【ウォーゲーム】艦これプレイヤーにもお勧めしたい太平洋戦争ボードウォーゲームのまとめ

艦これ改 - PS Vita

 ここ数年の「艦これ」ブームのおかげで、かつてはマニアのたしなみ程度だった旧日本海軍の艦艇が一気にメジャーになって、驚くやら嬉しいやらの状態になっております。


 そんな旧日本海軍に精通するようになった「艦これ」プレイヤーの内の何割かが、もしかして「加賀や吹雪やぜかま、もとい島風の活躍するゲームがプレイしてみたい」と考える可能性も無くも無いと思い、便乗して太平洋戦争ウォーゲームの紹介をしてみます。
 

※ご紹介するゲームは、入手のしやすさを考えて、「過去5〜6年以内に発売された日本語でプレイできるゲーム」に絞っています(古い作品にも名作は多いので泣く泣くの絞込みとなりました)。


 内容は

1. 初心者向け
2. 中級者向け
3. 変化球ゲーム
4. 上級者向け

 となっております。



1. 初心者向け

■「日本機動部隊」(エポック:1982年)→(国際通信社:1996年、2009年)

http://wargame-classics.jp/lineup/001/
日本機動部隊』は、シミュレーション・ウォーゲームを全く知らない方から中級以上の方まで満足いただけるようにデザインされたゲームです。
第二次世界大戦における日本機動部隊の活躍をテーマに、「真珠湾攻撃」「マレー沖航空戦」「スラバヤ沖海戦」「空母vs.空母」「珊瑚海海戦」「ミッドウェー海戦」「第2次ソロモン海戦」「連合艦隊vs.太平洋艦隊」の8つのゲームができます。

 初版が1980年代にエポックから発売され、その後国際通信社から再販されたゲームです。


 プレイヤーは艦隊の司令官として空母を含む艦隊を指揮します。内容は、空母からは攻撃機を飛ばし、戦艦・巡洋艦駆逐艦では敵艦を砲撃・雷撃し、といった、一般人が海戦に抱いているイメージそのままの戦いが行なえるゲームです。


 また初心者の入門用という目的で作られているため、ごく簡単な練習用ゲームから初めて、より難しい内容にステップアップしていく構成となっているため、ウォーゲームは初めて、という人にもピッタリ。初心者向けに鉄板のゲームですね。



■「決戦連合艦隊」(エポック)→(国際通信社:2014年)

http://commandmagazine.jp/ctcs/02/
『決戦連合艦隊』は1942年秋のガダルカナル島沖での戦いのうち、水上艦同士の夜戦をテーマにしたゲームです。
戦艦同士で夜戦を演じた霧島、ワシントン、サウス・ダコタ、鉄底海峡に投入される可能性もあった大和、そして日本海軍が誇る酸素魚雷を片舷20本斉射できる重雷装艦の大井、北上など日米合わせて111隻に及ぶ艦艇が登場します。

 「日本機動部隊」同様、1980年代にエポックから発売されていたゲームの国際通信社版です。


 「鉄底海峡」という名で艦これでもおなじみの、ガダルカナルの戦いをテーマにしています。


 プレイヤーは日米の艦隊司令官として、戦艦・巡洋艦駆逐艦を指揮し、敵艦隊とドカンドカン撃ちあうゲーム。移動や砲撃・雷撃のルールはシンプルにまとめられており、初心者でも無理なくプレイ可能。しかも登場するのが、

 大和、長門陸奥、金剛、榛名、霧島、比叡、伊勢、日向、扶桑、山城、古鷹、青葉、衣笠、妙高、羽黒、高雄愛宕摩耶、鳥海、熊野、鈴谷、利根、筑摩、川内、神通、長良、五十鈴、由良、北上、大井、天龍、龍田、夕張、吹雪、白雪、初雪、綾波、天霧、暁、雷、電、朝潮、朝雲、陽炎、黒潮親潮雪風天津風舞風、白露、時雨、村雨、夕立、春雨、五月雨、海風、江風、涼風、長波、巻波、高波、秋月、照月

 といった艦ですから、艦これプレイヤーなら熱くなれるのではないでしょうか。


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■「激突南太平洋」(エポック)→(国際通信社:2014年)

http://commandmagazine.jp/ctcs/03/index.html
名作『日本機動部隊』の魂を受け継ぐ初心者向け空母戦ゲーム 『激突南太平洋』は、1942年10月26日に実際に起こった日米の航空母艦同士の海戦である、「南太平洋海戦(米軍側呼称サンタクルズ諸島海戦)」をテーマにしたシミュレーションです。

