感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン4」第4話「アンルーヘ」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン4」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン4
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s4/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第4話 アンルーヘ UNRUHE

■あらすじ

EP4 アンルーヘ
カップルの行方不明事件が発生。男性は死体で発見され、誘拐された女性がその直前に撮ったパスポート用写真には彼女の歪んだ表情が。モルダーは一種の念写だと推測する。

 お題は「精神異常者による犯罪、念写」。


 ミシガンで女性の誘拐事件が発生。被害者が消える直前に撮影したポラロイド写真は、何故か被害者が苦しむ顔など異様な物が写っていた。モルダーは誘拐犯には無意識の念写能力があると推測するが、スカリーは頭から無視する。やがて被害者が見つかるが、稚拙なロボトミー手術を施され廃人と化していた。被害者はしきりに「アンルーへ」(ドイツ語の「不安」)と口にしていた。


 やがて犯人ジェリー(ドイツ系)が逮捕されるが、隙を見て逃走し、スカリーを誘拐して姿をくらました。ジェリーは、人間の頭の中には「叫び魔」が取り付いて人間を操っていると信じ込んでおり、脳手術で叫び魔を殺してやるのが当人のためだと確信していた。スカリーもジェリーに手術されかけるが、モルダーは残された念写写真を元にジェリーの居場所を突き止め、間一髪でジェリーを撃ち殺してスカリーを救出した。



監督 : ロブ・ボウマン
脚本 : ヴィンス・ギリガン


■感想

 精神異常者による猟奇犯罪エピソード。犯人は念写能力を持っているが、それを犯罪に使うわけではなく、それどころか本人すら能力に気が付いていない、という点で異色の展開である。


 物語のテイストは、スティーブン・キングのホラー小説「ミザリー」を連想させる恐怖タッチで、精神を病んでいる犯人が被害者を監禁しては「救済」のつもりで脳を破壊する、という展開は不快の一言に尽きる。X-ファイルは、シーズン3の「土牢」など、時たまこういう猟奇系の陰鬱極まりないエピソードを差し出してくるので閉口させられる。これも日本ではおそらくテレビ放送は不可能なエピソードだろう。


 犯人ジェリーの念写能力は、本人が心の中に浮かぶ映像がポラロイド写真に焼き付けられる、という設定のはずだったが、途中から「未来に起きる事の予知映像」に設定が変更されてしまうのが引っかかった。とはいえ、モルダーがFBIの特別写真班に写真を持ち込み、歪んだ映像から犯人の手がかりを見つけ出していく過程はかなり興味深かった。