感想:NHK番組「戦後70年 プレミアムヒストリー 知られざる陸軍終戦工作 あなたは“弱気の勇気”がもてますか?」(2015年8月27日(木)放送)


 NHK番組「戦後70年 プレミアムヒストリー 知られざる陸軍終戦工作 あなたは“弱気の勇気”がもてますか?」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■戦後70年 プレミアムヒストリー 知られざる陸軍終戦工作 あなたは“弱気の勇気”がもてますか? - NHK
http://www4.nhk.or.jp/P3663/

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2015年8月27日(木) 20:00〜21:00)。


番組内容

太平洋戦争中、徹底抗戦を貫く陸軍にいながら、早期終戦を訴え続けた陸軍大佐・松谷誠。彼を支えた“弱気の勇気”とは?組織や社会と、自分の信念の葛藤をめぐる終戦秘話。


「早く戦争を終えなければ日本が滅びる!」…太平洋戦争のさなか、戦況が不利になっても徹底抗戦を貫く陸軍にいながら、早期終戦を訴え続けた松谷誠大佐。組織で煙たがられ何度も左遷や粛清にあいながら、戦争終結の策を出し続けた彼の「弱気の勇気」とは?軍首脳部が終戦をためらううちに、続々と増えていく犠牲者。なぜ日本は戦争をすぐに止めることができなかったのか?組織や社会と、自分の信念のせめぎあいを巡る終戦秘話。


【出演】山本智之,【語り】速水奨,【司会】渡邊佐和子

 昭和18年(1943年)、陸軍大佐の松谷誠(まつたに・せい)は「戦争指導課」の課長に就任した。松谷は早速「戦争を終わらせる方法」について検討に入る。


 当時陸軍の戦争計画は、昭和23年(1948年)まで戦争を行なう予定で、「ドイツ・イタリアと協力してイギリスを降伏させる。そして残ったアメリカをタコ殴りにする」という方針だった。しかしこれは「ドイツがとにかく勝ち続ける」事を前提にした物で、「ドイツが負ける」という事は殆ど考えていない、つまり自分に都合の良いことしか想定していなかった。


 松谷は既にドイツがソ連に負け始めている、という事を掴んでおり、昭和19年末までにソビエトに仲介してもらって米英と講和する、という方向で早期終戦案を作るが、軍の上層部には受け入れられない。松谷は外務省・海軍・宮中の早期講和派と接触し、工作を図るものの、なにやかにやで話は進まない。昭和19年には東条首相に直訴するが、却って疎まれて中国戦線送りにされる有様だった。


 しかし東条内閣が倒れたため、松谷は呼び戻され、再度終戦工作を進めるものの、昭和20年になってしまう。日本はアメリカ軍の爆撃機に空襲されるようになり、沖縄戦も始まり、国民の犠牲がどんどん増えて行った、6月、天皇の聖断により国策として終戦工作が始まり、ソビエトに仲介を頼むものの、ソビエトは反応なし。そして原爆投下、ソビエト参戦、を経て、8月15日の玉音放送となるのだった。


感想

 歴史秘話というところですかね。陸軍って上から下まで「一億玉砕」信者だと思っていましたが、そうでない人もいたということで。

おまけ

 『このナレーション、聞き覚えのある爽やかな声だなぁ』と思っていたら、ホントに速水奨だった。ギャブレット・ギャブレーもNHKでナレーションをするポジションに上り詰めたのかと思うと感慨深く。