【ウォーゲーム】感想:ウォーゲーム本「タクテクス 光秀戦記 明智十兵衛合戦次第」(2022年3月):あのタクテクスが30年ぶりに復活、したものの……

タクテクス 光秀戦記 明智十兵衛合戦次第 ([バラエティ])

http://www.amazon.co.jp/dp/4798627062
タクテクス 光秀戦記 明智十兵衛合戦次第 大型本 2022/3/18
出版社:ホビージャパン (2022/3/18)
発売日:2022/3/18

【※以下ネタバレ】
 

タクテクス 光秀戦記 明智十兵衛合戦次第 株式会社ホビージャパン
http://hobbyjapan.co.jp/books/book/b595994.html
SNSで話題沸騰! シミュレーションゲーム付きゲーム誌 大河ドラマを彷彿させる明智光秀の主要合戦がゲームテーマ!


ジャンル ゲーム
出版年月日 2022/03/18
ISBN 9784798627069
判型・ページ数 A4
定価 5,940円(税込)


SNSで話題沸騰! シミュレーションゲーム付きゲーム誌
大河ドラマを彷彿させる明智光秀の主要合戦がゲームテーマ!


ゲームテーマは明智光秀と彼の戦いが中心
①第1次黒井城の戦い
本能寺の変
③山﨑決戦
の三本を入れた構成。


「山﨑決戦」は、1ユニット500人程度の小部隊の規模で戦いのその日にクローズアップした戦闘を味わうもの。「第一次黒井城の戦い」は、山崎と同じシステムで、第1次丹波攻略での部隊同士の機動と戦闘を楽しむことができる。「本能寺の変」は1ユニットが基本的に1人小部隊で本能寺の戦いを再現する。


本誌部分は48頁で、ゲームのルールブックを掲載するほか、ゲームテーマに沿った内容の戦史記事、ゲーム関連記事を掲載する構成。記事部分は研究家など著名な方に依頼し、戦史ファンにも充分満足いく内容となっている。


付属品:A2サイズマップ、コマシート一枚、サイコロ、ディスプレイシートなど

 
 ボビージャパンのゲーム本「タクテクス」が1992年の休刊から30年の時を経て大復活!! え、マジで?!


タクテクスとは

 「タクテクス」とはホビージャパンが1982年から1992年に発行していたゲーム雑誌で、ボードウォーシミュレーションゲーム(以降ウォーゲームと表記)とTRPGを扱っていた、今でいうところのアナログゲーム雑誌でした(当時はアナログゲームなんて言葉はありませんでしたが)

 日本のゲーム業界は、1980年代に突入したころからウォーゲームがブームとなり、歴史上の戦い(第二次世界大戦、太平洋戦争、等々)をテーマにしたゲームやら、機動戦士ガンダム他のアニメの戦いを扱うゲームやらがどっと発売され、活況を呈していました。

 そのブームに乗って創刊したのがタクテクスで、ゲーム紹介やらリプレイやらを掲載して大いにありがたかったのですが、ウォーゲームブームは1986年頃を境に下り坂に向かい(多分コンピューターゲームが発展したせい)、1980年代末頃にはマニアだけの趣味に転落してしまい、タクテクスも1992年には力尽きて休刊しました……(涙)

 それから30年後の2022年、突然タクテクスが甦ったのでした。あのHJが儲かるはずもないウォーゲームに再参入するなんて、一体何故だ!?


復活の真の理由

 さて今回の謎の復活劇ですが、理由は別に「タクテクス復活ありき」では無かったとのこと。まあ当然ですよね。

 HJは過去2019年に「歴史探訪」という歴史系雑誌を発行していて、
 ↓

歴史探訪
https://hobbyjapan.co.jp/rekishitanbou/

hobbyjapan.co.jp

 
 2020年放送の大河ドラマ麒麟がくる」(明智光秀が主役のドラマ)に向けて「本能寺の変」のミニゲームを発注していたのですが、雑誌が無くなってしまい、そのあと明智光秀のゲームをまとめたムックを作る企画にすり替わり、「HJが作るウォーゲーム本なら名前は『タクテクス』じゃね?」ということでタクテクス復活と相成った模様です。


内容物

 商品紹介では「シミュレーションゲーム付きゲーム誌」となっていますが、感覚的には「ゲーム詰め合わせ」以外の何物でもないです。ゲーム誌とか名乗るのおこがましくね?


 入っているのは、

・ゲームマップ(山﨑決戦、黒井城撤退戦、本能寺の変、それぞれのマップを一枚にまとめた物)
・打ち抜きユニット
・ルールブック兼用のフルカラー小冊子(全48P)


 冊子は、大半が歴史の解説とゲームのルールで占められており、わずかに

・デザイナー福田誠インタビュー(計4ページ)
 →ゲームに関する話と、タクテクス復活の経緯の説明

シミュレーションゲーム興亡史(宮永忠将)(計4ページ)
 →初心者向けのウォーゲームの歴史記

 がちょっと読みどころが有ったぐらいでした……トホホ


 ちなみにゲームのユニットのイラストを描いているのは、漫画家のしまたけひと氏、かつての國津武士氏、あるいは堀多磊音(ほったらいおん)氏、であります。今はもう完全に「歴史物漫画家」という立ち位置なのね……


ファイナルコメント

 過去に発売された「タクテクス」誌は全て持っているので、今回も一種のお布施として購入したのですが、これで5940円はなぁ……、高いのは冊子が無意味にフルカラーだからだと思われ、モノクロ冊子にすれば3800円くらいで発売できたのでは……、と恨み言を並べたくなります。

 巻末に「復活2号企画編集中」とか書いてありますけど、次有るのかコレ……?