http://www.amazon.co.jp/dp/4150124663
惑星ハルト偵察隊 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2025/1/8
H・G・エーヴェルス (著), K・H・シェール (著), 若松 宣子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2025/1/8)
発売日:2025/1/8
文庫:272ページ
【※以下ネタバレ】
イホ・トロトとアトランはイェリャツと共に惑星ハルトへ向かう。カンタロの警備隊に察知されハンクール星系に逃れようとするが!?
惑星ハルトを調査するため、イホ・トロトとアトランは、ハルタ宙域での極秘作戦に参加した経験をもつブルー族のクローン、イェリャツとともに、“ハルタ”で拠点惑星アルヘナをスタートした。イェリャツによれば、五年半前、ひそかに三本のトンネル・チューブを形成したので、それを使えばカンタロに探知されずに惑星ハルトにいけるはずだという。だが、最初のトンネル・チューブを出たとたん、カンタロの攻撃を受け…。
あらすじ
◇1455話 惑星ハルト偵察隊(H・G・エーヴェルス)(訳者:若松 宣子)
イホ・トロトは同胞の現状を確認するため、カンタロが厳重に封鎖する惑星ハルトへアトランたちと共に潜入した。ハルトの地上はカンタロの兵器「電光」で焦土と化していたが、地下洞窟にはあるハルト人が隠したデータが残っており、ハルト人は無事別世界へと移住したことが判明した。トロトはこの情報を残したハルト人を追ってマゼラン星雲の惑星テルツロックへと向かうことにした。(時期:不明:NGZ1144年8月頃)
※初出キーワード=惑星アンダロー(ハンクール星系第7惑星)
◇1456話 太陽系消失!(K・H・シェール)(訳者:若松 宣子)
NGZ1144年9月。ローダンたちは故郷・太陽系を遠距離から偵察したところ、太陽系が消失と出現を繰り返す異常な状態だと判明した。直後カンタロの配下と化しているガルブレイス・デイトンからローダン宛てに、11月下旬にトブシダーの母星で話し合いたいとの連絡が届いた。ローダンたちは再度太陽系に向かい、カンタロの宇宙ステーション「ソル転送機基地」に乗り込むが、内部は無人で、さらに基地が爆発した後太陽系は完全に姿を消してしまった。(時期:NGZ1144年9月9日~10月26日)
※初出キーワード=ソル転送機基地(カンタロの宇宙ステーション)
感想
・前半エピソード「惑星ハルト偵察隊」 原タイトル:KUNDSCHAFTER FUR HALUT(意訳:ハルト偵察)
イホ・トロトやアトランたちは、カンタロが厳重に封鎖する惑星ハルトへの潜入を試みるが……、という話。
エーヴェルス作なのである程度の読み辛さは織り込み済みでしたが、その覚悟を超えて辛い内容。本筋と並行して、惑星ハルトの地下に隠れ住む異様な暮しをしているビオントたちの物語が語られるのですが、これが本当に解り辛くてもう……、さらにトロトたちはなかなかハルトに侵入できず、苦労話でページを埋めまくるし……、正直ハルト人の行方が分かる最後の10ページ分以外は不要な話でした。
・後半エピソード「太陽系消失!」 原タイトル:FREMDE IN DER NACHT(意訳:夜のストレンジャー)
ローダンは故郷・太陽系が異常な状態に置かれていることを発見し……、という話。
前半を上回る異様な読み辛さのエピソード。登場人物たちの叩く軽口が意味不明、展開も「太陽系が消えたり出たりした挙句、完璧に消えました」となにがなんだか解らないし、と、ひどい出来栄えで、シェールはこの話を書いた時どんな状況だったのかと本気で心配になりました。これはあまりにもひどすぎる。