ドラマ「X-ファイル シーズン4」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)
■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン4
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s4/
BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。
第6話 整形 SANGUINARIUM
■あらすじ
EP6 整形
シカゴの病院で、手術中の患者が死亡。美容外科医が故意に殺害したとも考えられる。現場には五芒星が記されていた。モルダーは、10年前に類似事件があったことを知る。
お題は「黒魔術」。
病院の美容整形科で医師が手術中に患者を惨殺する事件が発生するが、犯人の医師は犯行時に何かに取り付かれていたようだと弁解する。スカリーは医師のストレスが原因だと考えるが、モルダーは手術室に五芒星マークがあるのに気が付き、事件に黒魔術が関係していると推測する。さらに同様の事件がさらに2件も連続発生し、どの医者も自分が自分でなかったようだと証言する。
やがてモルダーたちは、舞台となっている病院で、10年前にも今回と同様に医師が4人の患者を殺し、一人の医師が自殺した事件が有ったことを知る。モルダーたちは、当時にも勤務していた看護婦ウェイトに疑いを抱き捜査すると、彼女に黒魔術の心得があると解る。ウェイトは医師の一人フランクリンを殺そうとして失敗し、警察に捕まるが、直後大量の針を吐き出し、出血多量で死んでしまう。
一連の事件は魔女ウェイトの仕業かと思われたが、モルダーはウェイトは真犯人の犯行を阻止しようとしていたと考える。やがてモルダーは10年前に死んだはずの医師が実は生きており、それが容姿を変えたフランクリンだと突き止める。フランクリンは、美容整形の限界を超えて美形になるため、10年前、4人の患者を魔術の生贄にささげ、その後死んだふりをして別人に成り代わったのだった。そして今回また同じ事をやろうとしていた。モルダーたちはフランクリンを探すが、直後病院で4件目の死亡事件が発生し、フランクリンは失踪していた。
ラスト。ロスアンゼルスの美容整形科に、さらに美形になったフランクリンが就職のための面接に来ているシーンで〆。
監督 : キム・マナーズ
脚本 : ヴァレリー・メイヒュー&ヴィヴィアン・メイヒュー
■感想
久々の黒魔術のエピソード。冒頭の脂肪吸引手術シーンで、吸引パイプの中に最初は脂肪の塊が吸い込まれているのに、そのうちパイプが鮮血で真っ赤になってしまう、というのがいきなり気持ち悪い。
患者が信頼して命を預けている医者が、突然心身を喪失して無力な患者を殺害する、というシチュエーションは考えただけで身の毛がよだつが、「手術用のレーザー光線で頭を打ち抜く」とか「消毒液のフェノール液を顔に大量に浴びせかけドロドロにとかしてしまう」など、スプラッタ的な過激シーンが連続して描かれる、X-ファイルには珍しいグロ作品となっている。 また、殺害シーンではないが、最後に真犯人フランクリンが、自分の額の辺りに自分でメスを入れ、顔の皮をメリメリ剥ぎ取るシーンは極めつけのグロさだった。
シナリオ担当のメイヒュー姉妹は、この作品がX-ファイル初参加だったそうだが、良くも悪くも作品に新風が吹き込まれた感は有った。
しかし、ウェイトが血(?)で真っ赤に染まった風呂の中に潜んでいて、近づいてきたフランクリンにナイフ片手で襲い掛かるシーンは、ちょっとやりすぎというか、スラッシャー映画に影響されすぎという感が無きにしも非ず、だった。
犯人のフランクリンが、病院を舞台に四人も殺しておきながら、その動機は「ハンサムになりたかっただけ」という恐ろしく小さいのが、なんともいえない後味では有る。
結末は、結局モルダーたちは、フランクリンに手も足も出ないまま取り逃がしてしまう、というあたり、同じ黒魔術テーマのシーズン2・14話「呪文」を思い起こさせた。異星人や政府の陰謀にはそれなりに成果を挙げるモルダーたちも、人知を超えた魔力には対抗不可能ということだろうか。
■一言メモ
サブタイトル「SANGUINARIUM」とは、ラテン語で「出血」の意味。