【映画】感想:映画「ブレードランナー ファイナル・カット」(1982/2007年:アメリカ)

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映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム 2017年6月27日(火)

【※以下ネタバレ】
 

2019年のロサンゼルスを舞台に、反乱を起こし逃亡した人造人間=レプリカントと、彼らを追う特別捜査班ブレードランナーとの戦いを描くSF映画の名作。原作はP・K・ディックの傑作SF小説。強烈な光と影に彩られた雨の降る未来都市、ユニークな美術デザインなど、その映像美、“人間とは何か”というテーマは今なお高い人気を誇る。製作25周年を記念し、リドリー・スコット監督が再編集した2007年公開版を放送。

 

あらすじ

 21世紀初頭。タイレル社は人間そっくりのロボット「レプリカント」の開発に成功した。そして最新型レプリカント「ネクサス6型」に至っては、知力・体力などすべての面において人間を上回っていた。

 レプリカントは宇宙開発などで奴隷労働に投入されていたが、製造後数年経つと感情が芽生え、その結果人類に反乱を起こした。そのため、タイレル社はレプリカントを寿命を4年に限定し、また地球にいるレプリカントは死刑と決まった。しかし地球に潜入しようとするレプリカントは後を絶たず、専門の捜査チーム「ブレードランナー」がレプリカントの処分に投入されていた。


 2019年11月。ロスアンゼルス。退職したブレードランナーデッカードは、元上司の命令で強引に現役に復帰させられ、宇宙から地球に潜入した四人のレプリカントの処分を命じられる。捜査のためタイレル社に向かったデッカードは、社長のタイレル博士の秘書レイチェルがレプリカントだと気が付く。レイチェルは自分が人間だと思っていたため、この事実に動揺する。タイレルレプリカントに人間らしさを与える実験として、自分の姪の記憶をレイチェルに移植していたのだった。

 デッカードは地道な捜査で次々と逃亡レプリカントたちを処分していった。一方、逃亡レプリカントのリーダー格のロイは、恋人が短命で死んでしまうだろうことに耐えられず、タイレル博士の元に乗り込み、レプリカントの寿命を延ばす方法を尋ねる。しかし、タイレルは延命は技術的に不可能だと説明し、絶望したロイはタイレルを殺して逃亡した。

 デッカードは逃亡レプリカント最後の一人となったロイと対決するが、一方的に追い詰められる。しかしロイは突然デッカードの命を救い、そのあと寿命が来たと言って死ぬ。

 最後、デッカードは愛し合うようになったレイチェルを連れて逃げ出す。


感想

 評価は○。

 SF映画史上に残る伝説の映画に、監督が満足いくまで手を入れたらしい最終版。「レプリカント」という用語や、四六時中雨が降り続ける陰鬱な未来都市描写など、少でもSFを知っている人間なら必ず名前と概要は知っている級の作品です。しかし、そんな有名作品ですが、何故か今まで(劇場公開からテレビ放送まで含めて)目にする機会に恵まれず、公開35年目にしてようやく視聴することとなりました。


 さすがに伝説になるだけあり、絵は綺麗の一言に尽きました。冒頭の遠くから見たロスアンゼルスの夜景から始まり、立ち並ぶビル群のの明かり、雑踏の光景、ラストバトルの舞台となる荒廃したビルの中のシーン、など、どこを切り取ってもそのまま一枚絵に使えそうな場面ばかりで、とにかく美しかった。

 ただ、その代わり、ストーリーの方はいささか失望させられました。話の内容はほぼ「デッカードレプリカントを追い回して退治しました」という一行で説明できてしまうくらいだったから……、途中から「もしかしてこの映画は雰囲気だけで進めていくタイプなのか?」と予感したのですが、結局その通りでした。うーむ。まあ、話より絵の方を評価すべき映画なのでしょう。


 ところで、予想では、ラストは「デッカードは、自分自身もまた(レイチェル同様に)自分を人間だと信じ込んでいるレプリカントだと気が付き、仲間のレイチェルと共にどこかに旅立つ」というオチだと思っていたのですが、微妙(?)に違っていましたね。劇中でデッカードの過去など個人についての情報が一切描写されないこと、デッカードが唐突に夢の中で思わせぶりなユニコーンの姿を見ること、等から、絶対これが真相だと思っていたのですけどねぇ。


 あとは、ハリソン・フォードが物凄く若いので目を見張りました。まあ撮影当時はまだ39歳だったらしいから当然ですけど。
  

ブレードランナー ファイナル・カット
BSプレミアム 6月27日(火)午後1時00分~2時59分


【製作総指揮】
ブライアン・ケリー
【製作総指揮・脚本】
ハンプトン・ファンチャー
【製作】
マイケル・ディーリー
【監督】
リドリー・スコット
【原作】
フィリップ・K・ディック
【脚本】
デビッド・ウェッブ・ピープルズ
【撮影】
ジョーダン・クローネンウェス
【音楽】
ヴァンゲリス
【出演】
ハリソン・フォードルトガー・ハウアーショーン・ヤングエドワード・ジェームズ・オルモスダリル・ハンナ ほか


製作国:
アメリカ
製作年:
2007(オリジナル1982年)
原題:
BLADE RUNNER
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