感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第146話(シーズン6 第19話)「暗号名はC6」


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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第146話 暗号名はC6 Bag Woman (シーズン6 第19話)

 

あらすじ

賄賂を受け取っている政府高官がいるが、「C6」という暗号名しか分かっていない。この正体を掴むべく作戦を開始するが、任務遂行中にバーニー(グレッグ・モリス)が負傷し、爆弾入りのバッグを持たされたケイシー(リンダ・デイ・ジョージ)を追跡する探知機も故障してしまう。ケイシーに危機が迫る…。

 
【今回の指令】
 西部のある州では長年にわたりシンジケートの活動がなかば公認されているが、それは州政府の高官で暗号名「C6」(シー・ロク)として知られる人物が賄賂を受け取っているためである。賄賂の支払いはシンジケートの大幹部ハリー・ファイフ(Harry Fife)と、腹心の部下ルーク・ジェンキンス( Luke Jenkins)が行っている。C6を調査していた政府の情報部員ジャック・マロイ(Jack Malloy)は殺されてしまった。IMFはC6の正体を突き止めなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:氏名不詳(動物病院の医師)


【作戦の舞台】
 アメリカ国内・ロスアンゼルス


【作戦】
 冒頭。ルークがジャック・マロイを殺害する。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 IMFは、ファイフは自宅からC6に電話はせず盗聴できないため、ケイシーに賄賂の受け渡し役を演じさせ、直接C6の元に乗り込む計画を立てる。

 ファイフはC6が賄賂の額を二倍の10万ドルに値上げするように要求してきたことに腹を立て、C6を殺すことを決意する。そしてバッグの中に、現金の代わりに爆弾を入れ、バッグの鍵を開くと爆発する仕掛けを用意する。

 IMFは動物病院の医者を抱き込み、ルークの飼い犬の検査だと言ってルークを病院に呼び寄せて眠らせ、バーニーがルークそっくりに変装してすり替わり、ファイフの屋敷に戻る。ファイフは運び屋に扮したケイシーに、ロスアンゼルスの所定の場所に行けといって、カバンを手錠で括り付けて送り出す。ケイシーは発信器を持っており、それを頼りにウイリーが尾行していた。

 バーニーは、ケイシーのカバンの中に爆弾が入っていることを知り、仲間に連絡しようとするが、そこに病院から逃げてきたルークの犬が現れて襲いかかり変装がばれてしまう。バーニーはなんとか逃げ出すものの、頭に銃弾が掠ったため、病院に転がり込んだ後気絶してしまう。

 フェルプスは病院に担ぎ込まれたバーニーから、ケイシーのバッグの爆弾の事を聞き、ウィリーに連絡するが、ウィリーの車は追突事故で探知機が壊れてケイシーを見失っていた。同じ頃、ケイシーはC6の元にたどり着き、C6ことワルディングと対面していた。

 フェルプスは、シンジケートの幹部を名乗ってファイフの屋敷に行き、まずケイシーはスパイだと教えて、ファイフを信用させる。その後、ファイフが爆弾でC6を殺そうとしていると聞くと、C6はシンジケートのために必要な人材なので殺してはいけないと叱りつけて立ち去る。慌ててルークは公衆電話からC6の元に電話し、ケイシーはスパイで、またカバンは爆弾なので開けるな、と伝える。

 フェルプスはルークが電話をかける様子を監視しており、電話番号からC6の居場所を突き止める。そしてウィリーがC6の所に乗りこみ、殺されそうになっていたケイシーを救出した。最後、ウィリーが新聞でC6が起訴されたという記事を読んでいると、バーニーが退院してくるシーンで〆。


監督: ポール・クラズニー
脚本: エド・アダムソン&ノーマン・カトコフ


感想

 評価は(かろうじて)○。

 今回のエピソードは、第5シーズンに多用された「IMFの作戦が途中に発生したアクシデントで失敗しかける」というサスペンス風味の内容になっており、そのため、はっきり言って面白くもなんともなかった。

 IMFの作戦は実に単純で、ケイシーがシンジケートからC6へ賄賂を持っていく運び屋に変装し、C6の正体を突き止める、とただそれだけである。しかし、そこにファイフが現金の代わりに爆薬を持たせたという想定外の事態が発生し、さらに犬のせいでバーニーの変装がばれてしまったり、事故でウイリーの車の探知装置が壊れてケイシーの行方が解らなくなったり、と、苦笑したくなるほどのトラブルが続き、視聴者をハラハラさせてくれた。

 まあ、この様に当初の計画が完全に狂ってしまった状況で、フェルプスがとっさにファイフからC6に電話させるように仕向け、その電話番号を読み取ることでソ6の居場所を突き止める、というリカバリー方法は見事ではあった。放送の残り時間が5分くらいしか無くなったのに、まだケイシーの居場所が解らなくて、どう話を締めくくるのかと思っていたら、こういう予想外の解決策で突破したのは、ちょっと感心はした。

 しかし、視聴者的には、スパイ大作戦のストーリーに求めているのは、こういうスリル・サスペンス路線ではなく、あくまで巧みな計略を精密機械が動くがごとく実行していく所に有るので、今回の話も大して満足感は得られなかった。

 今回はクライマックスで、フェルプスが公衆電話から電話をかける際のダイヤルを読み取り、電話相手の電話番号を突き止めるというシーンが有る。しかしこの「ダイヤル式の電話の操作」というシーンは、多分若い視聴者には全く意味が解らないだろうな、と思ってしまった。おそらく円盤をぐるぐる回す操作と電話番号が全く結びつかないだろう。

 汚職政治家のC6が所属していた州がどこなのかは不明で、指令では「西部のある州」(western state)と曖昧にしか語られていない。しかしケイシーが車でロスアンゼルスに行けと指示されてすぐに到着している上に、最後の新聞記事で「西海岸」云々という記述が有るので、もうこれはカリフォルニア州で確定である。こんな解り切ったことを何故隠すのか意味が解らないが、もしカリフォルニアだと明示した場合、州政府からテレビ局や番組制作会社に名誉棄損云々とクレームが届いたりするのかもしれない。訴訟社会のアメリカならば、さもありなんというところではある。


 今回のサブタイトルの原題「Bag Woman」は、アメリカのスラングで「女性の運び屋」という意味だとのこと。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが車でガソリンスタンドに乗り付け、店員に合言葉を言うと、店の部屋に案内される。フェルプスは鍵のかかった机の引き出しから大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出し、テープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。長年にわたり西部のある州で、シンジケートの活動がなかば公認されているが、これは州政府の某高官が莫大な賄賂を受け取っているためと思われる。だが、この高官の正体は謎で、「C6」(シー・ロク)としか解っていず、調査していた政府の情報部員ジャック・マロイは抹殺されてしまった。賄賂の支払いを担当しているのは、大幹部ハリー・ファイフと、腹心の部下ルーク・ジェンキンスである。

 そこで君の使命だが、謎の高官「C6」の正体を暴くことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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