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ベントゥ・カラパウへの道 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 2024/8/21
マリアンネ・シドウ (著), エルンスト・ヴルチェク (著), 安原 実津 (翻訳)
出版社:早川書房 (2024/8/21)
発売日:2024/8/21
文庫:272ページ
【※以下ネタバレ】
ダオ・リン=ヘイは、過去700年の間にカルタン人の版図が小さくなり植民惑星の多くが放棄されていたことを知ってショックを受ける
ダオ・リン=ヘイは“ナルガ・サント”を無事に故郷である惑星タルカンへと導いた。メイ・メイ=ハルから最高位女性の地位を譲りたいと打診されるが、“ナルガ・サント”を襲撃したカラポン人への復讐と、“モトの真珠”の奪取をもくろむダオ・リン=ヘイはそれを固辞し、カラポン帝国の秘密基地であるベントゥ・カラパウの位置をつきとめるため、最新鋭の戦闘船“マーラ・ダオ”で惑星ヴァアルジャディンへと向かった!
あらすじ
◇1437話 ベントゥ・カラパウへの道(マリアンネ・シドウ)(訳者:安原 実津(初))
M-33(三角座銀河)。ダオ・リン=ヘイは《ナルガ・サント》を襲撃したカラポン人への報復と、彼らが所有する宝物「モトの真珠」の奪取のため、カルタン政府の提供した最新艦《マーラ・ダオ》で出発した。この時代には、カルタン帝国はかつてより縮小していたが、700年前のカルタン人の栄光の時代の復活を目論む勢力が台頭しており、ダオ・リン=ヘイはその勢力から崇拝の対象となっていた。ダオ・リン=ヘイは計略を用いてカラポン人の秘密基地惑星「ベントゥ・カラパウ」にたどり着くが、《マーラ・ダオ》を密かに追跡してきたカルタン人艦隊が出現し、混乱の中で捕虜となってしまった。(時期:不明;NGZ1144年頃?)
※初出キーワード=惑星ヴァアルジャディン
◇1438話 アラロンの人工生命体(エルンスト・ヴルチェク)(訳者:安原 実津)
銀河系。NGZ1144年。銀河系の医療の中心惑星アラロンでは、アラスがクローンの研究に邁進しており、アラス種族自身もクローン製造された「ネオ・アラス」が大半を占めていた。しかしアラスのクローン研究の権威フェルドールは、ギャラクティカーが徐々にクローンに置き換わりつつ有る現状に危惧を抱き、抵抗組織ヴィッダーの協力者となっていた。フェルドールは自分の「息子」として製造したクローン・アリボがカンタロに消去されるのを防ぐため、自分の命を犠牲にしてアリボを逃がし、アリボはヴィッダーの工作員に救助された。(時期:~NGZ1144年2月23日)
※初出キーワード=ネオ・アラス。インヴィトロ(人工生物)。インヴィヴォ(自然出産)。クライト兵士(別名ハイグフォト)
あとがきにかえて
安原 実津氏
・翻訳チーム参加のあいさつ
・ドイツで開催されたサッカー欧州選手権の試合の話
感想
・前半エピソード「ベントゥ・カラパウへの道」 原タイトル:DER WEG NACH BENTU-KARAPAU(意訳:ベントゥ・カラパウへの道)
M-33(三角座銀河)でダオ・リン=ヘイたちがカラポン人の秘密基地惑星ベントゥ・カラパウを探す話。ちょっとテンポが悪く、読んでいてまどろっこしかったです。
・後半エピソード「アラロンの人工生命体」 原タイトル:KINDER DER RETORTE(意訳:レトルトの子供たち)
銀河系がクローン大盛況の時代になっていて、その中でアラスとその「息子」がカンタロから逃亡する話。前巻の「コンピュータ・ウイルス」とかこの話の「クローン」とか、ローダン・シリーズも随分ハイカラ(死語)になってきたものだと感じました。しかし面白いかというと特にそうでもなかったな……
その他
翻訳チームに新メンバー・安原実津氏が参加となりました。ドイツ在住とのこと。