 「日本機動部隊」同様、1980年代にエポックから発売されていたゲームの国際通信社版です。


 「日本機動部隊」の姉妹ゲームと言える内容で、ルールはほぼ共通になっているため、手軽に空母戦を楽しむことが出来ます。


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■「太平洋戦史」(国際通信社:2014年)

■コマンドベーシック『太平洋戦史』DELUXE EDITION
http://commandmagazine.jp/other/basic/002dx/index.html
『太平洋戦史』は、1941年から1944年前半までの海軍作戦に焦点を当てた戦略級シミュレーションゲームです。プレイヤーは日本軍または米軍を主力とする連合軍の提督となり、戦争に勝つための「戦略」を定め、それを遂行するための「作戦」を実行します。

 太平洋戦争全体を扱うゲームです。


 プレイヤーは日米の司令官となって、太平洋各所で拠点の取り合いを行い、ゲームの最後に持ち点の多いほうが勝者となります。そのため、ゲームの最後に日本軍は壊滅状態でも点数の上では勝利、という事もありえます。


 初心者向けを意識し、2時間という、ウォーゲームとしては短めのプレイ時間で最初から最後までプレイ可能です。発売前から評判が高く、初版を発売すると即座に売り切れたという大人気ゲームです。



2. 中級者向け

■「太平洋決戦〜全軍突撃せよ〜」(サイフォン:2012年)

http://si-phon.jp/board/02/
サイフォンの『太平洋決戦〜全軍突撃せよ〜』では、太平洋戦争における日米の空母決戦を展開します。プレイヤーは日本軍を担当し、ソリティアシステムで動く米軍と戦います。ソリティアシステムという事で、ソロプレイで楽しみます。

 太平洋戦争の内、日米の戦力がほぼ対等だった1942年の戦いをテーマにした一人用(ソリティア)ゲームです。


 プレイヤーは日本の司令官となって、1942年を5つの期間に分けて戦い抜きます。プレイヤーは艦隊を編成し、目的地に送り込み、ゲームのルールに沿って動くアメリカ艦隊と戦います。「長期的な視野で、どう艦隊を運用していくか」という戦略眼が試されます。初期に一気に戦力を集中して敵を叩くか、もしくは終盤を見据え、初期には戦力を温存するか、といった判断を行なう必要があります。


 ちなみにメーカーのサイフォンは、ボードゲームと、PC/タブレット用のウォーゲームを並行して開発するという、業界でも珍しい会社です。



■「真珠湾強襲」(シミュレーションジャーナル:2011年)

ゲームジャーナル39号 真珠湾強襲

ゲームジャーナル39号 真珠湾強襲

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_039/index.html
真珠湾強襲」は1941年12月の真珠湾攻撃にはじまる、太平洋戦争をキャンペーンレベルで再現した、ボードシミュレーションゲームである。
驚異的なことは、陸海空の複雑きわまる太平洋戦争の全貌を、統一されたゲームシステムとわずか8ページのルールと32枚のカードによって再現することに成功したこと。

 太平洋戦争全体を扱うゲームです。


 ゲーム名だけを見ると真珠湾攻撃のゲームのように誤解しそうですが、実際は1941年から45年までの太平洋戦争全般をプレイします。手軽にプレイすることを狙って作られているため、プレイ時間4時間程度で太平洋戦争を最初から最後までプレイできますが、それでいてなかなかのシミュレーション性が有るゲームです。



3. 変化球ゲーム

■「ソリティア太平洋戦争」(国際通信社/VICTORY POINT GAMES:2012年)

http://commandmagazine.jp/other/other/021/index.html
ソリティア太平洋戦争』は日本と連合軍との戦いをテーマにした1人用(ソリティア)ゲームです。プレイヤーは日本政府の立場で絶対防衛圏の拡張を目指し、軍の整備と資源の獲得を図り、連合軍の日本侵攻を食い止めなければなりません。

 太平洋戦争全体を扱う一人用(ソリティア)ゲームです。プレイヤーは日本軍を担当します。


 このゲームの何が『変化球』かといえば、まず、太平洋戦争のゲームなのに日本軍のユニットが無い(笑)。またゲーム内容も、ウォーゲームというよりは、「カードを使用するスゴロク」といった雰囲気です。


 マップには日本を中心に何本もの「道」が書いてあり、カードを一枚めくるたびに、カードの内容に応じて敵が道を通って日本に向けて進んできたり、日本の各種資源が増減したりします。そういった状況に対応して、プレイヤーが敵を押し返せば勝ち、資源が無くなったり日本本土に攻め込まれれば負け、というゲームです。太平洋戦争のゲームというより、トラブルに対応する管理系のゲームという感じですね。


