【ゲーム】「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」クリア:ドラマティックアドベンチャーゲーム【ネタバレは無い感想なので読んでも安心】

パラノマサイト FILE23 本所七不思議 オリジナル・サウンドトラック
パラノマサイト FILE23 本所七不思議 オリジナル・サウンドトラック

パラノマサイト FILE 23 本所七不思議 公式サイト | SQUARE ENIX
https://www.jp.square-enix.com/paranormasight/

www.jp.square-enix.com
 

パラノマサイト FILE23 本所七不思議 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000060827.html

store-jp.nintendo.com

スクウェア・エニックスが贈る、本格謎解きホラーアドベンチャー
実在する怪談「本所七不思議」の伝説――


昭和後期の日本、墨田区を舞台にしたホラー・ミステリーアドベンチャーゲーム
呪いによって翻弄される個性的なキャラクター達、
それぞれの思惑が絡み合い展開する物語は、あなた自身の手で結末へと導かれる。

ジャンル ホラーミステリーADV
発売日 2023年3月9日(木)
希望小売価格 1,980円(税込) ※iOSAndroid版は1,900円(税込)

 
 スクエニが2023年3月にリリースしたホラー系AVG「パラノマサイト」を発売から一年後にクリアしました。

 ネット上では発売当初から話題沸騰的に取り上げられていてわりと気になっていた作品でしたので、同じように「ホントに評判通りそんな傑作なのか?」と気になっている方も多いかと思います。ということで、本気の感想は後日回しとして、軽くストーリーのネタバレは無しでゲーム感想を書いていきたいと思います。


 まず結論を言っておけば「超傑作とは言わないが、割と悪くないゲーム」でした。


イントロ

 昭和末期(明示されませんが1980年頃)。真夜中、会社員「興家彰吾」(おきいえ・しょうご)は、オカルト好きの知人「福永葉子」(ふくなが・ようこ)に呼び出され、江戸時代から練馬区に伝わる怪談「本所七不思議」の調査に付き合わされていた。葉子によれば、本所七不思議には死んだ者を蘇らせる「蘇りの秘術」なるものの秘密が隠されているというのだ。半信半疑のまま葉子の話を聞いていた彰吾だったが、やがて恐ろしい事態に巻き込まれていくことに……


ゲームジャンル/システム等

 アドベンチャーゲーム。基本システムは、画面上にカーソルを当てて対象物を指定し、人の顔を指し示すと「話す」、それ以外の物が対象なら「調べる」、になるというタイプ。会話の際にさらに深く踏み込んでいく場合には、画面上に「○○について」「□□について」というように選択肢が複数表示され、それを選んで会話を広げるようになっている。

 セーブは完全自動。手動セーブも用意されているが基本的に必要なし。プレイしていくとストーリーのフローチャート的な物が作成される。ゲーム内に設定をまとめたデータベースが存在し、いつでも参照可能。データは新要素が登場するたびに自動的に最新の内容に更新されていく。


雑感

 プレイ時間:約12時間。

 きれいにまとまった好作品で、これはAVG好きなら一度プレイしたいゲーム。


 ジャンルは一応ホラーとなっていますが、グロ要素とかは無く「オカルト絡みのミステリー」という程度なので、恐怖ジャンルが苦手な人でも大丈夫な作品です。


 さて、このゲームはとにかくプレイが快適です。基本的に登場キャラと会話をしていればストーリーがほぼ自動で進行していくのでストレスがたまらないし、基本オートセーブですのでいつセーブするかや残りスロット数などを気にする必要もない。またフローチャートが自動的に作成されるので、もし話をさかのぼってやり直したいならこのフローで任意の個所を選択すれば良し。とどめでゲーム内設定のデータベースがあるので、登場キャラ名や独自設定などもいつでも確認可能で、「○○とは何の事だっけ?」とド忘れした場合でも何の心配もありません。とにかく「痒い所に手が届く」万全の仕様です。


 そしてAVGで一番大事なストーリーですが、これもなかなかにイケました。序盤こそ説明不足過ぎて何が起きているのかサッパリ理解できず、五里霧中という感じでプレイするしかないのですが、ある一点を超えると、一気に視界が広がって物語の全体像が見渡せるようになり、話がググっと面白くなります。そこからが本番。以後は「本所七不思議」にまつわるミステリーを堪能できるようになっていきました。

 公式サイトに書いてある通り「群像劇」で、複数のキャラクターのエピソードが絡み合いながら話が進んでいきますが、とにかくテンポが良いので、ゲームというより「ゲーム機で長編ドラマを視聴している」ような感覚に陥りました。ただし、何も考えずに進めればよい、というわけでもなく、ここぞという要所要所で文字入力が必要で、ちゃんと考える必要があります。この辺りは昔のファミコン推理AVGをほうふつとさせましたね。

 お話の方向性は、最初は「複数の男女が禁断の『蘇りの秘術』を手に入れるため、血みどろで三つ巴四つ巴で殺し合う凄惨なノリの話だろう……」とか予想していたのですが、ストーリーを進めていくと、予想とはまるで違う方向に話が進んでいくのであっけにとられました。どういう話へと進んでいくはプレイしてのお楽しみです。

 プレイ時間は下手に迷わなければ10時間くらい。私は、とある箇所でフラグか立てられず一時間くらいさまよって時間を無駄にしてしまったのですが…… いや~、あれはあるとわかって調べないと解らないですよ、絶対。

 終わってみての感想は、「傑作とは言わないが、悪くはないです」というレベルでした。話はみっちり詰まっていますし、実在する七不思議をネタにうまく膨らませてオカルトものに仕立てており、なかなかに楽しめましたね。

 まあ、惜しむらくは、この設定とストーリーならば、もっと話を膨らませて超大作に出来たのでは、と思わせるところですね。でもまあ、プレイして十分満足できました。これで1980円とは安すぎ! まずまずの好ゲームでした。