シントロン : 宇宙の傑作艦
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国民的大人気小説(異論は認めます)「宇宙英雄ローダン・シリーズ」。
この作品内では1巻に普通のコンピューターをはるかに超える性能を持つ電子頭脳「ポジトロン脳/ポジトロニクス」が登場しずーっと使わていました。
ところが588巻「ゴルゲンゴルの鍵」
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http://www.amazon.co.jp/dp/4150122202
ゴルゲンゴルの鍵 (宇宙英雄ローダン・シリーズ588) (日本語) 文庫 2019/3/6
H・G・エーヴェルス (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
文庫: 255ページ
出版社: 早川書房 (2019/3/6)
で、唐突にポジトロニクスを超える「シントロン/シントロニクス」が何の説明もなく登場し、以後は「ポジトロニクスはもう時代遅れ」的な描写で最新電子頭脳の地位をほしいままにしています。これ以後も劇中では全く説明が無く「ポジトロニクスよりどう優れているんだよ?」とイライラしていましたが、ようやく説明が見つかりました。
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ハイパー・エネルギー的性質をもつ計算機
もはや機械的なものはなにひとつない。入念に構造化され小型化されたハイパー・エネルギー性フィールドが存在するのみである。異なった構造のフィールドは、プロセッサ、データチャンネル、内部および外部記憶装置、周辺機器制御デバイス等々の在来の機能をもつ。
システムは最高度に動的。プロセッサがより多く使用され、それに対してデータチャンネルがあまり使用されないと、データチャンネルがプロセッサに変更されうる--そしてそのためには、キー操作もしくは音声コマンド以上のものは必要としない。シントロンと命名された、新式のコンピューター内部におけるシーケンスは、超光速となる--それで生じる一対の困難は、後でとりあげる。-
シントロンの最重要構成要素は、第一にプロジェクターのユニットで、多数のハイパー・エネルギー性構造フィールドが生成され保持される(高性能大型計算機では、そのような“構造エレメント”の数は数十億に上る)。
第二に慣性フィールド・ジェネレーターで、シントロンの内部を閉じた空間湾曲の方法に基づいてバリア・フィールドでつつみ、いわば固有の“宇宙”を与える。
そして第三に“シミュニカティヴ・システム”で、シントロンと“ノーマルな”宇宙に住んでいるユーザー間の接続を成立させる。
その内部で超光速プロセスが進行する計算機の使用は、ある種の問題を意味する。ユーザーがすなわち四次元的アインシュタイン宇宙にとどまる限り、アインシュタインの法則は有効である: なにものも光より早くは運動しない、もし、やはりそれが動作すれば、因果律は消え失せてしまうだろう(それについて、きっかけはヴィールス・インペリウムから来ているということはすでに述べた)。
したがって、ハイパー速度計算機に固有の極微宇宙を与え、その結果ユーザーの宇宙を支配する法則と矛盾を来さないようにするのが不可欠。この分離は慣性フィールドが行う。その名はついでにいえば、誤って手を伸ばして触れても、まったくユーザーフレンドリーな反応を示すところから。それは何らの害も生じさせないし、ポリマー金属製の表面のような手触りである。
これで、われわれユーザーは自身の宇宙に、そしてシントロンは異宇宙にある状態となる。一般に両者が相互に対話できるのは、シミュニケーターのおかげで、その役割は、ふたつの宇宙の間の境界を“ぼやけさせる”こと--いわばアインシュタインの法則の裏口をかいくぐるのだ。
シミュニケーターはユーザー/シントロン・インターフェースを形成し、とりわけ(すくなくとも移行フェーズの間)、経験の乏しい新しいシントロンのサーバーが、外面的には旧式のポジトロニクス同様、信頼に足るようにうつるべく手筈を整える。
それは世界に何をもたらすだろう?まず初めに、ちょっと途方もない計算速度。因果律はひっくり返りはしない--だが解答自体は、最も難しい問題でも、入力が終わった後実際一瞬で出る。
第二にほとんど無限の記憶装置キャパシティ。シントロン一台の大きさは、大体慣性フィールド・ジェネレーターとシミュニケーターのサイズで決定される。構造フィールド・プロジェクターは比較するとごく小さくて、随意の数の記憶装置構造を生成できる。
ようっやく、ようやくシントロンが何なのか分かりましたね。「ハイパー・エネルギー的性質をもつ計算機」なのです。言葉の意味は良く分からんが、とにかくすごい自信だ。
ところで711巻「時の目撃者」P139で月面ロボット脳ネーサンがシントロニクスにグレードアップした旨描写されていますが、建設するのに200年かかったのに、そんなに簡単に入れ替え出来るモノなんですかね……?
おまけ
580巻頃でもシェールがメイン作家を務めていたら、絶対シントロニクスの事を強引にアトランに説明してくれるキャラが登場して一人で喋りまくっていたと思う(笑) 新型戦艦が登場したときとか、絶対そういうキャラ登場していたじゃないですか?
