【ゲーム関係】感想:ゲーム関連本「ENSEMBLE 舞降る羽のアンサンブル ビジュアルファンブック」(ソフトバンククリエイティブ/2004年):ストーリー紹介の密度が素晴らしい


ENSEMBLE 舞降る羽のアンサンブル ビジュアルファンブック (RASPBERRY BOOKS)

http://www.amazon.co.jp/dp/4797327146
ENSEMBLE 舞降る羽のアンサンブル ビジュアルファンブック (RASPBERRY BOOKS) 大型本 アダルト, 2004/5/26 [アダルト]
ラズベリー編集部 (編集)
出版社: ソフトバンククリエイティブ (2004/5/26)
発売日: 2004/5/26

【※以下ネタバレ】
 

若葉のエンディング後の成長を語るオリジナルストーリー収録!録り下ろしシステムボイス37種!「桜子・若葉・淳・文緒・友希乃」オリジナル壁紙50種。

 
 

対象ゲーム一言紹介

ENSEMBLE~舞降る羽のアンサンブル~
http://www.dreamsoft.jp/ensemble/

 
 「ENSEMBLE 舞降る羽のアンサンブル」。F&C・FC03。AVG。2004年3月30日発売。PC用18禁ゲーム。原画:針玉ヒロキ。

 恋愛AVG。15年前、主人公・日吉楓は両親の離婚により妹の淳(すなお)と離ればなれになることが決まるが、二人は再会した時には結婚しようと誓いあう。そして現在。父親に引き取られた楓は、父の知人の寺田家に預けられ、寺田家の姉妹・桜子・若葉の二人と共に暮らしていた……


 F&C・FC03ブランドが総力を結集して作った的作品。この作品後、FC03ブランドは「ドリームソフト」とブランド名を変えたので、ある意味FC03最後の作品となった。

 全10話構成で、基本的には東京に住んでいる兄・楓の物語「東京編」がメインだが、その合間に北海道で暮らしている妹・淳の物語「北海道編」が描かれる。二つの物語は当初は別々に進行するが、楓の知人が北海道に引っ越して、それと知らず淳と出会ったり、逆に北海道の淳の友人が東京に出てきて楓と出会ったり、と、少しずつ両方のストーリーが交わっていく。そして意外な人間関係などが明かされていき、最終的に大団円を迎える、という展開。

 過去にFC03のスタッフが手掛けてきた「パレット」のヒロイン選択システムや、「ナチュラル」のやたらめったらエッチし放題システム、が採用されており、また世界観も「ナチュラル2」と共通で、ナチュラル2のキャラが脇役で出てくるなど、本当に総決算的作品。

 スタッフが「絶対コンシューマーに移植できないゲームにしよう」と目指したからか、単に人気が無かったからか、となかくコンシューマー移植は無し。


(※ゲームは未プレイ:確か「クラナド」を先にプレイしようとか思っていたから、結局後回し後回しの末にプレイしないままとなり……)。


本の内容

・版権イラスト集
・ヒロイン毎のCG集
・ストーリー紹介
・攻略チャート
・スタッフインタビュー



感想

 評価は○(ストーリーの紹介が凄い)

 ひろもりさかな・素浪人・針玉ヒロキというスタッフによる三部作の三作目のムック。ゲームは、前作「ナチュラル2」が大ヒットしたのと比べると、ストーリーの方向性が青春ドラマ志向だったからか、他に理由が有ったのか、とにかくあまりウケたようなイメージがありません……


 ムックは方向性として、あまり絵の紹介にこだわっておらず、一応ヒロインたちのCGを全差分漏らさず収録、というのがウリになっていますが、数が多い分一つ一つのCGが小さい……、それにおしゃれさを追求した(?)のかページの余白がやたら多いので、「もっと絵を大きくしてほしかったよ」と不満が大きく、絵については全く堪能できたような気がしませんでした。


 しかしその代わりに凄いのがストーリー紹介。各話を小説形式でみっちりこってり紹介しており、さらに各エピソードの重要キーワードも抜き出して解説を加えるなど、話の紹介にやたら力が入っています。この手のゲームムックにありがちな、「各ヒロインのエピソードがどんな展開でどんなオチになったのか、ぼやかしてあってさっぱり解らん!」という不満がゼロ。ここまで話を親切丁寧に紹介したムックは初めて読みました。こういった作り方こそが、「後世向けに記録として残す」事を意識した作りという物です。だから15年前の本でも面白い。

 しっかりした考えで作られたムックであり、読み応えのある内容でした。CGは小さいし、原画集とかも付いてないけど(笑)


余談

・針玉ヒロキ氏は、この作品を最後にゲームの仕事からは離れてしまいました…… 

・FC03ブランドは元々F&Cの子会社ドリームソフトの別名的な物であり、この作品を最後にブランド名を「ドリームソフト」に変更しました。そのあと2006年にドリームソフトのスタッフは完全独立して「スカイフィッシュ」という会社を興し、現在に至ります。2018年には、なんと外注で「きゃんきゃんバニープルミエール3」を作ってたりしてました。
 
 

2019年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
Ensemble 舞い降る羽のアンサンブル 初回版