【映画】感想:映画「007/消されたライセンス」(007シリーズ16作目)(1989年:イギリス)

007/消されたライセンス [Blu-ray]

BS-TBS|007シリーズ【吹替】 https://bs.tbs.co.jp/movie/007/
放送 BS-TBS。2022年2月20日(日)

【※以下ネタバレ】
 

007シリーズ第16弾。殺しの許可証を剥奪されたボンドが南米を牛耳る麻薬王に挑む!


ボンドは、親友のライターと麻薬王サンチェスを逮捕。しかし逃走に成功したサンチェエスは、フィリックス・ライターに重傷を負わせ、彼の妻を殺害。怒りに燃えるボンドは任務を離れ、友のために復讐を誓う……!

 

あらすじ

 007/ジェームズ・ボンドは、親友のCIA局員フェリックス・ライターの結婚式に参加するため、アメリカ・フロリダに来ていたが、ライターと共に結婚式場に向かう最中に、南米の麻薬王サンチェス出現の報を受け取る。ボンドとライターは急遽現場に向かい、逃亡を図ったサンチェスを見事に逮捕したあと、パラシュートで結婚式に参加した。

 しかし、サンチェスは麻薬捜査官を大金で買収して簡単に脱走すると、復讐のためライターの新妻デラを殺害、ライターは拉致してサメに足を食い千切らせる。ボンドは出国のため空港に来ていたが、サンチェス脱走を知り、すぐさまライターの家に駆け付け、デラの死体と瀕死のライターを発見する。

 激怒したボンドはライターが拉致された場所を発見して潜入し、裏切り者の麻薬捜査官を海に突き落としてサメに殺させる。しかし既にサンチェスは逃亡したあとだった。

 Mはボンドが任務を放棄してサンチェス一味への復讐に走っていることを知り、アメリカにやってきて叱責し任務に戻るように言うが、復讐に捕らわれたボンドは諜報部を辞めると宣言し、そのまま姿をくらました。

 ボンドはサンチェスの取引相手ミルトン・クレストがサンチェスからの麻薬を受けとる現場を襲撃、麻薬を海に投棄し、代金数百万ドルを奪って逃走した。さらにライターの協力者のパイロット・パメラ・ブービエに接触し、サンチェスの拠点である南米のイスマス・シティに乗込む。

 ボンドは奪った大金を周囲に見せびらかしておいてから、サンチェスに自分がフリーの殺し屋であり、仕事を得たい旨を告げる。さらにボンドはサンチェスの組織に裏切り者がいると匂わせてから、クレストの船に潜入し大金を隠す。そのあと、大金を見つけたサンチェスはクレストが裏切り者だと信じ込み殺害、またボンドを深く信頼するようになった。

 ボンドはサンチェスの信用を得て、宗教団体の本部に偽装した麻薬工場に招かれる。ボンドはそこで正体が発覚し殺されそうになるが、工場に火災を起こした結果、サンチェスたちは慌てて逃亡した。ボンドはさらにその後を追い、パメラの協力を得てサンチェスを殺害した。

 最後。パーティー会場でボンドとパメラがキスするシーンで〆。
 
 
 

感想

 評価は○(そこそこ)

 シリーズ15作目の「リビング・デイライツ」(1987年)に続く第16弾、「ティモシー・ダルトン007」の二年ぶりの2本目にして最後のボンド作品。シリアスさにバイオレンス要素も付加した殺伐とした映画で、評価はそこそこ。

 前作「リビング・デイライツ」よりもハードさが加速しており、残酷シーンも多い問題作。まあスピーディーな展開、キレのあるアクション、目を疑うような危険なスタント、等、見どころは多いのですが、問題は「この話が007である必要があるのか?」という点。

 最初から最後まで暴力的な雰囲気に彩られており、そこにティモシー・ダルトンのダークなキャラが加わると、もうこれは007シリーズという感覚はゼロで「孤独な麻薬捜査官の復讐譚」にしか見えませんでした。まあ、アクション映画としては面白い事は認めるのですが、007映画に求めるのはこんな血みどろ暴力映画では無いよなぁ、感が凄かった。

 スタントは相変わらず一級で、終盤のトラックで片輪走行するシーンなど目を疑いましたし、水上飛行機のフロートにしがみついている場面とか、もう超絶危険シーンのオンパレード、見ている方も肝が冷える場面ばかりでした。そこは認めます。

 この映画、意外なことに秘密メカ開発責任者のQの活躍シーンが非常に多く、わざわざ危険な南米まで来てくれて秘密メカを渡してくれる他、運転手役を買って出たり、事件解決後のパーティーに顔を出したり、と、Q役のデスモンド・リュウェリンは今までで一番演じがいが有ったかもしれません。


 ということで、バイオレンスアクション映画としてのクオリティは認めるところですが、007映画としてはどうにもこうにも評価しずらいです。ロジャー・ムーアのソフトなボンドのイメージを払拭しようとして、ハード路線に行き過ぎた、のかもしれません。


 30年くらい前に見た時も「こりゃバイオレンス要素が濃すぎる」と苦い気持ちになったのですが、改めて見直しても感想は同じでした。暴力的なだけの007映画はもう見たくない……
 
 

https://www.bs-tbs.co.jp/movie/007licencetokill/
007/消されたライセンス【吹替】


2022/2/20(日)
午後3:30~6:00


◆キャスト
ティモシー・ダルトン(吹替:大塚芳忠)、ロバート・ダヴィキャリー・ローウェル


◆スタッフ
原題:Licence To Kill
1989年/イギリス
監督:ジョン・グレン

 

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