 ちなみにこのゲーム、VICTORY POINT GAMESの「ゾンビ物ゲーム」が元ネタで、それは「人間たちがマップ中央に立てこもっていると、カードに応じて周囲からゾンビが襲い掛かってくる」というゲームなんだそうです。なるほど。



4. 上級者向け

■「大日本帝国の盛衰」(シミュレーションジャーナル:2009年)

ゲームジャーナル別冊 大日本帝国の盛衰

ゲームジャーナル別冊 大日本帝国の盛衰

http://www.gamejournal.net/item_list/bessatu_002/index.html
本ゲームの最大の特徴とは、軍艦のみでなく船舶全体の運用に焦点をあて、特に近代国家に必要不可欠であり、太平洋戦争の大きな要因の一つである石油の輸送というシーレーンの部分に大きく注目している点でしょう。

 太平洋戦争全体を扱うゲームです。プレイヤーは日米の最高司令官の立場となります。


 このゲームは「資源」の概念が重視されており、日本軍はどこでどう戦うか、ということ以外に、シーレーンの護衛にも気を使わなくてはいけません。輸送船が撃沈されれば国内の資源が乏しくなり、結果として軍の行動が取れなくなり……、という史実での日本の苦しみがそのまま追体験できるようになっています。


 ゲームの難易度はヘビー級ですが、評価は高く、アメリカで英語版が発売されています。



■「大東亜戦争」(シミュレーションジャーナル:2015年)

ゲームジャーナル別冊 大東亜戦争

ゲームジャーナル別冊 大東亜戦争

http://www.gamejournal.net/
大東亜戦争」は第二次世界大戦の帝国陸海軍の戦いの全体像を再現した、戦略級のウォーゲームです。
本作では、ゲーム開始時期を史実の開戦半年前の仏領インドシナ進駐時期よりプレー可能にし、またゲーム範囲に大陸方面のほぼ全域を含めることによって、この時代の帝国陸海軍がとりうるさまざまな可能性(真珠湾攻撃をせずに東太平洋で艦隊決戦をおこなうことや、日本の対ソ戦、対英・蘭単独宣戦など)をできる限り再現できるなど、これまでの作品になかったプレーヤーの自由度を高めることが可能になっています。

 太平洋戦争全体を扱うゲームです。プレイヤーは日米の最高司令官の立場となります。


 太平洋戦争全体を扱う戦略級ゲームは、基本的に1941年12月の日本軍の真珠湾奇襲攻撃からスタートします。ところがこのゲームは、その常識を打ち破り、1941年の夏からゲームが始まります。そしてゲームの開始時期も、戦争を仕掛ける相手も、プレイヤーが自由に選択できます。つまり、史実とはまったく別の、「イギリスとオランダにだけ宣戦する」、「ソ連にだけ宣戦する」、「そもそも他国へ宣戦を行なわずひたすら中国相手に闘い続ける」といった様々なIFを試すことが出来ます。


 「ウォーゲームは歴史のIFを楽しめるゲーム」といった表現がありますが、このゲームほどその言葉がピッタリ来るゲームは無いでしょう。それでいてプレイ時間は8時間程度で、頑張れば一日でプレイ可能です。




■「アクロス・ザ・パシフィック(Across the Pacific)」(パシフィック・リム社/国際通信社:2014年)

http://commandmagazine.jp/other/wws/005/index.html
『アクロス・ザ・パシフィック』は、太平洋戦争をテーマにした二人用ゲームです。プレイヤーは実在した艦船や部隊を指揮し、太平洋、オーストラリア、そしてアジア大陸で、勝利を目指して戦います。

キャンペーン・ゲームは全9ターン、1ターンは5カ月を表し、1941年12月から始まり、45年8月に終わります。キャンペーン・ゲームのプレイ時間は12〜18時間です。その他、4本のショート・シナリオが用意されています。

 太平洋戦争全体を扱うゲームです。プレイヤーは日米の最高司令官の立場となります。


 プレイ時間の目安が18時間、ユニット数約1000個という、堂々たるスーパーヘビー級ゲーム。複数人でプレイするのが適切なゲームだと思います(マルチゲームという意味ではありませんよ、例えば、4人で、日本軍と米軍の二人ずつに分かれて、範囲を分担し合ってプレイする、という意味です)。まさしくウォーゲーム上級者向けといえるでしょう。


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■終わりに

 いかがでしたでしょうか? 過去5年程度で日本国内で発売されたゲームを取り上げてみましたが、調べてみるとかなりの数がありましたね。この紹介がお役に立てれば幸いです。