【映画】感想:映画「ブラジルから来た少年」(1978年:イギリス/アメリカ)

ブラジルから来た少年 [DVD]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム 2018年8月17日(金)

【※以下ネタバレ】
 

南米パラグアイナチス残党のメンゲレ博士は同志を集め、2年半で94人の男を殺害する奇妙な計画を企てる。有名なナチ・ハンターのリーベルマンは、次々と起こる殺人がメンゲレの仕業だと知り調査をはじめるが、被害者の遺族を訪ねるうち、ある共通点に気づく…。「ローズマリーの赤ちゃん」のベストセラー作家I・レヴィンの小説を映画化したサスペンス・スリラー。メンゲレ博士を圧倒的存在感で熱演するのは名優G・ペック。

 

あらすじ

 南米パラグアイに潜伏しているナチス残党の一人メンゲレ博士(グレゴリー・ペック)は、残党による組織「同志会」のメンバーに対し、今後2年半の間に世界各地で65歳の男94人を殺すように指示する。

 過去多くのナチス戦犯を捕らえてきた「ナチ・ハンター」のリーベルマン(ローレンス・オリビエ)は、偶然からこの計画の存在を知り、調査に乗り出す。そして犠牲者と思しき人々の遺族を訪ねるうち、彼らの息子が揃って色白・黒い髪・青い目の、そっくりの容姿をしていることに気が付く。

 リーベルマンは、過去に捕らえたナチス戦犯の一人から、14年前にブラジルから送られて来た赤子たちを養子として斡旋していた事を突き止める。また科学者を訪ね、ある生物の細胞からオリジナルそっくりのコピー「クローン」を作り出す技術の存在を教えられる。リーヘルマンは、そっくりの子供たちはアドルフ・ヒトラーの複製であることを悟る。

 クローンは生物学的にはオリジナルと同一だが、育った環境が異なればオリジナルと同じ存在にはならない。メンゲレはヒトラーとそっくり同じ家庭環境になるような夫婦を見つけ出して養子に出し、オリジナルのヒトラー同様に14歳の時に父親を失わせようとしていた。

 同志会はリーベルマンに計画が漏れたため、計画を中止することを決める。しかしメンゲレはそれに反発し、姿をくらますと、次の殺害対象のアメリカ人男性の元を訪れ射殺する。そこにリーベルマンが現れ、両者は争って共に大怪我をし、にらみ合い状態となる。

 メンゲレは、かつてヒトラーは息子を作っても自分を超えることは出来ないと考えていたため、メンゲレのクローン作製計画を支持し、自分の血と細胞を提供したことを語りだす。そこに息子のボビー(=ヒトラーのクローン)が帰宅してきた。メンゲレはボビーが将来偉大な事をなす人物だと持ち上げるが、ボビーはメンゲレが父親を殺したことを知り、飼い犬たちにかみ殺させる。

 リーベルマンは病院に収容され。仲間からメンゲレが持っていたヒトラーのクローンのリストを渡すように迫られるが、リーベルマンは子供に罪はないと言ってリストを焼き捨てる。最後は、ボビーが自分で撮影したメンゲレの死体の写真を現像して、目を輝かせているシーンで〆。

感想

 評価は○。
 
 タイトルは超有名な映画。メンゲレ博士(実在の人物)が謎めいた命令を下し、ナチ・ハンターのリーベルマンが単身それを調査する、というサスペンス物。

 謎が謎のままの頃は結構面白いのだが、「クローンたちをヒトラーと同じ家庭環境にするためにいちいち親を殺して回っている」と謎がばれた時点でかなりガッカリきた。ヒトラーのクローン云々はともかく、「それだけのために人を殺して回るの?」という残念感が否めず、暗殺チームの一人が、「こんな仕事をやっていられるか」と愚痴をこぼすシーンがあったが全くもって同感だった。

