【成年コミック】感想:成年漫画誌「コミックホットミルク 2017年2月号」

COMIC HOTMILK(ホットミルク) 2017年 02 月号 [雑誌]

コミックホットミルク http://www.coremagazine.co.jp/hotmilk/201702.html
発売日:2016年12月29日(毎月2日発売)

【※以下ネタバレ】
 
COVER ILLUST
木静謙二
 

[密室ゆ~わく事件]うえかん

好きのサインは (メガストアコミックス)

 学校で仲の悪い男子と女子が、喧嘩している罰として体育館掃除を命じられますが、体育倉庫に閉じ込められてしまい、直後唐突に良い雰囲気になってヤッちゃいました。

 いつもの通りのかわいい絵柄。この絵柄でエロをやられても実用性ゼロですが、雰囲気が好きなのです。


[今夜だけは傍にいなさいっ]メネア・ザ・ドッグ

アニカとカオル 義妹だってエッチできるんだからっ! (一彩出版)

 美人でわがまま系の女の子がいて、幼馴染の眼鏡くんも持て余し気味。ある日女の子がクラスの男子から強引に借りたホラーゲームをプレイしますが、あまりの怖さに自室でチビッてしまいます。しかもその日の夜から一人で留守番しないといけない羽目に。女の子は眼鏡君に泣きついて一緒に泊まってもらうのですが、その内なし崩しにエッチしちゃうという。

 コメディ系漫画専門の人なので、今回もお笑い系。女の子が自分の部屋でおもらししたり、オバケを怖がるあまりトイレからおしっ●をまき散らしつつ飛び出してくるとか、いつものノリ。


[いぢらリベンジ] kiasa

ひなたネトリズム (メガストアコミックス)

 主人公君(そこそこハンサム)は姉の友人の眼鏡お姉さんに子供のころからいじられっぱなしです。今日も絡まれていたのですが、ついにぷちっとキレて押し倒してしまいました。で強引にやっちゃうと、なんかお姉さんも気持ちよくなっていて、結局ハッピーエンド。


 そんなにエロくはないけど絵柄はそこそこ好き。


[高感度あならいず!]六壱

恋色フラグメント (メガストアコミックス)

 状況がよくわからないけど、可愛い男の子が知り合いの年上の女の人の家でお風呂に入っていたら、お姉さんが水着を着て背中流してあげる的に入ってきました。当然ムラムラ来てしまい、結局押し倒してしまって良い感じに〆。


 なんか前提が説明不足。まあお尻にこだわる描写はわりと良しでした。


[レイカは華麗な僕のメイド]ぐすたふ

レイカは華麗な僕のメイド (メガストアコミックス)

 連載最終回。怜司はメイドのレイカにプロポーズするものの断られ、傷心のまま研修合宿に旅立つことに。帰ってきた怜司はレイカとどう接すればいいのか悩むが、レイカはお構いなしに押し倒して、最終的に私はあなたのメイドですから、とか言って、あいまいなまま〆。


 あっれー? レイカは怜司の親と何か関係があるとか、二重人格の謎とか、不老不死疑惑とかあったのに、全部ほっぽりだしておしまい? まあエロ漫画に深いストーリーとか謎解きを期待する人もあんまりいないでしょうが、思わせぶりに展開しておいて、何も解決せずに締めというのもどうかと……


[ゲノム]古賀亮一

新ゲノム7 (メガストアコミックス)

 年末。大掃除しなきゃいけないのに、あまりの寒さにエルエルがハマキムシ化して、布団を巻き付けてでてこなくなってしまいました。


 めずらしくバクマンがエルエルに圧倒されてしまう回でした。
 
 

感想:アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」第5話「この仮面の騎士に隷属を!」


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』オープニング・テーマ 「TOMORROW」【通常盤】

アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!2』公式サイト http://konosuba.com/
スニーカー文庫公式サイト http://sneakerbunko.jp/series/konosuba/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第5話 この仮面の騎士に隷属を!

