【ウォーゲーム関係】『ウォーゲーム日本史』事実上の休刊のお知らせ

季刊 ウォーゲーム日本史 第26号 『忍者大戦』(ゲーム付)


 悲しいお知らせです。国際通信社から季刊ペースで発売されていた、日本史テーマゲームの専門雑誌「ウォーゲーム日本史」(http://wargamejapan.jp/)が、今年6月20日発売の第26号で事実上の休刊となる模様です。

◆『ウォーゲーム日本史』リニューアルについて
http://wargamejapan.jp/news/article/20150609_1/index.html

2009年の3月にゲーム付き雑誌として創刊した『ウォーゲーム日本史』ですが、2015年6月発売の第26号をもって定期刊行物としての発刊は一旦終了となります。


今後は雑誌の形ではなく、箱(ボックス)入りゲームとして発行してまいります。装丁が変わることで発行は不定期となりますが、より遊びやすく丈夫な、そして面白いゲームを提供していく予定です。


新装丁で発行する予定のゲームとしては以下の通りです。
新選組』(オリジナル作品)〈リニューアル第一弾〉
天下布武』(シミュレーションゲーム入門2)〈リニューアル第二弾〉

 
 今後は定期刊行の雑誌形式を放棄し、箱入りゲーム形式に移行するとのことですので、事実上の休刊ですね。

 思うに、編集部は創刊時に「WW2の独ソ戦だのアフリカ戦線だのより、日本史物の方が余程知名度が高いから、日本史ゲームを出せば新しい客層が開拓できるのでは」という目論見だったものの、結局は上手くいかなかった、というところでしょうか。

 まあ、バックナンバーとかを見ながら、「このラインナップでは、ウォーゲームには疎いが歴史に興味はある、という層をひきつけるのは厳しそう」という感じはしていました。というのも、以前「志士の時代 幕末ボードゲーム」(8号付録 http://wargamejapan.jp/contents/008/index.html)のレビューを探していて、以下の感想を見つけてしまったからです。
 

●「志士の時代 幕末ボードゲーム」レビュー 土屋つかさの今か無しか/ウェブリブログ
http://someiyoshino.at.webry.info/201108/article_13.html
総じて、マップやカードが「幕末の史実での動向を知っている事が前提」のデザインになっているのだと感じました。ここが実に惜しいです。マップに少しでも説明が書いてあれば(例えば「佐幕」や「大政奉還」がどういう思想なのかを併記してあれば)、「ゲームを通して幕末という時代に生きた人達とその思想を知るゲーム」になれたと思うのです

 
 「志士の時代」はヘクス無し、競りでキャラを集める、など、シミュレーションウォーゲームの匂いは薄めの、かなりユーロゲームの方に振っている物ですが、それでも普通のゲーマーからは「佐幕とか大政奉還について説明が欲しい」とか言われちゃうわけです。ここを「不親切」と思うのが普通の思考、「それはプレイするにあたり、知っていて当然」と思うのがシミュレーションゲーマー思考、というところで、やはり一般層相手のゲームはなかなか難しかったようです。

 まあ、ボックスゲーム形式になろうとも、このブランド(?)の動きは注目していきたいところです。
 
壬生狼顛末記 (ウォーゲーム日本史 第27号)
天下布武 戦国大名たちの戦い (ウォーゲーム日本史 第28号)