 しかもメンゲレ渾身の大計画の割に、同志会の他のメンバーは全くやる気が無く、あっさりと作戦を中断してしまい、メンゲレが一人で仕事を続けなければならなくなるなど、終盤になって盛り上がるどころか話のスケールが縮小してしまい、盛り上がらないことおびただしかった。

 ラストはボビー(ヒトラーのクローン)が死体の写真をみて目を輝かせている場面で締めるので、「将来この子がヒトラーの再来になるのかも……?」とか観客に思わせたかったのだろうが、別にそう怖さを感じるオチでも無かった。

 という事で、今となっては知名度インパクトのある内容とは思えなかった。しかしまあ、グレゴリー・ペックの存在感は在りましたね。さすが大物俳優。
 
 

ブラジルから来た少年
BSプレミアム8月17日(金)午後1時00分~3時06分


【製作】
マーティン・リチャーズ、スタンリー・オトゥール
【監督】
フランクリン・J・シャフナー
【原作】
アイラ・レヴィン
【脚本】
ヘイウッド・グールド
【撮影】
アンリ・ドカエ
【音楽】
ジェリー・ゴールドスミス
【出演】
グレゴリー・ペック、ローレンス・オリビエ、ジェームズ・メイスン ほか


製作国:
イギリス/アメリ
製作年:
1978
原題:
THE BOYS FROM BRAZIL
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

2018年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

2018年視聴映画あらすじ・感想一覧

perry-r.hatenablog.com
 
ブラジルから来た少年 製作40周年特別版 Blu-ray
ブラジルから来た少年 (ハヤカワ文庫 NV 286)
 
 
 
 

【コミック】感想:WEBコミック「キン肉マン」第256話「黒のゼブラの実力!!の巻」

キン肉マン 63 (ジャンプコミックス)

週刊プレイボーイ http://wpb.shueisha.co.jp/comic_novel/

【※以下ネタバレ】
 

第256話 黒のゼブラの実力!!の巻 (2018年8月20日(月)更新)

 

あらすじ

激戦が続くオメガ・ケンタウリの六鎗客vs運命の四王子連合の大決戦。"試し"とはいえ、キン肉族三大奥義のひとつ、マッスル・インフェルノを破ったマリキータマンの実力を認めるゼブラ。しかし、マリキータマンは「白」と「黒」...ふたつの顔を持つゼブラが、明らかに「黒のゼブラ」を出さないようにセーブしながら戦っている様子を感じとると、ロールシャッハ・ドットで無理やりゼブラの深層心理を見抜きにかかる。そして、マリキータマンの胸に浮かび上がってきた、ゼブラの深層心理の象徴はシマ馬だった――!!

 
 「キン肉マン ゼブラ VS マリキータマン」戦。

 マリキータマンはロールシャッハドットでゼブラの深層心理にシマウマのキッドが潜んでいることを突き止める。しかしゼブラはそれを指摘されても、別に黒ゼブラを封印している訳ではなく、必要が無いから変わらないだけだと言い放つ。しかしゼブラの全ての力を見たいマリキータマンは強引にゼブラを黒ゼブラに変身させる。ゼブラはそれまでとは一変して残虐モードになり、「真マッスル・インフェルノ」でマリキータマンを壁にたたきつける。しかしマリキータマンはまだKOされてはいなかった。

攻防

ゼブラ:片足蹴り

マリキータマン:蹴りを掴んでから、コキネリツイスター(立ち関節技)→「ロールシャッハインフリューエンス」でゼブラを黒に染める

ゼブラ:コキネリツイスターを振りほどく→「真・マッスル・インフェルノ


※真・マッスル・インフェルノ=叩きつけ技。リング中央の相手に対し、トップローブ上をジャンプしながら周囲を回って幻惑→ドロップキックで空中に突き上げる→うつ伏せの態勢の相手の背中に飛び乗ってサーフィンのような姿勢になる→左手で相手の両足を束ねてデスロックに固め、右足を相手の右腕に絡め、左足で相手の腰を押さえつけるようにして固める→そのまま相手の脳天を壁に叩きつける


