感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン4」第13話「タトゥー」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン4」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン4
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s4/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第13話 タトゥー NEVER AGAIN

■あらすじ

EP13 タトゥー
行方不明の女性の部屋に残された第三者の血痕から幻聴を起こす物質を検出。近所の住人エドが入れたタトゥーは彼に話しかけてくる。スカリーは彼にタトゥーをすすめられる。

 お題は「喋る入れ墨、または幻覚」。


 会社員エドは離婚で子供と引き離され、自暴自棄になって怪しい店で腕に女の絵柄の入れ墨を入れる。ところがそのときから入れ墨がエディだけに聞こえる声で喋りだし、女はみなエディを馬鹿にしていると吹き込む。そのせいでおかしくなったエディは仕事を解雇され、さらにアパートの階下に住んでいる女性を殺してしまう。


 一方モルダーはFBIから無理やり一週間の休暇を取らされることになり、留守の間にスカリーは一人でUFO事件の証人の裏取りをすることになった。しかしスカリーは最近X-ファイル系の怪しげな事件ばかり調べることに意味が感じられなくなっていた。


 やがてスカリーは偶然エディと知り合い、デートの末に自分も入れ墨をいれて、エディの部屋で一夜を過ごす。ところが翌日、階下の住人が行方不明と発覚、しかも落ちていた血痕には麦角アルカロイドが含まれていた。スカリーは入れ墨の染料に含まれている麦角アルカロイドがエディに幻覚を引き起こしたと察する。エディはスカリーを殺そうとするが、反撃され結局自分の腕を焼却炉で焼く。


 後日、エディの麦角アルカロイド中毒は幻覚を起こすほどではなかったと判明するが、やけどの治療後精神科に送られる事になった。モルダーとスカリーの仲は何かギクシャクしたものが漂う。


監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : グレン・モーガン&ジェームズ・ウォン



■感想

 評価は××。

 スカリーがX-ファイル専任捜査官としてではなく、一個人として事件に関わるという珍しいエピソード。しかし評価は低め。


 今回の『超常現象』は、エディの喋る入れ墨だが、客観的にみて、これは超常現象でもなんでもなく「エディの幻聴」でしかありえない。最後にエディの麦角アルカロイド中毒は幻覚を引き起こすほどではなかった、という結論が出るが、だとすればエディはそもそも入れ墨を入れる前から離婚問題のせいで精神を病んでいた、というだけの話であろう。「解明できない不思議な出来事」になっていないので、余韻も無い。

 また、このエピソードでは、これまで積み上げてきたスカリーのキャラクターがいきなり破壊され、ファンとしては困惑する内容だった。出張先で知り合った男と簡単にデートしたあと、気楽に入れ墨を入れて、さらに一夜を共にする、と、スカリーが恐ろしく尻軽かつ軽薄なキャラに見えるような展開で、ファンとしては欠番にでもして欲しいくらいの黒歴史エピソードとなっている。

 エディの入れ墨の声を担当したのは、なんとあの有名女優ジョディ・フォスター。彼女はX-ファイルのファンということで、この豪華ゲストが可能になったらしい。

■一言メモ

 サブタイトル「NEVER AGAIN」とは、エディの入れ墨に書かれていた文字のこと。