感想：アニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第１３話（最終回）「涙を重ねる度、証明される現実は」

TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」公式サイト　http://www.symphogear-axz.com/
放送　BS11。全13話。

【※以下ネタバレ】
　

第１３話（最終回）　『EPISODE 13　涙を重ねる度、証明される現実は』　(2017年9月30日(土)深夜放送)

あらすじ

　アダムは目の前で、響に神の力の宿った手を破壊され、激怒して自分の真の姿である悪魔的な姿をさらす。しかしシンフォギア装者六人の力の前に敗れ去った。

　戦いの後、響の17歳の誕生パーティが開かれる。一方エルフナインは、人間は「原罪」を背負い神の力を得ることはできないはずなのに、響が神の力と融合した理由を調べていた。そして以前（第二期「G」）で響かビーム的な物を浴びたことが有り、その力で原罪が浄化されたと推測する。そして響と一緒に未来もビーム的な物を浴びていた。（つづく）

感想

　はいはい、悪のボスが真の姿をさらすものの主人公たちの総攻撃で敗北。そのあと、未来が第五期の敵であることを暗示して一旦〆。バトルに感心もしなければ、オチの付け方もアレで、シンフォギアも劣化してきたなぁという印象しかしなかったな。

総括

　評価は△（もっと頑張りましょう）。

　美少女が歌いながら敵と戦う（歌うこと自体が戦闘の要素）という、美少女バトル物の新境地を開拓したシンフォギアの第四期。しかし、明らかにネタ切れというかを引き起こしており、シリーズ最低の評価となりました……、ダメじゃん。

　第三期「GX」での錬金術師キャロルとの戦い、通称「魔法少女事変」から数週間後。響たちは国連軍の一員として、アルカ・ノイズを武器として使う南米の独裁国家に武力介入する。しかし、そこで響たちは、キャロルの背後にいた秘密結社「パヴァリア光明結社」の錬金術師たちと遭遇し……

　今期はとにかく話の中身が無くてうんざりでした。一応シンフォギア装者たちが強大な力を持つ敵と戦う、という基本ラインは満たしていましたが、それ以外の細部を埋める諸々がスカスカで話が薄すぎた。

　序盤は、マリアたちがリンカーという薬が無くてシンフォギアを装着できない、という視聴者的にはどうでも良い事で延々引っ張り、その間は敵側も何故かほぼ何もしなかったため、事実上話が全く進まないという事態が発生。このあたりで「今期はもしかしてまずいのではないか……」という密かな危機感が押し寄せてきました。

　中盤は神の力を手に入れる云々という本筋にようやく踏み込みますが、シンフォギアが敵の武器の前に通用しない→パワーアップ、という盛り上がるべき展開も、前期GXとは違って全く面白みに欠け拍子抜けも甚だしく。

　終盤は、敵側の内部分裂が発生するものの、最初からアダム局長とサンジェルマンたち三人が仲が悪かったので驚くべき展開でもなかったし、カリオストロやブレラーディが退場するものの、それまでに全くキャラが立っていなかったため、「あれ、何もしないままもう死んでしまうの？」程度の感想しか無し。

　クライマックスは、やはりあまりキャラの立っていなかったアダム局長をラスボスに設定して、六人でぶん殴るものの、今までのタメが無いので別にカタルシスも無し。

　うーんんんんん、最初から最後までダメだったなぁ。あと、三期「GX」だとゲストの響の父親が話に大きくかかわったのですが、今期のゲストでクリスが足を吹き飛ばしたステファン少年が重要な立ち位置を占めるのかと思いきや、「ただいただけだった」という時間稼ぎ以上の意味の無いキャラで愕然としたし。

　第二期「G」も評価はイマイチで、「倒すべき敵にも向こうなりの事情と悲壮な決意がある」という薄暗い展開があまりノレなかったのですが、今期はそういうネガティブ要素がほぼ何も無いのに全く面白くなかった。

　既に第五期が予定されているとのことですが、今期の出来を見る限り、あんまり期待できんなぁ。

　ということで「AXZ」は、シンフォギアの没落の始まりとのちに語られそうなクールでした……
　
　

戦姫絶唱シンフォギア AXZ

制作会社
サテライト

スタッフ情報
【原作】上松範康、金子彰史
【キャラクター原案】吉井ダン
【監督】小野勝巳
【シリーズ構成】金子彰史
【音楽プロデューサー】上松範康
【音楽】Elements Garden
【キャラクターデザイン・総作画監督】藤本さとる
【アクションディレクター・ノイズデザイン】光田史亮
【アクションディレクター】式地幸喜、杉江敏治
【メインアニメーター】大久保義之、坂本俊太、ハニュー

音楽
【OP】水樹奈々「TESTAMENT」
【ED】高垣彩陽「Futurism」

キャスト
立花響：悠木碧
風鳴翼：水樹奈々
雪音クリス：高垣彩陽
マリア・カデンツァヴナ・イヴ：日笠陽子
月読調：南條愛乃
暁切歌：茅野愛衣
小日向未来：井口裕香
エルフナイン：久野美咲
風鳴弦十郎：石川英郎
緒川慎次：保志総一朗
藤尭朔也：赤羽根健治
友里あおい：瀬戸麻沙美
サンジェルマン：寿美菜子
カリオストロ：蒼井翔太
プレラーティ：日高里菜