 

あらすじ

 カズマはセナから、街の外にモンスターがあふれているのはお前のせいだろう、とあらぬ疑いをかけられる。即座にカズマは否定するが、念のためアクアに身に覚えがないか聞いてみると、アクアは以前探索したキールダンジョンに魔方陣を作ってモンスターが近づけないようにしただけ、と無邪気に言い放つ。カズマはモンスターの大量出現はそれが原因だと察するが、責任をとらされるのを避けるため、セナには適当にごまかしておいて、魔方陣を消すためキールダンジョンに向かった。

 そしてダンジョン内では戦力にならないめぐみんと、ダンジョンにトラウマを抱えてしまったアクアを置いて、カズマとダクネスだけでダンジョンに潜るが、そこで魔王軍の幹部バニルと遭遇してしまう。バニルは破滅願望の持ち主で、ダンジョンに主として君臨し、最終的にやってきた勇者たちに討ち取られたい、とか希望していた。その後、ドタバタでバニル(本体は仮面)はダクネスに取りつくが、ダクネスを苦しめてもマゾのダクネスは却って喜ぶばかり、と茶番的状況になる。

 最後にカズマはめぐみんに命じてダクネスに爆裂魔法をくらわしてバニルを退治した。カズマが必死でバニルを倒そうとした姿に、カズマ=魔王軍の一味という容疑は晴れ、またバニル退治の報奨金で今まで抱えていた借金は完済ということになった。


脚本/待田堂子  絵コンテ/金崎貴臣  演出/吉田俊司  総作画監督/田中紀衣  美術監督/三宅昌和

感想

 うーん、なんというかあんまし面白くなかったなぁ。

 今回は、「バニルがダクネスに苦痛を与える→ダクネスはM属性なので、苦しむどころか大喜び」というあたりで笑いを取りに来ていると思われますが、イマイチ響かなかったっす。

 第一期のような、巨大カエルに飲み込まれてたいへーん、とか、湖でアクアがモンスターに食われそうになりながら頑張って浄化、とか、の頃は笑えて楽しかったのですけど、二期はあんまり……、二期は話の質が落ちたのか、はたまた、私の心の中のハードルを上げすぎているのか、どっちかよくわかんない。


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』エンディング・テーマ 「おうちに帰りたい」

感想:アニメ「クラシカロイド」第19話「恋すれば死す」

クラシカロイド クリアファイル

アニメ「クラシカロイド」HP http://www.classicaloid.net/
放送 NHK Eテレ。土曜日17:30~18:00。

【※以下ネタバレ】
 

第19話 『♪19 恋すれば死す』 (2017年2月18日(土)放送)

 

あらすじ

 先日バダジェフスカ(バダ)が自分のムジークに目覚めてからというもの、チャイコとバダの間には隙間風が吹き、クラクラのファンからは解散を心配される有様だった。ある日、テレビの生放送でチャイコはバダと仲が悪いことをぶちまけてしまい、二人はテレビ局の帰り道でバッハから「もう事務所に来るな」と言われた上に、音羽館の玄関前に置いていかれてしまう。チャイコはバッハに見限られたと思い、ヤケクソになった挙句、ムジーク「白鳥の湖」を発動させてしまった。

 次の瞬間、音羽館はムジークの影響で異空間へと変貌し、ハシビロコウのハッシーが巨大化して現れ、「悪魔ロットバルト」と自称して、館の中で恋をすれば終わりになる、と宣告する。以後、館の中にいる者たちは、ちょっと目が合っただけでもカップル成立とみなされて、飛来したハシビロコウたちに次々と何処かに連れ去られてしまう。この状況でも、チャイコはバダを陥れようと様々な奸計をめぐらす。

