感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン2」第17話「入植 Part2」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン2」(全25話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン2
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s2/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第17話 入植 Part2 END GAME

■あらすじ

EP17 入植 Part 2
モーフィングマンがスカリー捜査官を誘拐した。彼の目的は、サマンサとの交換だった。その後、サマンサは殺されてしまうが、なんと複数のサマンサが出現し・・・。

 お題は「異星人の地球侵略」。


 第16話「入植 Part1」の続編。北極海で、アメリカ海軍の潜水艦が謎の物体と遭遇し、攻撃を試みるものの、操作不能になってしまう。

 モルダーはサマンサから様々な事実を聞かされる。1940年代後半に二人の異星人が地球に来訪し、現在では二人を元にしたクローンが地球各地で暮らしている。異星人は将来地球を奪い取るつもりである。彼らは全員そっくりのため、多様性を生み出すため地球人のDNAとの交配を計画していた、しかしその計画は自分たちの純粋さを汚すと考える勢力が、計画を消滅させるために殺し屋を送り込んだのだった。

 殺し屋(バウンティハンター)はスカリーを誘拐し、モルダーにサマンサとの身柄交換を要求してきた。モルダーはFBIの助けをかり、スカリーは救い出すものの、殺し屋とサマンサは川に転落して行方不明となる。翌日見つかったサマンサの死体は緑の液体になって溶けて消えてしまった。

 モルダーはサマンサの残した手紙を元に、ある施設を訪ねると、そこには何人もの「サマンサ」がおり、助けを求めてくる。彼女たちは本物のサマンサのクローンで、本人の居場所を知っているという。しかしそこにもバウンティハンターが現われ、モルダーはKOされ、サマンサたちは全員殺されてしまう。

 数日後、モルダーはミスターXから情報を得て、バウンティハンターを北極圏まで追うが、返り討ちにあい、瀕死のところを救出される。バウンティハンターは潜水艦に乗ってどこかへと去った。モルダーはバウンティハンターからサマンサが生きているという言葉を聞いており、妹と再会する希望を繋ぐ。


監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : フランク・スポトニッツ


■感想

 評価は◎。


 「入植 Part1」同様に異星人との対決が描かれる秀作エピソード。変身能力と不死身の体を持つ殺し屋バウンティハンターや、アメリカ国内に潜伏し密かに何かを研究しているサマンサたち、さらに異星人の地球植民計画、といった大掛かりな話になり、そろそろ超常現象好きのFBI捜査官が手に負える話では無くなってきているような感もあるが、有無を言わさず突き進むストーリーは抜群に面白い。


 異星人が既にアメリカ各地に人間のふりをして定住している、という「インベーダー」を髣髴とさせる世界観である。これはこれで面白いが、個人的には、シーズン1の頃の「モルダーが宇宙人の証拠を追い求めるが、また見つからずに終わってしまう」というUFO特番的なストーリーの方が好みなので、やや複雑な気持ちを抱いてしまう。


 ところで、今回は話の細かい部分で突っ込みどころが多くて追いつけないくらいだった。ざっと思いつくだけでも

・前回の冒頭で何者かがモルダーに人工中絶医殺人事件についてメールで連絡してきたのだが、結局発信者が誰だったのか解明されない。

・バウンティハンターがサマンサの身柄を欲しがった理由が不明。後半、モルダーの前に現われたサマンサが本物では無くクローンだと判明するため、バウンティハンターが『サマンサ』にこだわった理由が解らなくなっている。状況的にみて「仲間の場所を聞き出すため」という理由でも無いのも明白だし……

・スキナーがモルダーのアパートにやって来たミスターXを殴り倒して、消えたモルダーの情報を聞き出すシーンがあるが、スキナーは何故ミスターXが怪しいと解ったのか全く説明が無い。カンだけで殴りかかったのだろうか。

・モルダーは前回FBI捜査官が死んだ件でスキナーに吊るし上げられていたのだが、今回はもう無かった事になってしまっている。

 etcetc。前回のシナリオがクリス・カーターで、今回はスポトニッツのため、連携が上手くいかなかったのかもしれない。