感想

 マッスル・インフェルノは「仕掛けられても、背中に乗った相手を跳ね上げるだけで簡単に逃げられる」という事がばれているため『ゼブラが披露したあの形は未完成形なのでは?』疑惑が付きまとっていたのですが、「真」になったことでようやく「三大奥義」らしい物になりましたね。しかし、王位争奪編から30年かかってようやく完成か……(遠い目)


[参考]対戦カード/結果

ルーマニア:ブラン城
 ○マリポーサ(アステカセメタリー)ヘイルマン×


中国:紫禁城
 ○ビッグボディ(メイプルリーフクラッチ)ギヤマスター×


イタリア:デルモンテ
 ゼブラ VS マリキータマン


ソ連:スワローズ・ネスト
 キン肉マン VS パイレートマン


日本:安土城
 スーパー・フェニックス VS オメガマンアリステラ

 
 

※本章(209話~)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 
スーパー・フェニックス
S.H.フィギュアーツ キン肉マン スーパー・フェニックス 約150mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
ゼブラ
CCP マスキュラー コレクション vol.18 キン肉マン ゼブラ(特別カラーver.)
マリポーサ
浪漫堂 キン肉マン 王位争奪戦 キン肉マン マリポーサ&ロビンマスク
ビッグボディ
CCP Muscular Collection vol.016 キン肉マン ビッグボディ(特別カラーver.)
 
 

※前章「完璧超人始祖編」(1話~208話)のあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 

【オカルト】まーた週刊現代が大災害を予言している(笑)【ムーかよ】

週刊現代 2018年9月1日号 [雑誌]

https://gendai.ismedia.jp/list/books/wgendai/4910206410984%E3%80%80
週刊現代 2018年9月1日号
お盆明け特大号 国も認めた危険度82% 横浜にまもなく大地震 そのとき何が

 
 まーた週刊現代が大災害を予言しております(笑) 過去にも富士山が噴火するとかなんとか大予言をぶちかましてことごとく外してきた前科(?)がありますが、懲りないですね(笑)
 
 もはや週刊現代のこれ系の記事はオカルト雑誌の老舗ムーと同レベルです。ちなみに最近のムーの記事はこんな感じとなっております。

緊急警告!! 仮想通貨の「ヨハネ黙示録」大陰謀 | ムー PLUS
http://gakkenmu.jp/column/16622/

仮想通貨を操る闇の集団が存在する
何らかの思おも惑わくで動く少数の集団がコントロールしていると想定するのが常識である。だとすれば、だれが何を最終目的とし、そうした行動をとっているのだろうか。
その答えはなんと――「ヨハネの黙示録」に記されていたのである!

gakkenmu.jp
  
 うん大体ノリは一緒ですな。ということは週刊現代の読者もムー読者(通称ムー民)が「フリーメーソンの陰謀」とか「メキシコでチュパカブラが目撃された」とかの記事を半笑いしながら読むように、この手の大災害の大予言は「また週刊現代編集部がネタが無いのでバカを書いてやがる(鼻ほじー)」とかのスタンスで読んでいるのでしょうか。
 
 
ムー 2018年 09 月号 [雑誌]
 
 

【オカルト】感想:NHK番組「異界百名山~体験者が語る不思議な話~」

山怪 山人が語る不思議な話

異界百名山~体験者が語る不思議な話~ NHK http://www4.nhk.or.jp/P5024/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 
 

内容

8月15日水曜
NHKBSプレミアム 午後9時00分~ 午後10時30分


山で起こった、まか不思議で心揺さぶるエピソードの数々を、実際に体験した人々が語るドキュメンタリー。山と関わる人々が「異界」と接したという、全国7つの山を巡る。


聞こえてくるはずのない奇妙な音に翻弄された人。慣れた道にも関わらず、いつまでたっても目的地に着かない現象。絶望的な状況下で、未知の光に命を救われた人。山で起こった、まか不思議で心揺さぶるエピソードの数々を、実際に体験した人々が語るドキュメンタリー。日本人にとって、山は古くから「異界」、すなわち目には見えない何かがあると言われる場所。山と関わってきた人々が「異界」と接したという、全国7つの山を巡る。


