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銀河ギャンブラー (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-660 宇宙英雄ローダン・シリーズ 660) 文庫 2022/3/2
ペーター・グリーゼ (著), K・H・シェール (著), 嶋田 洋一 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/3/2)
発売日:2022/3/2
文庫:272ページ
【※以下ネタバレ】
エスタルトゥ十二銀河にて、超越知性体がもういないという噂が広まるなか永遠の戦士12名は惑星ソムの衛星で会合を開くことにした
エスタルトゥ十二銀河では不穏な噂がひろまっていた。“超越知性体エスタルトゥはもうここにはいない”というもので、永遠の戦士十二名のあいだでも頻繁にささやかれるようになる。超越知性体の居所である惑星エトゥスタルに行ったはずの戦士イジャルコルも、そのときの記憶を思いだせない。そこで戦士たちはシオム・ソム銀河、惑星ソムの衛星にあるイジャルコルの宮殿で会合を開くことにした。はたして噂は事実なのか?
あらすじ
◇1319話 戦士会議(ペーター・グリーゼ)(訳者:嶋田 洋一)
エスタルトゥ一二銀河では、超越知性体エスタルトゥが不在であるという噂が流れ、永遠の戦士たちですら動揺していた。イジャルコルは他の戦士たちを集めて会議を開き、自分が惑星エトゥスタルに行き、超越知性体存在の証拠を持ち帰る事を提案した。直後、会議を監視していた進行役プテルスたちが出現し、戦士たちがエスタルトゥの存在を疑ったことを叱責し、今後進行役が戦士たちを指導すると宣言した。ムウン銀河の戦士ペリフォルは、ソト=ティグ・イアンの命令で銀河系に大艦隊で向かう事を表明した(時期:不明:NGZ446年?)
※初出キーワード=特になし
◇1320話 銀河ギャンブラー(K・H・シェール)(訳者:嶋田 洋一)
二体の知性体が長い昏睡状態から目覚めるが、二人とも過去の記憶を一切失っていた。やがて二人は徐々に記憶を取り戻し、自分たちがテラナーのラトバー・トスタンとスヴォーン人のポージー・プースで、NGZ430年10月に任務でM-33銀河にいたことまでは思い出すが、今は巨大宇宙船の内部らしい場所にいると認識する。二人は宇宙船が全く未知の宙域にいることを知り、あてもないまま状況を無線で発信した。同じころ、丸太を監視させていたワリンジャーは、丸太内部から発信されたトスタンたちの通信を受信していた。(時期:~NGZ446年4月23日)
※初出キーワード=TSS(ツナミ・スペシャル・セラン)、相互結合銃、マモシトゥ種族
あとがきにかえて
COVID-19が大流行していて、感染しないように気を付けている、という話。
感想
・前半エピソード 原タイトル:KONFERENZ DER KRIEGER(意訳:戦士の会合)
永遠の戦士が会議を開く話。12名のうち一人が女戦士(スーフー銀河の女戦士スーフー)だなんて初めて知らされたような…… あとP127で、会議に乱入してきた進行役を見て「プテルスだ!」という描写がありますが、永遠の戦士たちだってプテルスですけど? どうも進行役と永遠の戦士の区別というか切り分けというかが、イマイチよくわからない……?
・後半エピソード 原タイトル:TOSTAN,DER SPIELER(意訳:ギャンブラーのトスタン)
うわーい、シェールがまたローダン・シリーズに帰ってきました。無限アルマダサイクル序盤の1118話「提督と銀色人」以来、約200話ぶりです。
そして今回シェールは、クリフトン・キャラモンに続き、また太陽系帝国時代の人間を時間を飛び超えて登場させてしまいました。これはどうやら、シェール先生は、新銀河歴時代の、ヤワになってしまったテラナーがよほどお気に召さない模様です(多分)。まあ古参読者も「テラナーは決してあきらめない」とか言っていたころの、スペシャル種族感が有ったころのテラナーの方が好きですけどね。
この話では、登場キャラの台詞の形で、強力な兵器のスペックを延々説明するくだりがあり(P181)、そういうのを読むと「ああ、シェールの作品だ」と妙に嬉しくなりました(笑) あと、謎の「丸太」が本格的に話に絡んできたようでちょっと楽しくなってきましたよ。