 一方、連れ去られて終わりになったはずのモーツァルトや奏助たちは、音羽館の外で無事だった。一行はロットバルトとは白鳥の湖に出て来る悪魔の名前だと知るとともに、カップル成立は終わりではなく、逆に「上がり」なのだと悟る。どうやらチャイコがバダとの関係修復を望む気持ちが今の状況を作り出しているらしい。

 ここに至ってもバダとチャイコはいがみ合っていたが、結局大衝突した挙句になんだかんだで仲直りして「上がり」となり、どこかに行ってしまった。取り残された歌苗とベートヴェンはムジークのおかげでなんだか良い雰囲気になるが、その途端ムジークの影響は消え去る。

 最後。クラクラのライブ。二人はかつてのイメージからすっかり様変わりし、ステージでどつき漫才もどきを演じて観客を大いに沸かせていた。三弦はクラクラが新イメージで再生したことをバッハの計画だと考え称賛するが、バッハは思惑違いの成り行きに苦り切っていた。


感想

 コメディというよりハチャメチャのナンセンス話。まあ、面白いっちゃあ面白かったですが、前回ミツルロイド云々が登場して、クライマックスに向けて走り出したのかと思ったら、今度はコレですからねぇ。この番組の構成の方向というかが良くわからん。

※他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com

クラシカロイド MUSIK Collection Vol.1

感想:アニメ「AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-」第7話「無理というのはウソつきの言葉」


AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION- ヒロインB2タペストリー

AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-アキバズトリップ・ジ・アニメーション) 公式サイト http://akibastrip-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)(全13話)

【※以下ネタバレ】
 

第7話 『TRIP7 無理というのはウソつきの言葉』 (2017年2月15日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 タモツはにわかが大事にしているフィギュアを撮影中に落として壊してしまい、にわかを怒らせてしまった。タモツはオークションで同じものを見つけようとするが、価格が高騰していてとても金が足りないため、新しいバイトを始めることに。勤め先はメイド・執事居酒屋で、タモツは最初は店員同士がやたらほめ合い感謝しあう妙な雰囲気に違和感を感じるが、働き続けるうちにすっかりその空気に洗脳され、体はやせ細っていくのに目だけはギラギラしているという異常な状態となる。

 まとめたちは行方不明になったタモツを心配していたが、雑誌を読んでタモツがおかしなことになっていることを知り、慌てて店に連れ戻しに行く。ところがなんと店の社長はバグリモノで、洗脳した店員を薄給でこき使い、それで安く提供する食でアキバを支配しようとしていた。タモツはにわかの張り手+バット攻撃で洗脳が解け、社長を倒して、店から脱出する。最後に買っておいたフィギュアをにわかに渡してめでたしめでたし。


脚本/佐藤裕  絵コンテ・演出/飯野慎也 総作画監督/満田一  作画監督/野崎麗子

感想

 今回はワタミのパロディ話で、「体が骨と皮だけなのに目だけはギラギラしている社員」とかもう言い訳しようがないくらいそのまんま(笑) しかし笑えたかというと、ちょいと微妙な回ではありました。


一件落着ゴ用心【AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-盤】

感想:アニメ「タイガーマスクW」第16話「優秀なプロモーター」

300ピース ジグソーパズル タイガーマスクW 二頭の虎(26x38cm)

テレビアニメ「タイガーマスクW 」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第16話 優秀なプロモーター

 

あらすじ

 タイガーマスク/ナオトは新日本の地方巡業に参戦していた。当日の興行場所は、大物スポンサーの出身地だという山中の小学校で、とても観客が集まるようには思えず、選手たちはイマイチ盛り上がらない。しかし今回のプロモーターである村長は、選手たちに山で捕れた鹿の肉をふるまったり、婦人会のネットワークで客を呼び込むなど、なかなかのやり手なところを見せる。

