感想:アニメ「正解するカド」第9話「ナノミスハイン」

正解するカド クリアファイル

正解するカド KADO: The Right Answer http://seikaisuru-kado.com/
放送 BSフジ。全12話+総集編1話。

【※以下ネタバレ】
 

第9話 ナノミスハイン

 

あらすじ

 真道はカドの中でヤハクィザシュニナに面会し、ワムやサンサによる社会の急速な変化をどう考えているのか尋ねる。しかしヤハクィザシュニナは回答せず、ワム・サンサに続く異方からの贈り物として「ナノミスハイン」なる物を提示する。それは重力や慣性を完全に自由にコントロールできるというもので、人類がナノミスハインを手にすれば、想像を絶する大発展をすることは明らかだった。

 真道はこれで世界は生産が消費をはるかに上回るバブル状態が到来すると予測するが、ヤハクィザシュニナはそれを穏やかに否定し、改めて真道に「異方」について説明し始める。異方とは「高次元空間」という曖昧な言葉で定義されていたが、具体的に人類宇宙より37次元上位にある世界であり、圧倒的な情報処理能力を持つがゆえに、常に情報が不足し、新しい情報を求めている。

 異方の住人は、その対策として、計画的に新しい宇宙を創造し、そこから情報を吸い上げることを行っていた。この人類が属する宇宙も異方が創造したものであり、ヤハクィザシュニナが人類に様々な物を提供したのは情報を増やすためだった。ナノミスハインとは単に重力・慣性を制御するための技術などではなく、この宇宙の根本的な物理法則である重力・時間その他を自由に調整できる技術だった。

 ヤハクィザシュニナは全てを打ち明けたうえで、真道に異方に行かないかと誘いをかける。しかし真道がためらったのを見るや否や、話をするのが早すぎたと言って3時間前に保存していた真道でやり直そうと、現・真道を消そうとする。

 一方、カドの外では品輪彼方がサンサの影響でさらに天才になってしまい、カドの壁の突破方法を思いついてしまう。徭沙羅花(つかい・さらか)は、カド内部の真道と連絡が付かないので心配していたが、壁の突破のためには3日は準備が必要だと知り、カドの壁を破って内部に突入する。ヤハクィザシュニナは飛び込んできた沙羅花をみて、この宇宙の管理人云々と呟く。


感想

 はい、当たり前のように上手い話には裏が有りました。まあ、最初からこの手の話は「上位存在は人類を騙しに来ている」と解っているので別に驚きはしませんでしたし、ここまでの話が薄すぎて今更「仰天展開」とか言われてもねぇという感じ。

 品輪彼方はサンサの影響で超天才にレベルアップしてしまいました。当然、世界中で彼方と同様にサンサの影響でおかしくなった人間が無数に出ているはずですが、そういう描写が全くないので話が薄っぺらいですよね。そんな人たちが出てきて世界が混乱している様子や、サンサ放送の全責任を負うべきセッテンの連中の焦りっぷりとか、そういうシーンを見せるべきじゃないんですか? 

 ワムもサンサも「これはすごい物です」とかぶち上げておいても、その後の「世界に与えた影響」を全く見せないので、人類の変革だなんだと言われても説得力がありません。このアニメは真道の目が届く範囲でしか話が展開しない、箱庭ストーリーで困ってしまいます。


 ヤハクィザシュニナが「フフフ、私の目的はこれだったのさ」とか告白し始めるあたりはそれなりに面白かったのですが、ラストでもうめちゃくちゃ唐突に徭沙羅花が正体を現して、スーパーヒロインみたいな服でカドに殴りこんでくる展開は、もう口あんぐりですよ。「とにかく驚かせればいい」ってもんじゃないだろ! 


 スタッフリストを見ると
 

【総監督】村田和也
シリーズディレクター渡辺正

 
と書いてあって、どっちに責任があるのかよく解りませんが、とにかくどっちかがこのクX展開オチを作らせたのかと思うと、むかむかしてきます。このアニメが「ファーストコンタクト系SF」とか説明していたやつ誰じゃい。騙されたとしか言いようが無いです。うーんん。
 
 
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