THINKING RABBIT official site
https://thinkingrabbit.jp/
「シンキングラビット」と聞いて、胸に何かトキメキを感じる人は、80年代にゲーマだった人でしょうか。
歴史的にはパズルゲーム「倉庫番」を作ったメーカーということになりましょうが、「道化師殺人事件」「カサブランカに愛を」「ザ・マン・アイ・ラブ」といった古典アドベンチャーゲームを作った会社、ということで覚えている人も多いのでは?
ということで、私にとってはシンキングラビットは「青春の思い出」的存在だったのですが、先日ふと調べてみたら、なんと2020年にも存在していました!!
まあゲーム開発会社ではなく、ファルコン株式会社のブランドとしての存在の様ですが、とにかく生きていて、2018年には「倉庫番スマート」というゲームを発売しているくらいですから
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現役も現役です。ちなみにファルコンはシンキングラビットを立ち上げた今林宏行氏の会社みたいですね。
●21世紀にテキスト入力AVG
ちなみに、シンキングラビットのサイトには、アドベンチャーゲームのコーナーもあって、なんとお試しで「おじいちゃんの機械」という「テキスト入力式アドベンチャーゲーム」(!)がプレイできます。
おじいちゃんの機械
https://avg.thinkingrabbit.jp/grandpa/
この「おじいちゃんの機械」は、昔ながらのテキスト入力式アドベンチャーゲームです。プレイヤーは画面を見ながら、どのような事をしたいのか「名詞」と「動詞」を日本語入力してください。
「名詞」と「動詞」は区切らずに入力することができますが、全角のスペースもしくは「、」「。」「/」「_」で区切って入力することもできます。
今林氏はテキスト入力式には凄く思い入れがあるみたいで、この21世紀にこんな事を書いていました。
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苦節20数余年。
まあ何が苦節かと突っ込まれても困るのですが、とにかく私が最後にコマンド入力方式のアドベンチャーゲームを作ってから、もうすでに20数年が経過してしまいました。
他のゲームが進化して行く中、それが時代と共に忘れられてしまったのは、キーボードの無いゲーム機の台頭がきっかけです。
そのため、アドベンチャーゲームはコマンドを選択するスタイルに移行して行くのですが、業界もインターフェースは簡単な方が良いと云う短絡的な考えが追い風となり、コマンド入力方式はやがて消えてしまいました。
そこで、私の苦節が始まる訳です。
もちろんインターフェースが簡単な方が良いのは当然なのですが、それには同じ仕事をするのならば、という前提があっての話です。
つまり私が口を酸っぱくして、梅干しを食べ・・・失礼、主張していたのは、入力方式と選択方式では、面白さがまったく違う別のゲームであると云う事なのです。
ゲームの魅力であるインタラクティブ性は、能動的であればあるほど効果が大きく、よりゲーム性が引き立ちます。つまり、ストーリーゲームとしてのアドベンチャーゲームは同時にチューリングテストであるから面白いのです。
自由に入力したコマンドに対してどのような返事が帰ってくるかが判らないからこそ意外性があり、そのゲームをデザインした作者のほくそ笑む顔がコンピュータの向こうに見え隠れするのです。
質問と答えの両方が決まっている質疑応答のどこにインタラクティブ性があると云うのでしょう。
例え、どんな面白い返答を用意しても、そのためのコマンド自体も作者が用意し、画面に表示してあるなんて、白けてしまうのは私だけでしょうか?
それを証明する機会を私は苦節20数年、じっと寝ながら待っていました。