【出演】草刈民代,石川直樹,上橋菜穂子,釈徹宗

 
 かつて日本人は西洋的な山を楽しむという感覚はなく、異界の入り口といった感覚だった。山で起きた不思議な出来事を体験者から語ってもらって、それについてゲストが色々と感想を話し合う番組。ナレーションは池田昌子


1.白山「姿のない来訪者」

 山中で風雨に見舞われ避難小屋へ入ると、やがて錫杖の音が聞こえてきた。その相手は屋根に飛び乗って飛び跳ね始める。やがてドアが開くが誰もいなかった。


2.大峯山まぼろしの道」
 修験者が山で修行してると、歩きなれた道の筈なのにいつまでたっても目的地につかない。やがて周囲はセピア色に。そのうちその状態が解除されてちゃんと目的地に着いた。


3.鉢巻山「足音の正体」
 山の中腹にある温泉宿で、誰もいない筈の部屋で子供が駆け回っている足音がする。開けてみると一瞬子供が見えた。座敷童に違いない。しかし周囲が開発されて足音は聞こえなくなった。


4.鷹匠山「奇跡のひかり」
 息子を連れて山道を歩いていたが、暗くなってしまい、息子が崖から転落してしまう。ところが探しにいくと明るい光が見えて、それを頼りに息子を見つけることが出来た。本人は灯りなどつけていないという。蛍の光が偶然息子を助ける手掛かりになった。亡くなった祖父の霊が蛍になって助けてくれたのかもしれない。


5.森吉山「キツネの恩返し?」
 正月に神様に上げるお神酒をキツネが飲んで酔っ払ってダウンしていた。そのうちいなくなってしまったが、後から昔ばなしみたいに恩返ししてくれるかも。


6.谷川岳「死者からの信号」
 夜、山小屋の外で二人が話し合っている声が聞こえた。外を見ると誰もいない。亡くなった人たちが自分たちが死んでいることに気が付かず山のぼりを続けているのかも。またリュックだけが残って人の姿が見えない。周囲は霧で視界が全く効かない。ところが一瞬きれいに晴れ、下に遺体が有るのが見えた。そのあとすぐに霧が立ち込めた。死者は自分を見つけてほしいと信号を出しているのかも。


7.御岳山「身近な異界」
 東京から近い御岳山だが、夜中に光の玉「カネダマ」が目撃された。

感想

 オカルト/心霊系の番組ではなく、「日本人にとって古来から山は信仰の対象だった」とかそっち系のニュアンスの番組のため、別に怖くも無いし、あんまり面白くも無し。でもまあナレーションの池田昌子さんの語りが良いのでなんとなく見てしまいました。
 
 

●紹介する山とお話


白山「姿のない来訪者」
山中で風雨に見舞われ避難小屋へ
すると・・・聞こえてくるはずのない奇妙な音が。


大峯山まぼろしの道」
通い慣れた登山道のはずなのに・・・
いつまで経っても目的地につかない不可思議な現象。

鉢巻山「足音の正体」
山の中腹にひっそりとたたずむ温泉宿で聞こえた、
まか不思議な足音の正体とは。


鷹匠山「奇跡のひかり」
予想外の滑落事故。
絶望的な状況下で命を救ってくれた“未知の光”。


森吉山「きつねの恩返し?」
人里に下りてきたキツネと、
山で暮らす人との心温まる物語。


谷川岳「死者からの信号」
遭難救助の最前線で聞こえる“死者の声”。


御岳山「身近な異界」
都会のすぐそばにある山にも
異界の扉は開いている。




●制作者コラム
クリエイティブネクサス プロデューサー 佐藤知樹
□異界百名山との出会い

緑の稜線から湧き上がる白い雲が、真っ青な空に映える日本の夏山。
でもそんな爽やかな風景は、山のほんの一部の表情でしかないんです!


