化の70年
[BS] 2024年12月20日 午後9:00 ~ 午後10:00 (1時間0分)
「こわいマンガ」70年の進化に迫る!水木しげる、楳図かずお、山岸凉子、つのだじろう、日野日出志、永井豪、美内すずえ、御茶漬海苔、伊藤潤二、犬木加奈子、そして…。
ひとりでトイレに行けない!「こわいマンガ」は日本のマンガ表現の実験場。怪奇と恐怖、70年の進化に迫る!昭和30年代の貸本マンガから、水木しげるによる鬼太郎誕生、楳図かずお「へび女」「赤んぼ少女」、山岸凉子「ゆうれい談」、つのだじろう「恐怖新聞」「うしろの百太郎」、日野日出志、永井豪、美内すずえ、御茶漬海苔、伊藤潤二、そして今話題の作品、作家たち。ホラーマンガの女王・犬木加奈子に直撃インタビュー!
●怖い漫画の始まり
昭和30年代、日本が戦争の傷跡からようやく復興したころ。少年向けの雑誌の内容が読み物から漫画メインに切り替わりつつあり、子供たちの間で娯楽として漫画が大流行り。そういった雑誌に載っている漫画は明るい冒険物ばかりだった
同じころ、漫画雑誌とは別に「貸本マンガ」というものが存在していた。これはレンタル専門の貸本屋オリジナルマンガで、一泊二日で5~10円で借りられた。この貸本マンガで「怖いマンガ」の最初期のものが生まれつつあった。
とはいえあまり恐怖はウリではなく、一つは「主人公が倒すべき敵が怪異である」というもの、もう一つは「不気味な事件をに挑む探偵物」で心理的な恐怖を描くもの、という具合だった。後者は、映画的技法で心理的な恐怖の描写が試みられていた。
怖い漫画は、少女向け漫画雑誌にも登場した。これはヒロインが恐ろしい目にあうものの、恐怖がウリというより「読者が可哀そうなヒロインに共感するための設定」として怖い話になっていた。
やがて貸本マンガからレジェンド「水木しげる」が登場した。細密画の様な絵柄、アメリカンコミックに出てくるような幽霊、現代シュールレアリズムに影響を受けた世界観、等で、それまでにない独自の漫画を生み出した。
●楳図かずお登場
1961年。少女向け貸本マンガ誌「虹」が登場。注目すべきはこの本で初めて「恐怖マンガ」という言葉が使われている。そして掲載されていたのが楳図かずおの「口が耳までさける時」。主人公の少女は金持ちの家に貰われていくが、その家で待っていた美人の「新しい母親」は実はヘビ人間だった……、という筋書き。
楳図かずおは1955年に18歳でデビューし、少年誌ではグロテスク、少女誌では幻想恐怖、で、それぞれ描き分けていた。それらを融合したのがこの「恐怖マンガ」。読者を怖がらせる様々なテクニックを開発。くるそくるぞとためておいて、次のページをめくるとショッキングシーンが待ち受けているとか、恐怖の叫び声をあげる姿を精密に書き込んでいくとか、の技法を駆使した。
楳図かずおは1980年代からは青年誌にも進出し、新たな恐怖の世界を広げていった。
●新世代の恐怖漫画家たち
1969年には人類初の月着陸成功、1970年には大阪万博、と明るい話題もあったが、同時に無秩序な開発により公害問題も発生していた。
この頃、水木しげるが「墓場の鬼太郎」、楳図かずおが「おろち」「漂流教室」などを発表する一方で、新世代の漫画家たちも次々登場。日野日出志、永井豪、美内すずえ、といった漫画家たちが恐怖漫画を発表していった。
やがて1973年にオカルトブーム到来。それと歩調を合わせるように登場したのが、つのだじろう「恐怖新聞」や「うしろの百太郎」。「うしろの百太郎」で描かれたこっくりさんが子供たちに大ブームを巻き起こしたりした。
一方で、少女漫画家の山岸凉子の「ゆうれい談」は実録怪談物。山岸の知人たちが実際に体験した恐怖を描いた。
●恐怖漫画専門誌誕生
1986年には、ついに恐怖漫画専門雑誌「ハロウィン」が登場。その狙いは、総合漫画誌では大手には勝てないので特徴を出そうとしたためだという。その影響は大きく、他社からも次々と恐怖漫画専門雑誌が創刊された。
ハロウィンは幾多の漫画家を生み出したが、その一人が御茶漬海苔。音の緩急・絵柄のコントラストなどを生かして残酷描写を描いた。また伊藤潤二は「うずまき」など緻密な絵柄でグロテスクなのに妙に面白みもあるという独自の作風。
その一方で、ホラーマンガの女王と呼ばれる犬木加奈子は楳図かずおの切り開いた恐怖漫画を継承した作品を量産した。
●2000年代以降
2000年代以降に入ると、ホラーマンガ専門誌の増加により、やがて恐怖描写は一般漫画にも広がっていった。ひよどり祥子「死人の声をきくがよい」、外薗昌也「鬼畜島」、ヤマシタトモコ「さんかく窓の外側は夜」、中山昌亮「不安の種」、高港基資「恐之本」など。
感想
「恐怖漫画の歴史」という、全く歴史のダークサイドではないけれど、テーマ的には面白い回でした。こんな風に恐怖漫画を俯瞰して眺めたことなんてなかったので、興味津々で楽しめましたねぇ。

