【SF小説】感想「イジャルコル最後の戦い」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 670巻)(2022年8月3日発売)

イジャルコル最後の戦い (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-670)

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イジャルコル最後の戦い (ハヤカワ文庫SF SFロ 1-670) 文庫 2022/8/3
クルト・マール (著), アルント・エルマー (著), 星谷 馨 (翻訳)
出版社:早川書房 (2022/8/3)
発売日:2022/8/3
文庫:256ページ

【※以下ネタバレ】
 

敗北により打ちのめされたイジャルコルは精神高揚のため法典ガスを吸うが、それによって彼の失われた記憶が呼び起こされていく!


紋章の門の崩壊という敗北を喫し、永遠の戦士イジャルコルは精神的に打ちのめされた。法典ガスを吸って精神を高揚させようとするが、なぜかこれまでと異なり、法典ガスは失われた過去の記憶を呼び起こしていく。五万年前、自分がコルという名のシフト責任者だったこと、空を眺め、歌や詩をつくるのが好きだったこと…。記憶を取り戻したイジャルコルは、進行役への反感を胸に秘め、艦隊をひきいて反乱者征伐へと向かうが!?

 

あらすじ

◇1339話 イジャルコル最後の戦い(クルト・マール)(訳者:星谷 馨)

 シオム・ソム銀河。永遠の戦士イジャルコルは、反乱分子「宇宙遊民」の討伐に取り掛かるが、突然封印されていた過去の記憶を取り戻した。

 五万年前。プテルス種族の技術者コルは、謎の勢力「シングヴァ」により、惑星エトゥスタルに召喚され、「永遠の戦士」の地位と「イジャルコル」という新しい名前を与えられた。シングヴァとは、超越知性体エスタルトゥの技術を継承したプテルスの一分派で、第三の道の教えを捻じ曲げた「恒久的葛藤」の教義で宇宙を支配することを目論んでいた。シングヴァは、永遠の戦士を傀儡として操り、自分たちはその背後で「進行役」という名前の道化を演じて正体を隠していた。

 記憶を取り戻したイジャルコルは、もはや恒久的葛藤に何の価値も感じなくなり、宇宙遊民やネットウォーカーとの融和を目指し、進行役と決別することを決意した。(時期:不明:NGZ446年頃)

※初出キーワード=シングヴァ



◇1340話 カゲロウの夢(アルント・エルマー)(訳者:星谷 馨)

 エルンスト・エラートは再び精神体となり宇宙を放浪していたが、同様の存在であるカピンのテスタレと出会い、行動を共にすることにした。アブサンタ=ゴム銀河では、奇跡「不吉な前兆のカゲロウ」がナックの制御を離れ暴走するという異常が多発し、また進行役たちは永遠の戦士を解任して権力を奪おうと画策していた。エラート/テスタレは、ナックたちの情報から、この銀河に集積されたプシコゴンがカゲロウ暴走の原因と突き止めると、ネットウォーカーに情報を残して、未知の目標「成就の地」へ旅立った。(時期:不明:NGZ446年頃)

※初出キーワード=成就の地。カゲロウ・ブイ。トライフェル種族。ウルビター種族。


あとがきにかえて

 プロ野球のセ・パ交流戦の話。


感想

・前半エピソード 原タイトル:IJARKORS LETZTE SCHLACHT(意訳:イジャルコル最後の戦い)

 イジャルコルの回想の形で語られる、力の集合体エスタルトゥの五万年の物語。さすが古参作家のマールの作品で、めっちゃ面白かった。文句なし。



・後半エピソード 原タイトル:EPHEMERIDEN-TRAUME(意訳:カゲロウの夢)

 またまたまた帰って来たエルンスト・エラートが、カピンのテスタレとコンビを組んで色々冒険する話。何かとまだるっこしい感じがしましたが、とりあえず十二銀河帝国の混乱と、謎のプシコゴンのことが描かれて話がいくらかは進んだので良しとしましょう。
 
 

650巻~675巻(「ネットウォーカー」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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