感想:アニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」総括(全12話)


 アニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」(全12話)の感想です。
(※以下、ある程度作品内容に触れていますので、未見の方はご注意ください)

■TVアニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」(※アクセス不可)
http://www.shimoseka.com/

■原作サイト
http://gagagabunko.jp/shimoseka/

 CS放送・AT-Xでの視聴です(AT-Xが最速放送)。


■総括

 近未来、あるいは並行世界の日本。この世界の日本は、十数年前から徹底したエロの取締りが行なわれた結果、性的な物に関する情報は一切失われ、それ以降に育った世代には性的な知識が全く無くなっていた……、という一種の悪夢世界を舞台にした『下ネタギャグアニメ』。



 設定はかなり特殊なのですが、話は「学園物アニメ」としてすんごく面白い作品でした。



 主人公たちはある理由で普通に性知識を持っており、同世代の学生たちが「子供ってどうやって作るの?」程度のことすら知らないことを嘆いて、「下ネタテロ」を実行し、学校内に性知識を普及させることを目指します。しかしその「テロ活動」というのが実にバカバカしくて、「全校集会でゲリラ的に虫の交尾シーンを放送し、それに合わせてAV風のあえぎ声をアテレコする」とか「視力検査にかこつけて、知識の無い女子生徒たちにエロい単語を言わせようとする」とか「エロ同人誌を校内にばら撒いて性知識の拡散を狙う」とか、アホみたいなものばかり。そんな活動に大真面目に取り組む主人公たちと、取り締まる生徒会側の攻防が実にコミカル。


 中盤になると、主人公たちのテロ活動がある程度身を結んでくるのですが、その成果が「女子生徒の間で主人公をモデルにしたBL同人誌が大流行」とかいうのにはホントに笑ったし。



 また、生徒会長のアンナは、序盤主人公が憧れる、美人で清楚で優しい(ついでに超人的身体能力の持ち主の)人物なのですが、途中で中途半端に性に目覚めた結果、ひたすら主人公の愛を求めるストーカーになってしまう、という仰天展開もまた楽しかった。ストーキングといってもあまり暗いことにはならず、「色狂いのヘンな人になって校内で追い掛け回す」程度でしたしね。



 まあ、お話の雰囲気は「ヒロインの綾女が呼吸するように自然に下ネタを連発する」とか「アンナが何かというと『愛の蜜』をダラダラ垂れ流す」とか「変装代わりにパンツを被る」とか、はっきり言ってタイトル通りの「下ネタ」満載作品でしたが、ただ下品なだけではなくて、ギャグアニメとしてちゃんと笑わせてくれたのは好感度高し。



 放送前は、タイトルを見た時点で「これはダメだろう……」とか思っていたので、意外にもバカギャグアニメとして楽しめたのには驚きましたね。これはお金を出して見ても良い方のアニメでした。下ネタに抵抗の無い人にはお勧めです。