「にっぽん百名山」などの取材で、山に滞在することが多い私は、登った先の山小屋やガイドさんたちから、山で不思議な経験をしたという体験談を何度となく聞いて来ました。夜中に稜線上を飛び交うカラフルな光の玉を見たという話や森のある場所に行くと必ず綺麗な服を着た女の子が歩いてくる、など、かなりオカルトチックな話も多かったのですが、山の上という非日常のシチュエーションと語り手の真剣な顔を見ていると、まんざら嘘でも無さそうだと、なぜか納得してしまう自分がいました。


そんなある日、今回の番組のディレクターが「面白い本があるんですよ!」と嬉々として見せてくれたのが“山怪~山人が語る不思議な話”という山と渓谷社から出版されている本でした。著者の田中康弘さんはマタギの暮らしなどを撮影している写真家で、日本各地の山で聞いた不思議な体験を地道な取材によってまとめたルポルタージュでした。まさに自分がこれまで山で聞いて来たような不思議な話が、鬼気迫るリアリティと共に、かなりのボリュームでまとめられていたのです。この本で紹介されている不思議体験者の中には、昔からの知り合いもいて、本で紹介された話をベースに映像化したら相当面白いドキュメンタリー番組が出来るのではないかとディレクターとうなずき合ったのでした。


さっそく、著者の田中さんや出版社の方に連絡し映像化について相談したところ快諾を頂き、本には登場しない新たな取材先も加えつつ番組制作が始まりました。どうせなら、体験者の人物像や山での暮らしぶりなども深掘りしつつ、不思議体験を安易な再現映像にはせずに、山の風景のイメージ描写とインタビューのみで表現しようと考えました。撮影には情景描写に優れる一眼レフカメラを多用。結果、山の“異界感”の表現に成功したと思います。


日本の山は、太古の昔から、この世とあの世をつなぐ異界の入口だったというテーマのもと、日本人の死生感や自然との付き合い方、また、神話や物語の生まれる原点などについてスタジオトークも盛り上がりました。私たち日本人は、山にひかれ、山を仰ぎ見て、ご来光に手を合わせます。現代人が無意識のうちに求めている「異界の物語」の魅力とは何なのか?
都会でなくしてしまった「山」の中でしか得られない「何か」に気づく番組となりました。

 
(山怪 続編) 山怪 弐 山人が語る不思議な話 続編
 
 

【映画】感想:映画「ミクロの決死圏」(1966年:アメリカ)

ミクロの決死圏 [AmazonDVDコレクション]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム 2018年8月14日(火)

【※以下ネタバレ】
 

アメリカに亡命した科学者が襲撃され、脳に重傷を負い外科手術ができない状態になってしまう。医師たちが潜水艇に乗り込みミクロ化して、科学者の体内で治療することになるが、さまざまな困難が襲いかかる…。卓抜なアイデアの物語と、臓器や血液など、体内を斬新な美術と特殊撮影で表現し、今なお傑作と語り継がれるSF映画。名匠リチャード・フライシャー監督のスリリングな演出が光る。アカデミー美術賞、特殊視覚効果賞受賞。

 

あらすじ

 東西冷戦時代。情報部員グラントは東側の科学者ベネシュのアメリカ亡命を成功させたが、直後秘密組織CMDF(極小抑止連合軍)の基地に連れてこられる。司令官の将軍の説明によれば、ベネシュは東側の襲撃を受け脳に重傷を負って意識不明となってしまい、しかも外科的な手術は不可能な状態だった。

 将軍はCMDFで研究されている「物質をミクロ化する技術」を使用し、医師チームを乗せた潜航艇をミクロ化してベネシュの体内に送り込み、内部から治療する、という作戦を立てていた。しかし執刀医である外科医のデュバルはスパイの疑いがあり、そのためグラントは同行してデュバルを監視するように命じられる。現在のミクロ化技術では、物質は60分間しか縮小できないため、手術はその間に終えなければならない。