 今回のツアーには、メキシコのプロモーター・マダム・マミーが帯同していた。マダム・マミーはGWMの侵攻で危機に瀕しているメキシコマットを復活させるため、タイガーをメキシコに呼びたいと考えていた。マダム・マミーはタイガーが新日所属ではなくフリーだと知ると、早速エージェントの春奈に連絡を取る。春奈は報酬が「一試合5万」だと聞き、5万ドル=500万円の好条件だと考え、すぐさま巡業先に飛んでくるが、実は「5万ペソ=27万円」で、しかも飛行機代・宿泊費も込み、と聞き、思いっきり興味を無くす。するとマダム・マミーは、今日の試合でタイガーと息子のザ・サボテンが戦うので、そのサボテンが勝ったら契約してもらう、と強引に約束させる。

 ザ・サボテンは試合前にタイガーを怪我させようと、後をつけまわすが、ドジの連発でけがをさせるどころではなかった。やがてタイガーとザ・サボテンの試合が始まり、マダム・マミーはサボテンのマネージャーも務めて試合に介入してくる。そして凶器のサボテンの鉢をザ・サボテンに渡すが、それを自分が食らってしまい、激怒して息子を追いかけまわして試合は収拾がつかなくなる。

 最後、マダム・マミーが村長に「プロモーターとして優秀なので私と結婚してメキシコマットを盛り上げましょう」とか一方的に迫っているシーンで〆。


脚本:浦沢義雄  演出(絵コンテ):地岡公俊/後藤康徳  作画監督:阿部弘樹  美術:木賊美香


感想

 幕間劇のコメディ回。正直、こういう本筋と関係ない話で時間稼ぎされるのには辟易しているのですが(「生ハムと焼うどん」が出た回とか)、先代のタイガーマスクのアニメも「伊達直人が孤児院を救う話」みたいな虎の穴と全然関係ない話がちょいちょい有ったらしいので、それのオマージュなんでしょうか。

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第34話(シーズン2 第6話)「人身売買の闇を葬れ!(後編)」

スパイ大作戦 シーズン2<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第34話 人身売買の闇を葬れ!(後編) The Slave Part2 (シーズン2・第6話)

 

あらすじ

エルカバールの支配者の弟の妻を拉致したIMFチーム。競りにかかる直前のシナモン(バーバラ・ベイン)を彼女と入れ替え、奴隷売買の実態を暴くことができるのか。

※DVD版のタイトルは「対奴隷作戦(後編)」。


 第33話「人身売買の闇を葬れ!(前編)」の続編。

 フェルプスはデ・グルートの元にシナモンが扮した「歌姫」を連れて行き、実は自分の妻だと言って売り渡す。そのあとIMFチームはデ・グルートを拉致し、フェルプスはボルカに対し、デ・グルートは自分が殺したので今後は自分が奴隷供給役になると宣言し、強引にボルカたちの仲間になる。そしてシナモンを奴隷収容施設に放り込んでしまう。

 一方、ローランはボルカそっくりに変装して、誘拐してきたアバーラの前に現れ、ボルカが奴隷売買に関わっていることを印象付ける。その後、ローランは捜査官役でプリンス・ファサールの元に向かい、アバーラは奴隷として売られようとしているので、奴隷市に乗り込んで取り戻そうと言う。

 IMFはアバーラを眠らせてシナモンそっくりに変装させた後、奴隷収容施設に潜入し、シナモンとアバーラを入れ替える。やがてボルカが奴隷の競りを始めるが、そこにはローランに連れられてファサールが潜り込んでいた。やがて歌姫(=アバーラ)が競りにかけられ、ファサールは妻が売買されようとしているのを見て、正体を明かす。さらに兄ボルカが妻を誘拐して奴隷にしようとしたと信じ込み、激高してボルカを射殺し、その場で奴隷売買廃止を宣言する。

 最後、IMFチームがファサールたちに事情を説明した後、立ち去るシーンで〆。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は△。

