【ウォーゲーム】感想:ゲーム雑誌「ゲームジャーナル No.7 特集:中央軍集団東へ」(2003年6月1日発売)

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【※以下ネタバレ】
 
 

公式サイト

www.gamejournal.net
 
 

付録ゲーム

http://www.gamejournal.net/item_list/gj_007/index.html
中央軍集団東へ Storm in the East


バルバロッサ作戦における国境~スモレンスクまでの中央軍集団の進撃をチットシステムで描く。
斬新なコマンドコントロールルールと画期的なドクトリンシステムを採用した、今年最大の野心作。

 
 

本誌

●特集「中央軍集団東へ」
 ・ワイドグラビア
 ・Replay &Guide:中央軍集団東へ/白岩資史&田島準
 ・1941 年夏:バルバロッサ作戦ドイツ中央軍集団ゲームレビュー/野上 靖
 ・中央軍集団の戦い:1941年6月22日~8月3日/佐藤俊之
 ・赤軍縦深戦略の研究/佐藤俊之
 ・1941年のモスクワ陥落とソ連邦の降伏について/柿崎唯
 ・リプレイコミック松田大秀
 ・ウォーゲームデザイン序論/ふ~ら~中村

<コメント>
 評価:△。創刊1号以来のバルバロッサ特集ですが、前回と違いを出そうとしたのか、ヒストリカルノートとかやたら細かいデータが多くて、読み物としてあんまり楽しめず、ちょっと残念な出来。

 しかし柿崎唯氏の「1941年にモスクワを占領されたらソ連は降伏したか」という考察は面白かった。スターリンは絶対降伏しなかっただろうし、兵士も戦意満々だった。ただしスターリンが失脚して後継者がドイツと手打ちをする可能性が無くもない……、ということで、結局どうなったかは想像にお任せというところでしたが、色々な視点は興味深かったです。

 ウォーゲームデザイン序論は、付録ゲームにあわせて作戦級ゲームのコマンドコントロールについての考察。AHスターリングラード、AHロシアンキャンペーン、AHパンツァーアーミーアフリカ、AHパンツァーグルッぺグデーリアンTSR・SPIオンスロート、翔企画SSロンメル、同人GJフランス電撃戦、等を比較しつつコマンドコントロールの進化を分析。これも割とよかったです。



●検証・イラク戦争2003 フセイン最期の賭け/園次郎

 2003年3月~4月に発生したイラク戦争の分析。

<コメント>
 評価:○。戦闘の推移と、何故イラク軍はバクダッド市街戦に持ち込まず、平地で決戦を挑んで大敗北してしまったのかについての分析記事で、すんごくよかったです。ちなみにイラク軍が勝負に出たのは、フセインが「一発大逆転でアメリカ軍を壊滅させる」という誘惑に勝てず、正面から勝負を挑んだものの、アメリカ軍の実力はイラク軍をはるかに超えていたから、という事だった模様です。へーえ。



●[連載]誌上ビッグ対談 天津老師vs浅野竜二

 ゲストはゲームデザイナー天津老師氏。中学教師で生徒にゲームをレクチャーして一日ディプロマシーをプレイしていたこと、生徒用に作ったゲームをシミュレイターの編集者にプレゼントしたらSSシリーズとして市販されることになってビックリ、前号でデザインした三国志ゲームについて、など。

<コメント>
 SSシリーズで一番簡単なゲームとして知られる「五虎三国志」誕生秘話とか面白かったですね。



●[連載]封印された第一次大戦別宮暖朗

 第3回「タンネンベルク会戦 独断専行による勝利」。1914年8月東部戦線タンネンベルクの戦いについて。

<コメント>
 これも面白かった。フランソワ将軍の勝手すぎる行動がすごい(笑) また何かと評判の悪いルーデンドルフですが、この戦いを見る限り切れる野戦指揮官にしか見えません。

 なおおまけ的に2.26事件について触れており、旧軍はフランソワの戦いぶりを「独断専行」(上からの命令が無くても、兵士がいまなら行けると考えたら勝手に行動しても許される)と前向きにとらえたそうです。そのため2.26事件で決起した兵士たちは「自分たちの行動は独断専行だから許される」と平気で考えていた模様。おおう……



●[連載]フリードリヒ大王と「啓蒙時代」の戦争 七年戦争1756-63(二木"Markgraf v.Sapporo"太郎)
AH: Frederick the Great Board Game, 2nd Edition

 第7回。1757年12月~1758年8月。
 1758年8月25日 ツォルンドルフの戦い(○プロイセン-×ロシア)

<コメント>
 また華麗さの欠片もない正面からの殴り合いでした。



●[連載]ウォーゲームメーカーの興亡 20世紀商業ウォーゲーム小史(佐藤俊之)

 第7回。ウォーゲームメーカーは1990~91年の湾岸戦争をネタにゲームを発売。またアヴァロンヒルは、これをきっかけに新規ユーザーが入ってくるとみて初心者向けゲームを発売したが質がイマイチな物ばかりで評価を得られず。ヴィクトリーゲームス、GDW、3W、ウエストエンド、等が消滅。日本でも業界は衰退。しかし代わりにアヴァランチ・プレス、モーメンツインヒストリー、GRD、等が参入した。

<コメント>
 いよいよ寒い時代へと入ってきて気が滅入る話ばかりでした。



●[連載]世界バカゲーム悲報(竹中清貴)

 対象ゲームは「Super Giant Monster Showdown/Cybergecko/ (1999)」。怪獣と自衛隊の戦いをテーマにしたカードゲーム。怪獣に様々な能力を付与し、カードでマップ的なものを作り、互いに戦わせる。

<コメント>
 地形・建物カードに「東京タワー」が有るので明らかに日本が舞台ですが、建物のなかに「エンペラーズ・パレス」まであるという(笑) こんな罰当たりなゲーム、さすがに日本人には作れませんよね(笑)



●次号の予告

 次号No.8(2003年9月1日発売予定)… 特集「信玄と謙信」。付録ゲーム「甲越軍記」「英仏百年戦争」。


総合感想

 評価:○(それなり)。特集記事が今一つパッとしませんでしたが、脇を支える記事がまずまず面白ったので、全体的にはまあまあな出来栄えでした。
 
 

他の号の内容・感想はこちらからどうぞ

perry-r.hatenablog.com