 グラント、医師チーム(執刀医デュバル、助手のコーラ、医療部長マイケルズ)、艦長オーエンス大佐の五人は潜航艇プロテウスに乗りこみ、ミクロ化されてベネシュの首筋に注入される。しかし一路脳を目指すはずが、アクシデントにより心臓の方に戻されてしまい、制限時間の制約と戦いながら予定外の旅を行う羽目になる。さらにグラントは、潜航艇内の誰かがスパイで、この手術を失敗させようとしていると確信する。

 やがてプロテウスは患部にたどり着くが、既に残り時間は6分となっていた。マイケルズは作戦中止を宣言するが、デュバルは手術を強行する。するとマイケルズは裏切り者としての正体を現し、プロテウスを患部に突入させようとするが、グラントに邪魔され艇ごと白血球に食べられてしまった。

 手術は成功したものの、もはやチームは予定通り回収されるのは不可能だった。チームは視神経を通って目から脱出する手段を選ぶ。そして将軍はチームの行動を正しく推測し、一行は目に現れたところを無事に回収されたのだった。

感想

 評価は◎。

 SF映画の大傑作。すでに数回視聴していますが、何度見ても飽きません。1966年公開と50年以上前の作品ですが、今(2018年)見ても文句無しに面白かった。

 さすがに「東西冷戦という設定」「車のデザイン」「コンピューターの描写」といった部分はに古さを感じますが、それは映画の本質とは無関係。

 とにかくストーリーが面白い。冒頭の亡命部分は余計な台詞無しでスピーディーに進め、グラントが任務を説明されるシーンも手際よくまとめ、すぐに本番の体内シーンに突入。ところが、ただでさえ作戦には一時間という時間制限があるのに、想定外のトラブルがこれでもかと発生して全く予定通りに進まないうえ、潜航艇内のグラント以外の誰かが裏切り者というサスペンス要素も有り、まさに「手に汗握る」という表現がぴったりの展開で、一瞬たりとも目を離せません。

 50年前の特撮技術にもかかわらず、血管内を航行していく場面は、ピンクや青い泡が通り過ぎるシーンなど十分に幻想的で、全く古さを感じさせません。またプロテウス号のデザインも50年前の物とは思えず、優れたデザインは時代を超えるのだと感心させられます。

 あと、個人的にはプロテウスを縮小するとき、二段階に分けて、巨大注射器の中にプロテウスを入れた後、さらにそれを縮小して通常サイズにまで小さくする、というあたりの段取りが妙にたまらない物がありました。

 まあ、クライマックスでの定番のツッコミ「体内に残してきたプロテウスが巨大化するのでは?」という疑問は残りますが、白血球に消化されたのでOK、なのかもしれません。
 
 とにかくめちゃくちゃ面白い映画でした。


おまけ:医療チームの足取り

1.頸動脈に注入されるが、頸静脈に出てしまう。

2.心臓に向かう。60秒間心停止させた隙に心臓を通過。

3.肺動脈で空気が足りなくなる。さらに治療用レーザーが壊れていることが発覚。肺から空気を補給するが、作業中グラントの命綱が切れるアクシデント。

4.レーザーの修理のため、無線機を解体

5.リンパ節に入る。抗体の攻撃を迂回するため、内耳の内リンパ管に入るが、エンジンに細網繊維が詰まってしまい、取り除くために一時停止。さらに外で大きな音が発生してしまい、一同揺さぶられる。コーラが抗体に襲われて危機一髪。

6.脳幹に到着。手術は成功するが、マイケルズの裏切りでプロテウスは失われる。一行は目から脱出。
 
 

ミクロの決死圏
BSプレミアム8月14日(火)午後1時00分~2時41分


【製作】
ソール・デビッド
【監督】
リチャード・フライシャー
【原案】
オットー・クレメント、ジェイ・ルイス・ビクスビー
【脚本】
ハリー・クライナー
【撮影】
アーネスト・ラズロ
【音楽】
レナード・ローゼンマン
【出演】
スティーブン・ボイド、ラクエル・ウェルチドナルド・プレザンス ほか


