感想:小説「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー)(1939年)


 小説「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー)の感想です。

 -------------------------------------------------

■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4151300805/
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (文庫)
アガサ クリスティー (著), Agatha Christie (原著), 清水 俊二 (翻訳)
文庫: 367ページ
出版社: 早川書房 (2003/10)
ISBN-10: 4151300805
ISBN-13: 978-4151300806
発売日: 2003/10

 -------------------------------------------------
■あらすじ

 ある夏、十人の男女が、U・N・オーエンなる人物に招かれインディアン島を訪れた。しかしホストのオーエンは姿を見せず、代わりに謎の声が響き渡り、十人が過去に犯した殺人を糾弾する。やがて彼らは一人ずつ何者かに殺されてゆく・・・

 -------------------------------------------------
■感想

 4月にNHKのハイビジョン番組「偉大なるミステリー作家たち アガサ・クリスティ」の回で紹介されていたので、そんなに凄い作品なのか、と早速購入して読んでみました。

 まず、字が大きくてめちゃくちゃ読みやすいです(ペリー・ローダンでこれをやられたときは抵抗有りましたけどねぇ)。それだけで気楽に読んでみようか、という気分に誘われます。

 お話の内容ですが、物語のテンポが良くてすっとのめりこめます。こまごました人物描写等には一切時間をかけず、「十人が集まった→謎の人物の告発→早速犠牲者が!→次から次へと死人が!」と流れるように進むので、あっという間に読み終えてしまいました。

 最後の最後まで犯人について触れないので「おいおい、もしかして謎解き無しのぶん投げオチ? そんな訳無いよね?」と焦っていたら、ラストは実に綺麗に謎解きをしてくれて安心致しました。

 文章は易しく小難しい表現は無いし、「外界から隔絶された孤島で、見えない殺人者に次から次から殺されていく」というサスペンス感覚満載のストーリーなので、時間を忘れて没頭する事請け合いです。しかも、2時間もかけずに手軽に読めます。確かにこれはお薦めでした。

 -------------------------------------------------
■評価

(5段階評価の)5点。