感想:小説「虎の王者キサイマン」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 541巻)(2017年3月23日(木)発売)

虎の王者キサイマン (宇宙英雄ローダン・シリーズ541)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121176
虎の王者キサイマン (宇宙英雄ローダン・シリーズ541) 文庫 2017/3/23
H・G・エーヴェルス (著), シドラ 房子 (翻訳)


深淵の騎士の先駆者であるポルレイターはテラに到着し、カルデクの盾のプシオン力を用いて、すべてを支配しようとするのだが……


ポルレイターを捜索する複合艦隊の旗艦“ラカル・ウールヴァ”がついにテラに帰還した。だが、そこに乗りこんでやってきたポルレイター2010名は、究極の武器“カルデクの盾”を振りかざして、自由テラナー連盟(LFT)と宇宙ハンザに対する支配権を要求してくる。自分たちこそコスモクラートの使命をはたす者であり、銀河系を統率してセト=アポフィスと戦うといいはるのだ。LFTと宇宙ハンザの幹部は反発するが…

 
発売日 = 2017年3月23日(木)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」


【※以下ネタバレ】


内容

◇1081話 無敵の者たち(H・G・エーヴェルス)(訳者:シドラ 房子)

 地球に上陸したポルレイターは、テラナーたちに、対セト=アポフィス戦のため自分たちに従うように要求するが!?


 ローダンの消極抵抗策を聞いて、バリバリの軍拡時代の出身のクリフトン・キャラモンが不満たらたらなのが面白いです。まあ、この時代のテラナーは、太陽系が難攻不落の要塞だった時代とは違い、「公会議→ルーワー→オービター」といろいろな勢力に支配されまくっているからか、昔みたいなガッツが無いっぽい。

 第三勢力とか太陽系帝国の時代なら、ローダンが自ら先頭に立って、侵略者を撃退するためミュータント部隊の力で破壊活動をしまくったに違いありません(実例多数)。「テラナーは決してあきらめない」とかいう燃える名セリフも有ったしなぁ。血の気の多いキャラモンがもどかしがる気持ちもわかります。



◆1082話 虎の王者キサイマン(H・G・エーヴェルス)(訳者:シドラ 房子)

 地球では、謎の男『虎の王者キサイマン』率いる地下組織が、ポルレイターに対する抵抗運動を開始し!?


 キサイマンの正体がなんだか意味不明だし、さらに本筋とは関係無さそうな「謎の地下基地」を持ち出してくるし、エーヴェルス先生大丈夫なのか、と心配になる回でした。

 ところで、P179・三行目の「喪失です」の下にある文字は誤植でしょうか。


 前半・後半ともまずまずのお話でした。


表紙絵

 メインは新キャラ「虎の王者キサイマン」の立ち姿。背景は本物の虎のイラスト。


あとがきにかえて

 担当は「シドラ房子」氏。全2ページ。再生可能エネルギーに関する話題。


次巻予告

 次巻は542巻「カルデクの盾作戦」(K・H・シェール&クルト・マール)(2017年4月6日(木)発売予定)。

 シェールとマールの作品が並ぶなんて、最初の1~10巻頃みたいで懐かしいです。