感想:アニメ「亜人(デミ)ちゃんは語りたい」第12話(最終回)「亜人ちゃんは泳ぎたい」

オリジナル。(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)

TVアニメ「亜人ちゃんは語りたい」公式サイト http://demichan.com/
放送 BS11。全12話。

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 亜人ちゃんは泳ぎたい (2017年3月25日(土)深夜放送)

 

あらすじ

 ある日、ひかりが鉄男に学校のプールで泳ぎたいという話を持ち出し、鉄男が学校に許可を取って、ついでに佐藤先生も誘う。当日、ひかり・京子・雪がプールで大はしゃぎする中、鉄男は佐藤先生に「サキュバスだと水着で泳ぐのとか大変でしょう。席を外しますからゆっくり泳いでください」とか気づかいを示し、佐藤先生はあらためて鉄男に惚れ直す。

 最後は別の日に登校してきたひかりが、校門にいた鉄男に「最初に出会ったのもこんな感じだったね」とか言って遅刻をごまかそうとしたりして、亜人ちゃんたちの日常は続いていくよ的に〆。


脚本:吉岡たかを / 絵コンテ:安藤良 / 演出:安藤良 / 作画監督川上哲也・川﨑玲奈・田村里美・山名秀和


感想

 佐藤先生のエロ水着が印象のほとんどを占めてしまった回でした。あと、いつでも続編作れるような感じで閉めましたね。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 月刊ヤンマガサードの連載のアニメ化。良くも悪くも原作を大きくオリジナル要素で膨らませた二次創作みたいな作りで、ホント良い面も悪い面もあった作品でした。


 かつて伝説上の存在と考えられていた、バンパイア、サキュバスデュラハン、雪女、等々の「亜人(あじん)」たちは、現在はすっかり社会に認知され、今や「個性」程度の扱いに落ち着いていた。高校の生物教師「高橋鉄男」は、以前から亜人に興味があったが、生徒や教師たち亜人、いわゆる「デミ」の相談に乗るうちに慕われる存在になっていき……


 原作はヤンマガサード誌の看板漫画で、いつも愛読しているのですが、アニメ化にはやや不安がありまして……、というのも、原作漫画は、ほとんどのシーンが、学校内でおっさん先生高橋と亜人(女子高生かサキュバス先生)が会話しているだけのショートコント的な内容なので、それをどうやって30分アニメとして持たせるのかと心配で心配で。

 と思ったら、第一話のシナリオは、原作の個々のエピソードを基本にしつつ、学園アニメ物のフォーマットに上手く流し込んで、うまく改変していたので心底感心しました。原作とは結構イメージが違うのですが、原作愛に溢れた二次創作みたいな感じで、これはこれでアリだなと嬉しくなって。

 その後もデュラハン・マッチーの描写とか、佐藤先生が一人で自宅で酒をかっくらいながら高橋先生スキーとか言って悶絶するシーンとか、面白い展開多数で好感度はうなぎ上りでした。


 しかし、放送回数を重ねると、その独自性は時として負の側面を露にすることもしばしばで……、例えば第四話の雪がクラスメートからトイレでいじめを受ける話とか、「亜人ちゃんはこんな暗い原作じゃないよ!」と、めちゃくちゃアニメのイメージが悪くなりましたよ。その後もしばしば繰り返されるシリアスエピソードに、「こんな漫画じゃないのに……」と、なんとなく嫌な気持になることが多くて……、明るい話のときはとことん良かったのですけどね。


 という事で、最終回まで見続けた結果、文字通り愛憎半ばするアニメという事になりました。もっと原作のプラスの面だけ拾った面白おかしいアニメとして仕上げてくれていれば、あとは絵もキャストも文句なかったのに。個人的には実に惜しいアニメだったなぁと考える次第です。


キュートな亜人(デミ)ちゃんには、
キュートな悩みがあるのです!

サキュバスデュラハン、雪女、
そしてバンパイア―。
僕ら人間とちょっとだけ違う、それが「亜人(あじん)」。
最近じゃデミと呼ばれてます。

そんな個性的な「亜人」(デミ)ちゃんたちと、
彼女たちに興味津々な高校教師・高橋鉄男が繰り広げる、
ちょっと刺激的でハートフルな学園亜人コメディ!



制作会社
A-1 Pictures


スタッフ情報
【原作】ペトス(「ヤングマガジンサード講談社刊)
【監督】安藤良
【シリーズ構成・脚本】吉岡たかを
【キャラクターデザイン】川上哲也
美術監督】針生勝文
色彩設計赤間三佐子
【撮影監督】宮脇洋平
【CG監督】那須信司
【編集】西山茂
【音響監督】明田川仁
【音楽】横山克


音楽
【OP】TrySail「オリジナル。」
【ED】三月のパンタシアフェアリーテイル


キャスト
高橋鉄男:諏訪部順一
小鳥遊ひかり:本渡楓
町京子:篠田みなみ
日下部雪:夏川椎菜
佐藤早紀絵:日笠陽子
小鳥遊ひまり:Lynn

フェアリーテイル(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)
亜人ちゃんは語りたい(1) (ヤングマガジンコミックス)