感想:NHK番組「哲子の部屋」『ぜいたくは敵!…なの?』(2012年8月28日)


 NHK番組「哲子の部屋」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■哲子の部屋 | NHK 夏の特集番組・注目番組 夏ナビ
http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=12n8020120828

 NHK Eテレでの視聴です(放映:2012年8月28日(火) 23:00〜23:30)

■概要

>「ハーバード白熱教室」や「超訳ニーチェの言葉」など、にわかに哲学に沸く日本。先行き不透明な中、現代ニホン人の志向を背景に、“面白マジメ”に哲学を学べる番組、それが「哲子の部屋」です。どんなに社会やテクノロジーが発達しても、世の中は解けない謎だらけ。「自分って何?」「世界って何?」「会社って何?」……。そんな難題を現代人が哲学するうえで格好の教材が、実は“サブカル”。分厚い専門書や小難しい解説ではなく、身近にある漫画や絵本、映画などのサブカルチャーを哲学教材とし、予測不可能な雑談トークから哲学的思考を学んでいくという、かつてない試みです。誰にでも入りやすい題材をきっかけに、気が付けば深く考えさせられ、世の中や人生の見方がガラリと変わる30分。


>哲学体験を共有、仕事や人間関係に疲れた20代〜40代の大人たちに活力を与えます! 世界一のサブカル大国・ニッポンの、J-POPカルチャーのレベルの高さ、奥深さも再発見。


>映画やマンガなど親しみやすい題材を、哲学的視点で読み解く、全く新しい哲学教養エンタメ。グラビアアイドル・吉木りさ×気鋭のイケメン哲学者・國分功一郎×高学歴テツガク芸人・哲夫(笑い飯)の個性豊かな3人が密室で繰り広げる哲学トーク! 今回のテーマは「ぜいたく」。カルト的人気を誇る映画「ファイト・クラブ」に描かれる“消費社会”の闇とは?アナタの常識や人生観、価値観を揺るがす“哲学的発見”が待っている。

■内容

 吉木りさ(タレント)、笑い飯・哲夫(お笑い芸人)、國分功一郎(哲学者)によるお話会。


・贅沢は生存には必要無い。無駄。と考えられている。
・しかしここで贅沢は必要だと主張する。
・題材に映画「ファイト・クラブ」を持ち出す
・主人公は豊かな暮らしをしているのに心が満たされない
・「贅沢つまり浪費」と「消費」はどこが違う?
・フランスの学者ボードリヤールの主張。
・「浪費」はやがて止まる。どこかで満足するから。
・「消費」は止まらない。満足できない。何故なら人は物ではなくイメージなどを受け取っているだけだから。
・例えば有名なレストランに出かけたとして、そこに行って受け取るのは「店に出かけたという優越感」だけ。だから満たされない。
ファイトクラブの主人公は満たされないのは「消費」しているだけだから。
・消費は20世紀の大量生産時代になって生まれた
・大量生産するとモノは余り、価値は暴落する。
・だから作り手は「モデルチェンジ」等で流行など「イメージ」を作り出して「消費」させるようにした
・「消費」の例が「個性」。「あなたらしさ」のために消費してね、という手段
・こういう消費社会から抜け出る方法が、実際のものを受け取る「浪費=贅沢」ではないか。


■感想

 単発モノなのか過去に何回か放映されたのかは不明ですが、なんかシリーズモノみたいな感じがします。だって「今回のテーマは」とか言っていますし。

 タイトルがいきなり狙っている上に、序盤に本家「徹子の部屋」のテーマソングがかかるとか、かなりおいおいな滑り出しでした。

 内容はなかなか面白かったのですが、結論の「贅沢はいい事だ」というオチはなんかこう丸め込まれたというか騙されたような気分です…