 二部作の後編だが、前編同様に展開がスローモーな事に加え、完全にオチの見えたストーリーを延々見せられたため、さすがに評価は辛めにせざるを得なかった。


 前編のラストでIMFチームがアバーラを奴隷用の牢獄に似せた部屋に閉じ込めたことで、最終的にIMFが何を狙っているのか見え見えになってしまい、後編はそのわかり切った結末に向けてダラダラと話を進めただけだったので、退屈なことこの上なかった。どうもスパイ大作戦の前後編とは、二回かける必要があるスペシャルなエピソードではなく、一話分のネタを水増しして二話撮影するという、ネガティブな意味合いしか無い模様である。前後編だから大作だろう、と期待していた分、反動で失望が甚だしかった。

 結局IMFチームは自分たちの手は汚さず、ボルカの弟のファサールの妻アバーラを誘拐しておいてファサールを煽り、最終的にファサールに兄殺しをさせるように持って行ってしまう。どう考えてもやり口が非常にダーティである。最後にIMFチームから事情を聞いたアバーラは、奴隷制度廃止のためなら再度同じ目にあっても構わないと許し、フェルプスも「あの手しかなかった」と詫びるが、IMFなら他にいくらでもやりようがあったはずで、任務達成後の爽快感も何もないエピソードであった。

 ところで、途中でIMFに拉致されたデ・グルートは、結局最後まで再登場することはなかったのだが、どうなってしまったのだろうか。IMFチームは、いつもは相手が悪人であっても基本的に人死にを出さない方針なのだが、今回はボルカもデ・グルートの部下も死ぬように仕向けているので、デ・グルートもIMFチームによってカメラが映していないところで殺された、というのが真相ではなかろうか。

 テーマも暗かったが、IMFチームも悪辣さも際立っており、どうにも暗い気持ちにさせられる二部作だった。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第33話(シーズン2 第5話)「人身売買の闇を葬れ!(前編)」

スパイ大作戦 シーズン2<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第33話 人身売買の闇を葬れ!(前編) The Slave Part1 (シーズン2・第5話)

 

あらすじ

近東における奴隷売買を撲滅するため、奴隷に扮してエルカバールに潜入したバーニー(グレッグ・モリス)。一方ジムも首謀者の1人に近づき、シナモン(バーバラ・ベイン)の売り込みをはじめる。


世界中で奴隷制度が廃止された中、中近東の小国エル・カバールでは近隣諸国から若い男女を誘拐、毎年何千という人身売買が闇で行なわれていた。その中心となるのが専制君主のボルカと手下のデ・グルート。IMFは人身売買をやめさせるべく、彼らを一掃するため動き出す。まずバーニー(グレッグ・モリス)がわざと彼らに捕まり潜入、隠れ家の詳細を調べる。
フェルプス(ピーター・グレイブス)は、デ・グルートに接近、妻役であるシナモン(バーバラ・ベイン)の売買を持ちかける。一方、ローラン(マーティン・ランドー)はボルカの弟ファサールにインターポールとして近づき、人身売買調査に弟夫妻を巻き込む。そして…コウモリを使ったIMF史上かつてない程非情なミッションが実行される!果たして彼らは、ボルカによる人身売買の実態を暴くことができるのか!?

※DVD版のタイトルは「対奴隷作戦(前編)」。


【今回の指令】
 近東の小国「エル・カバール(El Kabar)」の絶対君主ポルカは、周辺諸国の男女を誘拐し、奴隷として売買している。そしてポルカの手先として働いているのがデ・グルートという男である。IMFはこの奴隷売買を止めさせるため、エル・カバールからポルカとデ・グルートの勢力を一掃しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:アキム(国際司法委員)


【作戦の舞台】
 近東の小国エル・カバール


【作戦】
 フェルプスはならず者に扮してデ・グルートに接近し、近々やってくる白人の歌姫(=シナモン)を奴隷として売ってやるので、金をよこせと交渉する。デ・グルートは用心しつつも取引に乗ってくる。

