感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第7話「歩兵」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第7話 歩兵 THE WALK

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP7 歩兵
自分が何者かに狙われていると信じてしまい自殺未遂を繰り返す中佐がいた。中佐は戦争後遺症という診断を下されるが、実は、同じ症状に悩む兵士は他にもいたことがわかる。

 お題は「幽体離脱」。


 陸軍病院で歴戦の勇士であるスタンド中佐が自殺未遂を繰り返していた。中佐は「幻の男」が起こした火事で家族を失い、絶望して自殺を図る度に、その幻が邪魔をするのだという。モルダーたちが捜査したところ、過去に中佐同様、火事で家族を失い自殺未遂を繰り返した軍曹がいたことが解る。軍曹は何度目かの自殺で命を断っていた。


 やがて、中佐の上官キャラハン将軍の家に、ローチという男が侵入して郵便物を盗み出し、FBIに逮捕される。ローチは共犯として負傷兵レナードの名前を挙げるが、直後に独房で窒息死する。レナードは戦争で両手両足を失っており、とても犯人とは考えられないが、モルダーはレナードが幽体離脱能力で犯行に及んだと推測する。


 レナードは自分を戦場に送り出した上官を憎悪しており、幽体離脱して次々と犯行を行なっていた。しかし目標に狙いをつける必要があり、そのためにローチに郵便物を盗ませていたのだった。レナードはキャラハン将軍の子供と妻を殺し、さらに将軍本人に迫るが、幽体離脱している隙に、レナードが犯人だと気がついたスタンドがレナードを窒息死させる。


 結局一連の事件は殺人事件とは認められず、レナードは軍の墓地への埋葬を拒否され、民間人扱いで葬られた。


監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : ジョン・シバン



■感想

 評価は○。


 1990年代のテレビ朝日の地上波放送では未放映だった回。やはり、手足を失った人物が犯人、というストーリーは、設定面からも映像の衝撃度からしても、日本の地上波では放送はタブーなのかもしれない。


 手塚治虫のサスペンス漫画に、「マフィアに両腕を切り落とされた主人公が、復讐心から念力を身につけ、それで義手を操る」、という作品が有ったが、それを思わせるエピソード。犯人レナードの幽体離脱による犯行、という真相は、序盤で容易に推測できるが、真相をなかなか描かず、不可解な事件が次々に起こって緊迫感を盛り上げる展開が巧みである。


 しかし、将軍の留守番電話に謎の呪文の様な伝言が残されており、逆回転で再生するとレナードの声で「将軍、今度はお前の番だ」云々という声が聞こえる、というのは……、悪魔の呪いとかでもあるまいし、ちょっとこれは勇み足というかやりすぎだったかも。