感想:アニメ「正解するカド」第7話「サンサ」

正解するカド クリアファイル

正解するカド KADO: The Right Answer http://seikaisuru-kado.com/
放送 BSフジ。

【※以下ネタバレ】
 

第7話 サンサ

 

あらすじ

 テレビマンの言野(ごんの)は、世界的IT企業セッテンのCEOにスカウトされ、部下二人と共にテレビ局からセッテンに転職する。彼らはセッテンCEOの意向を受け、強引にカドに接近し、ヤハクィザシュニナへのインタビューを申し込む。

 ヤハクィザシュニナは、言野たちに、ワムに続く人類への贈り物として「サンサ」という物を見せる。それは人間に異方の感覚を目覚めさせる機能を持ち、異方感覚に開眼した者は、「一人が眠りながら一人が起きている」という一種のタイムシェアリングが可能になる。つまり人間は眠る必要が無くなり、生産性が飛躍的に拡大することを意味していた。

 真道たちはヤハクィザシュニナを狭山湖近くで行われている夏祭りに連れていくが、そこで沙羅花は真道にヤハクィザシュニナを異方に返したいと言い出す。

感想

 「寝る時間がゼロになるよ、凄いでしょ」と親切ごかしで、ブラック企業経営者御用達みたいな機械を送り付けて来る異世界人がまるで信用できない。

 また、超々々VIPのヤハクィザシュニナを護衛も無しに気楽に夏祭りに連れ出す真道たちはどうかしているのじゃないですかね。まあ異世界人は暴力でどうこうできる相手じゃないからOK、という判断かもしれませんが、一般人が気が付いたら殺到してパニックとかが起きるとか思わないのかしらん?


 そもそもがこのアニメ、全く世界観に広がりが感じられないのがニントモカントモ、ですよ。

 人類以外の知的存在と接触したというだけでもうすさまじい大事件で、学者たちがヤハクィザシュニナに24時間群がってしかるべき状況のはずなのにそうなってないし、ワム=無限電力発生装置の製法が世界に広がったら、それだけでもう世の中が上へ下への大騒ぎになるはずなのに、それも描かれない。

 ヤハクィザシュニナは人類を変革するとかなんとか大きなことを吹いていますが、結局物語が真道たちの身の回りのごく小さな範囲でしか進行しないので、全く持ってそんな凄い物語に思えない。「真道くんと仲間たちが異世界人と過ごしたひと夏の大騒ぎを描く物語」とかそんなフレーズが頭に浮かんできます……、もっとデカい世界を描いてくれよ~。

 確かラノベとかのジャンルで、「主人公とその周り数人の小さな範囲の話が世界の命運を握る」云々みたいな話を「セカイ系」と言うそうなのですが、このアニメは悪い意味の「セカイ系」じゃないでしょうか。こんなミニチュアみたいな世界の物語しか描けないのは監督の責任だ!と思って調べたら「翠星のガルガンティア」の監督をしていた人だった……、ああ、それじぁ仕方ないね。
 
 
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