 一方、バーニーはわざとデ・グルート一味に奴隷候補として捕まるが、奴隷を収容する監獄の内部を撮影すると、さっさと逃げ出す。ウィリーたちは、その写真を元に監獄そっくりの部屋を作る。

 ローランは、ポルカの弟で穏健派のプリンス・ファサールに、インターポールの捜査官という設定で近づく。そしてバーニー・ウィリーと協力して、ファサールの妻でイギリス人のアバーラを誘拐し、IMFはアバーラをあらかじめ作っておいた監獄そっくりの部屋に閉じ込める。続く。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は○。

 シーズン2初の前後編だが、二回分必要な大作エピソードではなく、1時間で済むエピソードをスローテンポにして引き伸ばした、という印象が強く、満足度は大して高くないイマイチ回だった。


 今回はローランが変装に大忙しで、国際刑事警察機構の捜査官としてボルカたちに会う一方で、足の不自由な物乞いに変装して車に細工を行い、さらに通りすがりの一般人としてデ・グルートの車の運転を邪魔する、と、大活躍だった。

 また、普段は裏方のバーニーが珍しく今回は表に出てきていて、捕まった旅人として奴隷施設に放り込まれるが、練習していた手錠抜けの技術を使いさっさと脱走し、さらに車の底に張り付いて逃走するなど、これまた大活躍だった。ところでバーニーは荷物の中に、組み立てると銃そっくりになるカメラを持っていたのだが、荷物は取り上げられなかったのだろうか。ちなみに同じように裏方専門のウィリーも今回はマント売りに変装して表に出てきており、IMFメンバー総出演だった。

 今回IMFがアバーラ誘拐の際に使った秘密兵器が「コウモリ」の群れで、あらかじめ仮死状態にしておいたコウモリを自然解凍(?)すると、部屋の中をバタバタ飛び回り、その混乱に乗じて誘拐を敢行する、という、なんというか茶番めいた小道具だった。そのコウモリが仮死状態から目覚めるシーンは、明らかに作り物をぶるぶるふるわせているのが丸わかりだったし、部屋の中を飛び回っているときは明白に小鳥だし、と、撮影時の苦労がしのばれて、ちょっと微笑ましくなってしまった。

 それにしても、いつもはスマートに作戦を運ぶIMFが、今回は何の罪もないアバーラを巻き込んで犠牲を強いているのは、正直どうかと思ってしまった。後編で見事にオチをつけてくれないと、かなり低評価のエピソードになる予感である。

 今回は、DVDで追加吹き替えしたカットがあり、フェルプス役を麦人氏が宛てていたが、どうも違和感がぬぐえなかった。やはりフェルプス若山弦蔵氏の声でなくてはしっくりこないと痛感させられた。


 中近東の人たちが頭に巻いている布は「クーフィーヤ」というそうです。今回調べて初めて知りました。


 今回の悪役デ・グルートの声は森山周一郎氏でした。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが公園の中にある火災報告用の電話ボックス(棒の上に赤い木箱が付いており、中に電話が入っている)の蓋を開けると、中には大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーが入っている。フェルプスは封筒の中から写真を取り出して見つつ、テープを再生して指令を確認する。指令は最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはようフェルプス君。第二次大戦終了以来、国連によって近東諸国の奴隷市場は廃止されてきたが、ここに例外が一つ。これはエル・カバールというペルシャ湾に面した小国で、その支配者ボルカは絶対専制君主であり、依然として毎年何千という奴隷を売買している。ボルカの奴隷供給源は、主にこのデ・グルートであり、隣接諸国の男女を誘拐しては奴隷にするため、近東の国際情勢はとみに緊張の度を加えるに至っている。

 そこで君の使命だが、この奴隷売買を止めさせるとともに、エル・カバールからデ・グルートとボルカの勢力を一掃することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。成功を祈る。

シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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【ゲームブック】「ティーンズ・パンタクル」(東京創元社:1990年):立ち昇る1980年代学園バトル物テイスト

パンタクル1 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)

ティーンズ・パンタクル (創元推理文庫) 単行本 1990/3
鈴木 直人 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4488909035
あたしの名は大島いずみ、半年前にこの全寮制の学校、洋貝台学園に転校してきた。実はあたしには霊媒の血が流れていて、念力で人を気絶させるぐらいのことはできてしまう。でも、そんな力があることは隠して、みんなと仲よくやっている。これでけっこう人気者なのだ。でも、楽しく平和な学園生活も、氷室京子という、美しい転校生が来てからというもの、暗い影がさし始めた。学園になにやら異様な雰囲気が標いだしたのだ…。スーパーアドベンチャーゲーム


単行本: 332ページ
出版社: 東京創元社 (1990/03)

 鈴木直人氏の伝説の(?)ゲームブック「ティーンズ・パンタクル」をついに入手しました。この本は中古は探せばそれなりにあるのですが、ゲームブックブーム末期の1990年発売で発行部数が少なかったのか、とにかく高い! 一冊5000円とか平気でするので、今まで躊躇していたのですが、ついに意を決して購入してしまいました。



鈴木直人氏とは

 本書の作者・鈴木直人氏は、デビュー作「『ドルアーガの塔』三部作」(1986年)がいきなり日本のゲームブック史上に残る傑作だったという伝説的ゲームブック作家。その鈴木氏がブーム末期に発売したのが、現代(1980年~1990年初頭というところ)を舞台にしたこの「ティーンズ・パンタクル」です。



●お話

 主人公の女子高生「大島いずみ」は、霊媒の血を引くため常人の目には見えない怪異を見る力があり、念力でそういったものと戦うことができます。また幼いころから修行してきた剣道も相当の腕前で、段位は初段ですが、秘めたる実力は五段はあるという、つまり妖魔とか悪霊とかと戦うために生まれてきたような戦士キャラという設定です。

 そんないずみの周りでは、友人がいきなり失踪したり、妖怪がいきなり襲撃してきたリ、と次々と怪事件が発生するのでした……



●1980年テイスト

 このいずみの設定、いかにも1980年代だなぁという感じがします(発売は1990年ですが、執筆したのは1980年代でしょう。以下その想定で書いてます)。どこが80年代テイストか、という具体的な箇所が指摘できないのですが、2010年代のラノベヒロインにこんなキャラいませんよね。名門霊媒一族出身というところはともかく、剣道が得意なヒロインというのはいないよなぁ、という感じ。しかしこの古い感じがなんともたまらないというか、やる気をそそられます。



●ゲームシステムは鈴木風

 スペックは「全332ページ。パラグラフ数400。戦闘あり。フラグチェック有り」という本格派。開始早々バトルに突入するなど、流したパラグラフが無く、パラグラフごとにみっちりストーリーが詰め込まれています。舞台は基本的に学校の中ですが、選択肢が「図書館に行くか? 友人に会いに行くか? 食堂に行くか?」とか「本はどれを読む? 以下の8冊の中から2冊選べ」とかとにかく迷う選択が多い。またフラグチェックが何個もあるし、軽く読んだ限りでも、どのフラグを立てたかでストーリーが4パターンくらいあるらしい。とにかく濃いです。さすが鈴木直人作品。



●先が楽しみではある

 こういう学園バトル物ってゲームブックでは意外と無いような気がします。現在のラノベで学園バトル物が山ほどあるのと同様、読者に親近感を持たせやすいから、もっとあっても良いような気がするのですけどね。なんとなく1980年代OVAって感じの作品ですが(多分、最後には学校の地下に魔界に通じる魔方陣が隠されていて、大魔王を召喚して世界を滅ぼすのだ、とか言い出す予感)、早く先に進めたくてワクワクが止まりませんよ。


※姉妹作
パンタクル2 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)