【SF小説】感想「新生ソト任命」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 648巻)(2021年9月2日発売)

新生ソト任命 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-648 宇宙英雄ローダン・シリーズ 648)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150123373
新生ソト任命 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-648 宇宙英雄ローダン・シリーズ 648) 文庫 2021/9/2
クルト・マール (著), ペーター・グリーゼ (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2021/9/2)
発売日:2021/9/2
文庫:271ページ

【※以下ネタバレ】
 

ダントンとテケナーは惑星ボルダルで開かれた12名の永遠の戦士の集会を目撃し、ティグ・イアンが新しいソトに任命されるのを知る


ロワ・ダントン一行が到着した砂漠惑星ボルダルには、永遠の戦士十二名が全員集結していた。だがそこに、十三番めの存在があらわれる。かれはソト=ティグ・イアンと名乗り、銀河系諸種族を恒久的葛藤の信者にできなかったストーカーにかわって“新ソト”になったと宣言し、銀河系の掌握に向かうと告げるのだった。ティグ・イアンの“ゴムの星”から脱出したスリマヴォはハンザ・キャラバンにその危機を告げようとする!

 

あらすじ

◇1295話 新生ソト任命(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 ロワ・ダントンたちは惑星「ボルダル」に連れていかれ、新しいソト「ティグ・イアン」の出現を目撃した。ソト=ティグ・イアンは「暗黒空間の勢力たち/暗黒空間の支配者たち」の命令を受け、銀河系制圧に手間取っているストーカーの後任として、十万隻の大艦隊と共に銀河系に向かった。ロワ・ダントンたちはイジャルコルの従者として、エスタルトゥの元へ向かうことになった。スリマヴォは銀河系に危機を知らせるため旅立つが、途中の「ヴィラメシュ銀河」で、アーガイリス指揮するハンザ・キャラバンが新ソトの艦隊に全滅させられたのを目撃した。スリマヴォは銀河系近傍までたどり着き、銀河系に警告を発信した。(時期:不明:NGZ430年)

※初出キーワード=暗黒空間の勢力たち/暗黒空間の支配者たち、惑星ボルダル、ソト=ティグ・イアン、ヴィラメシュ銀河(NGC3627)


◇1296話 星々をめぐる陰謀(ペーター・グリーゼ)(訳者:星谷 馨)

 銀河系では意識不明のスリマヴォが保護され、ギャラクティカム首脳陣は、大艦隊の襲来や法典分子についての事実を把握し始めた。やがてソト=ティグ・イアンの艦隊が銀河系に到着するが、新ソトは恒久的葛藤のすばらしさを宣伝するとともに、ストーカーには出頭して地位を明け渡すように命じた。ストーカーは自分の地位を守るため、作り話でギャラクティカム首脳陣に新ソトと戦うよう訴えるが信用されず、また部下のティフラーたちも血清によって法典分子から解放されてしまった。アダムスは新ソトにストーカーの居場所を教え、両者が対決するように誘導した。(時期:NGZ430年8月5日~11日とその前後)

※初出キーワード=ステギィアン、M-53(NGC5024)


あとがきにかえて

東京オリンピックの開幕式の話
・コロナワクチン接種を躊躇している話

感想

・前半エピソード 原タイトル:DER NEUE SOTHO(意訳:新ソト)

 中身の濃い回。新ソト登場だけで済ますのかと思いきや、ハンザ・キャラバンの壊滅(のように見えただけ)、スリマヴォの脱走&帰郷、と盛りだくさん。スリがコスモクラートっぽい(?)高慢な口調でソト=ティグ・イアンと会話するのがちょっと面白い。気になっていた永遠の戦士とソトとの関係ですが、ソトの方が遥かに格上なのですね。

 ロワは銀河系が団結していればエスタルトゥ艦隊十万隻は恐れるに足りず、と言っていますが、銀河系の軍事力はそんなに強大でしたっけ?


・後半エピソード 原タイトル:INTRIGEN ZWISCHEN DEN STERNEN (意訳:星々のあいだの陰謀)

 ギャラクティカーたちも、ようやくエスタルトゥから来た連中はうさんくさい、という事に気が付き始めました。銀河系種族が争うのをやめて仲が良いのは結構ですが、かつての対立の時代の頃のような諜報機関が無いらしい。その昔なら太陽系秘密情報局が総出でエスタルトゥからの訪問者たちの調査をしたでしょうに……

 そして、アダムスは、ここに至ってもなおスティギアンに肩入れするとか、本当に人を見る目が無い(笑)
 
 

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