【経済】感想:NHK番組「シリーズ 欲望の経済史~ルールが変わる時~」第4回「技術が人を動かす ~産業革命からフォーディズムへ~」

経済史の理論 (講談社学術文庫)

シリーズ 欲望の経済史~ルールが変わる時~ http://www4.nhk.or.jp/P4384/
放送 NHK Eテレ。全6回。22:30~23:00。

【※以下ネタバレ】
 

第4回 技術が人を動かす ~産業革命からフォーディズムへ~ (2018年1月26日(金)放送)

 

内容

NHKEテレ1 午後10時30分~ 午後11時00分
シリーズ 欲望の経済史~ルールが変わる時~第4回「技術が人を動かす」


産業革命がもたらした変化は大きい。しかし近年の研究では一夜で劇的に変わった「革命」というより、緩やかで持続的な変化だったと言われている。その本質にあった影響力とは?イギリスでの技術の発達はやがてドイツにも広がり、いよいよアメリカにわたり、社会を変える大きな力となる。フォーディズムという形でアメリカで完成されたシステムとは?技術は資本主義のルールを変える。AI時代に生きる私たちが学ぶべきものは?


【出演】シェルパ キャピタルCEO…スコット・スタンフォード,ドイツ 経済ジャーナリスト…ウルリケ・ヘルマン,カリフォルニア大学デービス校教授…グレゴリー・クラーク,ピケットアベニュー工場博物館 役員…マイク・スキナー,イギリス上院議員、ウォーリック大学名誉…ロバート・スキデルスキー,パリ経済学院 教授…ダニエル・コーエン,【語り】首藤奈知子

 
 18世紀。イギリスは綿織物を大量に生産するため、まだ機織り機を改良して効率を上げた。そしてそのため布を作る意図が足りなくなったため、今度は意図を大量に紡ぐ機械が発明された。

 産業革命は「革命」という短期間で一気に起こったでき事ではなく、何十年もかけてGDPが上昇していく長期的な変革だった。またこの時期に労働者が搾取されまくったようなイメージが有るが、現実には逆で賃金が上がり物価が下がったことで、労働者はそれまでと比較してはるかに豊かに暮らせるようになった。


 自動車王のフォードはベルトコンベヤ式で車を安く大量に生産する方式を考え付いた。また彼は従業員の賃金を上げた。彼の考えは

「給料の安い労働者」=「購買力の低い顧客」
「失業者」=「購買力のない顧客」

だった。つまり自分の会社の従業員の給料を上げれば、それだけ自社の車を買ってくれる顧客が増えることになる。会社は製品を作るだけではなく、需要も創造すべし。

という物だった。これが大量消費社会、中産階級、を作り出した。技術革新は顧客を生む。


 しかし、近年のITの進歩はそれとは違う。ITの進歩で人々は仕事を奪われ、収入が減る。単純労働からは解放されるかもしれないが、その代わり創造性を発揮することを強制され、それを搾取されている。労働力の搾取の形が変わっただけである。


感想

 とりあえず未来が暗い事はよく解った……
 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

「シリーズ 欲望の経済史~ルールが変わる時~」内容・感想まとめ

perry-r.hatenablog.com
 
 
経済史入門―経済学入門シリーズ (日経文庫)