感想:アニメ「世界征服〜謀略のズヴィズダー〜」第12話(最終回)「ズヴィズダーの光をあまねく世界に」


 アニメ「世界征服〜謀略のズヴィズダー〜」(全12話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

TVアニメーション世界征服〜謀略のズヴィズダー〜」公式サイト
http://www.sekaiseifuku-zzz.com/

 BS11での視聴です。

第12話(最終回) ズヴィズダーの光をあまねく世界に


■あらすじ

 ケイトと逸花が都知事とにらみ合っているところに、脱走したナターシャ&実は生きていた吾郎&実は壊れていなかったロボ娘、が加勢に駆けつけた。都知事側は用意していた巨大ロボを持ち出してくるが、バトルでケイトが勝利した。

 そしてズヴィズダーの西ウド川征服は完了し、日常が戻った。カオリと吾郎は結婚した。ケイトが街に自分の美化した像を作らせていると、アメリカの秘密結社の宣戦布告的攻撃により像が破壊されてしまった。それを知ったケイトたちはアメリカに攻め込むぞ!と盛り上がっておしまい。



■感想

※以下、心底辛口の感想になっておりますので、本作品が好きな方はご注意ください。

 一応「主人公側と悪のボスの最終決戦!」を描いているものの、敵味方とも何もかも説明が不足しているため、バトルに何の高揚感もなし。さらにここに来て突然逸花の泣き虫設定とか、都知事が悪の勢力の手下(?)とか持ち出されても、遅すぎるという印象しかない。途中に挿入された「ヴィニエイラ式XX」とかいう説明は面白いつもりなのか。で、バトルに勝利してズヴィズダーが征服を完成して、最後に「今度はアメリカだ」とか宣言したら視聴者が「ひっゃほう! 第二期だ!」とか快哉を叫ぶとでも思っていたのか。

 ダメな最終回とはこういうものだ、という見本ではなかっただろうか。



■総括

 さいて〜い。そして(ドリフ風に)「ダメだこりゃ」。本アニメが「岡村天斎」監督とシナリオ「星空めてお」氏の黒歴史となるのは確定!という気がします。今後ファンから「ああ、昔『ズヴィズダー』というアニメを作られていましたね」と言われたら、本人たちは凄くイヤそうな顔をする気がする。


 オープニング曲とキャラデザと声優は良かったです。それ以外はお話にもなりませんでしたが。


 「弱小秘密組織とちょっとヘンな正義の味方のバトルコメディ」という感じでスタートし、そのままで進めれば良かったものを、途中からシリアスに進路変更。まま有る「最初はラブコメ、終盤は超感動物」的な受け手の意表をつく作劇手法だったようですが、あいにくと作り手の実力がまるで不足していたため、「何これ?」という困惑だらけの無様な失敗作と相成りました。


 気になるところを列挙すると……、多すぎて改めてビックリします。


(1)不明のまま終わった事

・ケイト/ヴィニエイラとは何者なのか
・ズヴィズダーはどういう経緯で結成されたのか
・古代ウド川文明とは
・何故ズヴィズダーだけがその古代文明の遺産を利用できるのか
・ナターシャ/ウーム教授が幼少期に体験したことはなんだったのか
・ヴィニエイラと鹿羽一家のつながりは
・イーグレットは何故ロビンにあんなに好意的なのか
・7話でケイトが巨大化したのはなんだったのか
・東京都が日本の大半を支配しているのはどういう状況なのか
・都知事は誰の手先だったのか
・あのウサギのぬいぐるみは何なのか


(2)使いこなせなかった設定

・明日汰と蓮華の恋愛的なこと
・明日汰が美酒と幼なじみで、昔求婚したこと
・ロビンとイーグレットの百合描写
・明日汰・蓮華・美酒の学校での姿
・ナターシャの下着ウロウロとかのエロさ
・逸花の暴れん坊キャラ
・蓮華がホワイトライトに入った流れ。アルバイトで正義の味方になったなんて、それだけで一つの話が作れるはず
・要するに女性キャラ全員の描写
・ズヴィズダーが幹部以外にも各地に部下がいた事


 1クールしかないのに、これでもかと設定を詰め込み、しかも「タパコ飲みVS嫌煙派」みたいな寄り道(?)話までやったものだから、結局終盤は新しい設定を出すだけで手一杯みたいな体たらくに……、ちゃんと1クール12話全体を見渡して、その期間で起承転結するように話を構成したのかと問い詰めたい。評価は「5段階評価(5が最高)」で文句なしに「1」です。