【コミック】山田風太郎原作漫画「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」が地味に面白いという話

忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

株式会社リイド社 http://www.leed.co.jp/

【※以下ネタバレ】

 現在リイド社の「コミック乱ツインズ」で連載している「エイトドッグス~忍法八犬伝~」(漫画:山口譲司/原作:山田風太郎)が地味に面白くて、毎月のお楽しみになっています。

コミック乱/乱ツインズとは?

 どちらもリイド社の漫画雑誌……、という事でめちゃくちゃマイナーで、存在もほとんど知られていなさそう……、内容は「コミック乱」「コミック乱ツインズ」共に「時代劇画」を専門に扱う雑誌です。ゆえに「鬼平犯科帳」とか「剣客商売」とか「仕掛人 藤枝梅安」とか、いかにもの作品が掲載されていて、中年以上の読者御用達、という雰囲気を漂わせています……、

 が、その反面、「時代物だったらニンジャとか魔物とか、そういうのが出てきてもOK」という妙な緩さもあり、おかげで、にわのまことの「変身忍者 嵐X(カイ)」とか、楠桂の「鬼切丸伝」とかが、しれっと掲載されているなど、妙に油断のならないところがあります。その「乱ツインズ」に掲載されているのが、山田風太郎忍法帖を原作にした荒唐無稽ニンジャ漫画「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」なのであります。


お話はこんな感じ

忍法八犬伝」を山口譲司が乱ツインズでマンガ化、ふくしま政美の読切も - コミックナタリー 2016年7月13日 21:49
http://natalie.mu/comic/news/194445
本日7月13日に発売されたコミック乱ツインズ8月号(リイド社)にて、山田風太郎の小説「忍法八犬伝」を原作とした山口譲司の新連載「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」が始動した。


「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」は、南総の地を治める里見家に代々伝わる家宝「伏姫の珠」をめぐる時代もの。ある日のこと、里見の城を訪れた美女たちが珠を盗みだしたことから物語は動き出す。

 舞台はあの里見八犬伝の150年後。里見家とり潰しのため、服部半蔵率いる伊賀くノ一八人衆が里見家に伝わる家宝「伏姫の珠」を盗み出してしまう。里見家家老は珠の奪還のため、八犬士の子孫である甲賀忍者たちを招集するが、その大半が出奔してしまっていて行方知れずで……

 しかし里見家の村雨姫が、珠を取り戻すために江戸にやって来ると、話が転がり始めます。出奔した八犬士たちは、今では江戸で好き勝手に暮らしていて、里見家に対する忠誠心はゼロ、お家おとり潰しになろうがどうでも良いと思っています。

 しかし、村雨姫には、その昔修行中にキツイ思いをしていたころに優しくしてもらったとかいう思い出があり、恩返しというかで姫の前では良い格好をしたいと思っています。そのため、各自の能力を使って次々とくノ一八人衆と戦っていくことに……


意外とあっさり目

 しかし八犬士もくノ一も、手練れの忍者の割には、けっこうあっさり死にます。特に八犬士は、登場したと思ったら次の回にはもう脱落、直後新キャラが登場したと思いきや、次の回であっさり死亡、とか実にスピーディというかキャラの掘り下げが無いと言うか、出てきただけというか、でバタバタ倒れていきます。またくノ一たちも、服部半蔵配下の精鋭のはずですが、死ぬときはもう簡単に死にます。まあ、人数が多いのでダラダラ生き残っていたら話が進まないからかもしれませんけど。


これが忍法?

 劇中に出て来る忍法は、文字に書き起こせないようなエロティックなタイプのものもあれば、「四つん這いになって獣そっくりに走ることで相手の目をくらます」という「どこが忍法だ!」という物など色々ありますが、犬江親兵衛が使う「忍法地屏風」は、スケールがでかい大技です。何せ「重力を操る」ですよ。

 具体的には、忍法の範囲内の重力のかかる方向を水平向きに捻じ曲げてしまい、するとこの中にいる者にとっては、今まで立っていた地面が垂直にそそり立つ壁に変わってしまい、その壁を転がり落ちて地面と化した家の壁などに叩きつけられる、という強烈技。ここまで地味っぽい技が多いだけに、この忍法の発動シーンは印象的でした。地面がそそりたった様が「まるで屏風みたいだ」という事ですかね?


絵がまた良いし

 漫画担当の山口譲司氏は、アホっぽいコメディ漫画も「江戸川乱歩異人館」「村祀り」といったダーク系の漫画もそつなくこなせる人なので、エロとアクションが混ざった原作を上手く絵に落とし込んでいます。おかげで乱ツインズの中では最強クラスで面白いです。


漫画はいよいよクライマックス

 漫画連載は、八犬士の内五人死亡、くノ一八人衆は六人死亡、珠は六個奪還、というところまで来ており、いよいよクライマックスに突入の模様。多分後二、三回で終わってしまいそうですが、いったいどんな手で珠を全回収に持ち込むのか、先が楽しみですよ。
 
村祀り 1 (芳文社コミックス)