ゲーム感想「アナザーコード 2つの記憶」

■タイトル等

・タイトル =アナザーコード 2つの記憶
・メーカー =任天堂CING
・機種   =ニンテンドーDS
・ジャンル =アドベンチャー
・発売日  =2005年 2月25日
・プレイ時間=8時間

■豆知識

 ブランドは任天堂ですが、製作は「CING(シング)」という会社で、ここは「リバーヒルソフト」の流れを汲んでおり、ゲームデザイン&シナリオは「J・B・ハロルド」シリーズで有名な鈴木理香さんです。

■紹介

 『ヒロイン「アシュレイ・ミズキ・ロビンズ」は3歳の時に両親と死別し、以後、父の妹「ジェシカ」に育てられた。ところが14歳の誕生日が間近に迫ったある日、死んだ筈の父「リチャード」から次の誕生日を共に祝おうというメッセージが届く。アシュレイは父が生きていたことに混乱しながらも、指定された「ブラッド・エドワード島」へと向かうが・・・』


 キャッチコピーは「さわれる推理小説」。ゲームシステムはフィールド移動型RPGに似ており、プレイヤーはアシュレイを見下ろす形で操作し、野外や屋内を移動させます。他のキャラと会話したり、あちこちに残されたメモ・手紙・日記等を読んだりすることで、少しずつストーリーが進んでいきます。

 ストーリーは章形式。各章とも移動できる範囲は限定されており、次の章に進むためには閉ざされた扉を開く必要が有ります。そのためには、見つけたアイテムを駆使する必要が有り、バラバラの破片を組み合わせたり、見つけたものを並び替えたり、或いは隠された暗号を解き明かしたり、等々、知恵をしぼらないといけません。

 謎は純粋にひらめきで解ける物も有れば、DSのゲーム機としての機能を活用する物もあり、かなりバラエティに富んでいます。アイテムを使ったパズルを全て解き、全ての扉を開いたとき、ストーリーもクライマックスを迎えるのです。

■感想

 このゲームはジャンルは「アドベンチャー」となっていますが、実際は「ストーリーのあるパズル集」という感じで、ストーリーは添え物に近い感覚です。

 ストーリーは一見なかなか魅力的で、「アシュレイの父は何故失踪した?」「アシュレイの母サヨコは今どこに?」「11年前何が有ったのか?」「父の研究対象『アナザー』とは何か?」等でぐいぐいと引っ張ってくれます。

 さらに、サブキャラクターとして登場するゴーストの少年「ディー」と出会いが物語に深みを加えています。ディーは57年前に死んだのですが、何らかの理由で地上から離れられず、また過去の記憶がないので何が理由で地上に縛り付けられているのかもわかりません。アシュレイの父親探しとディーの過去の記憶探しが同時に進められ、半世紀離れた二つの物語が同時に進むのは面白い感覚です。

 ところが、終ってみると、話はそれほど大した物でもなく、引っ張るだけ引っ張った割には平凡な結末で、いささか失望させられました。プレイ時間はパズルを解いていた時間が大半で、話はその合い間合い間に挟み込まれていた程度で、結局「子供向けアドベンチャー」で終っていたように思います。私は本格推理アドベンチャーを期待していたので、正直なところ物足りなさが残りました。

■まとめ

 あの鈴木理香さんがシナリオ担当、という事で本格的な推理物を期待していたため、アドベンチャーとしては失望しましたが、パズルを解いている間は純粋に夢中になれました。解くためにはDSの機能の思いもよらない使い方が必要だったりと「それは絶対解らないよ」と言いたくなる物も有りましたが、それなりに楽しめました。

 という事で、アドベンチャーと考えず、「ストーリーも有るパズル集」という目で見れば、それなりに楽しめたゲームだったと思います。

■評価

 ★★★☆☆

 5点評価で3点。