【SF小説】感想「ヒューマニドローム」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 716巻)(2024年7月3日発売)

ヒューマニドローム (ハヤカワ文庫SF)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150124515
ヒューマニドローム (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2024/7/3
H・Gフランシス (著), 赤坂桃子 (翻訳)
出版社:早川書房 (2024/7/3)
発売日:2024/7/3
文庫:288ページ

【※以下ネタバレ】
 

クロノパルス壁内の惑星ロクヴォースは植民地化され、住民たちはローダンたちを含む天の川銀河外の生命が全滅したと信じていた!


ロクヴォルト=テルム大学を優秀な成績で卒業したアルバート・ホルムは、いまスペースフェリーで地上を離れ、軌道上で建造途上にある宇宙ステーション、ヒューマニドロームへと向かっていた。銀河系でもっとも豊かなスカルファル星系の惑星ロクヴォルトがその総力を結集する一大事業に、自分もエンジニアとして参加するのだ。やがてアルバートは首席エンジニア、エンデハル・ロフの右腕としてその手腕を発揮してゆくが…

 

あらすじ

◇1431話 ヒューマニドローム(H・G・フランシス)(訳者:赤坂桃子)

 NGZ800年。銀河系で最も豊かな惑星「ロクヴォルト」は、テラの指示で人類の偉業を記念する巨大宇宙ステーション「ヒューマニドローム」の建設を開始した。この時代、テラの中央政府が銀河系を独裁支配しており、宇宙飛行は厳しく制限され、銀河系を守るバリアの外側では全てが消滅したとされていた。

 数十年がたち、ロクヴォルトはヒューマニドローム建設にすべての力を投入したため、経済的に没落し続けていた。NGZ850年、ついにヒューマニドロームは完成したが、テラ政府は即座にヒューマニドロームを接収し、同日ロクヴォルトは財政破綻した。ヒューマニドローム建設に携わった技師アルバート・ホルムは、同僚がひそかに宇宙船を建造していたことに巻き込まれ秘密警察に逮捕されてしまった。(時期:NGZ800年7月1日~850年)

※初出キーワード=恒星スカルファル/惑星ロクヴォルト。ヒューマニドローム。シラーダ(抵抗組織名)。最高位ギャラクティカー。


◇1432話 ジェヴォニアへの逃走(H・G・フランシス)(訳者:赤坂桃子)

 NGZ900年。アルバート・ホルムは50年間囚人キャンプで強制労働を強いられていたが、ついに脱走に成功すると宇宙船を手に入れロクヴォルトから逃走した。ホルムはテラの権力が及ばないというパラダイス惑星ジェヴォニアを目指し、途中でテラに抵抗する地下組織シラーダのメンバーと接触し、ともにジェヴォニアへ向かった。しかし実はシラーダはテラが反抗分子を捕えるために用意した罠で、ジェヴォニアがパラダイスというのもニセ情報だった。ホルムは脳内にシントロニクスを埋め込まれて操り人形にされたあと、原始惑星のジェヴォニアに放り出された。(時期:NGZ900年)

※初出キーワード=ヴィッダー(抵抗組織名)。

あとがきにかえて

赤坂桃子氏
・ドイツ初の宇宙飛行士ジークムント・イェーンの話

感想

・前半エピソード「ヒューマニドローム」 原タイトル:DAS HUMANIDROM(意訳:ヒューマニドローム

 過去エピソード。惑星ロクヴォルトの没落物語。技師アルバート・ホルムの視点で、ロクヴォルトが貧乏惑星に転落していく様や、他の惑星も似たり寄ったりの悪夢世界になっていることが描かれます。テラ中央政府の支配が悪辣すぎる……

 あと懐かしのガルブレイス・デイトンが「最高位ギャラクティカー」として登場しますが、全身メカ的な物でおおわれて顔の上半分しか見えないそうです。しかも独裁政権の親玉。あのガルがこんなキャラになり果てるとはショックすぎ。


・後半エピソード「ジェヴォニアへの逃走」 原タイトル:FLUCHTZIEL GEVONIA(意訳:脱出目的地ジェヴォニア)

 前回からの続き。ホルムがパラダイス惑星ジェヴォニアを目指すものの、メチャクチャひどいオチで終わるという話。銀河系の情勢は公会議時代並にひどいことになっている模様。ネーサンもすっかり「悪の巨大コンピューター」になっているし。
 
 

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