製作国:
アメリ
製作年:
1966
原題:
FANTASTIC VOYAGE
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 

2018年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

2018年視聴映画あらすじ・感想一覧

perry-r.hatenablog.com
 
ミクロの決死圏 [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
ミクロの決死圏 (ハヤカワ文庫 SF 23)

 

感想:アニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」第12話「相互再帰のマザーグース」

ファティマ

TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」公式サイト http://steinsgate0-anime.com/
放送 BS11。全23話。

【※以下ネタバレ】
 

第12話 相互再帰マザーグース

 

あらすじ

 かがりはまゆりの歌っていた歌に聞き覚えがあるというので、倫太郎はかがりの記憶を取り戻す手掛かりになるかもと考える。そしてまゆりに歌の出所を尋ねると、鈴羽が歌っていたので覚えたという。倫太郎がその後調べていくと、

まゆり←鈴羽←鈴羽の母親・由季←料理学校の先生(倫太郎の母)←倫太郎

というルートで伝わった事が解るが、倫太郎はそんな歌を歌っていたことなど覚えていなかった。実は倫太郎は少年時代にかがりと出会っており、かがりからその歌を聞いていたのだった。


 やがてかがりは車にはねられそうになったショックで記憶を取り戻し、まゆりが母親だといって抱き着く。


感想

 はっはっは、この「誰が作ったのか始まりが解らないものが、ぐるぐると時間の中を巡っている」ってネタ、ハリィ・ハリスンの「テクニカラー・タイムマシン」で見たぞ。

 少年時代の倫太郎と今と変わってないかがりが一緒にいるシーンは訳が解らんけど、正直どうでも良いという気持ちです。このゼロですが、別に倫太郎たちが時間をどうこうするわけではなく、ぼんやりした謎が漂っているだけなので、本編と比較して食い足りないことおびただしいですな。
 
 
LAST GAME
 
 

感想:アニメ「ハイスコアガール」第6話「ROUND 6」

sora tob sakana/New Stranger(通常盤)「TVアニメ ハイスコアガール」OP

TVアニメ『ハイスコアガール』公式サイト http://hi-score-girl.com/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第6話 「ROUND 6」 (2018年8月17日(金)深夜放送)

 

あらすじ

 春。ハルオたちは中三に進級し、小春はまたハルオと同じクラスになったことに喜ぶ。クラスメートの男子たちは他のクラスに転校してきた美少女の話で盛り上がっていたが、ハルオの興味は相変わらずゲーセンに向いており、「スーパーストリートファイター2X」に熱中していた。

 やがてハルオは噂の美少女転入生が晶だと知り、久しぶりの対決のためゲームセンターを探し回る。ようやく見つけた晶はスパ2Xで110連勝するなど相変わらずの強さで、ハルオは意気込んで対戦しようとするが、その瞬間昌は対戦を放棄して席を立ってしまう。

 ハルオは成り行きで昌と「ファイナルファイト」を協力プレイすることになったが、何故か晶はハルオに怒っているのか嫌がらせの様なプレイに走り、ハルオは晶の気持ちが全く理解できない。そしてなんとかクリアするものの、晶は何も言わないまま運転手の出迎えで立ち去ってしまった。

■脚本:冨田頼子
■コンテ演出:山川吉樹
■CGディレクター:鈴木勇介(SMDE)


感想

 いよいよ晶がご帰還かぁ。ラストで晶が昔ハルオにもらったおもちゃの指輪を大事にしているシーンなんかキュンキュンきますね( ´∀`)b

 ところで原作はぼんくらハルオを巡る二大美少女の争いっぷりが面白いのですが、このアニメって、あと6回ではそんなに一杯描けないよねぇ。どうなるのかしらん。
 
 
ハイスコアガール(1) (ビッグガンガンコミックススーパー)
 
 

【ドラマ】感想:ミステリードラマ「満願」第3話(最終回)「満願」

満願 (新潮文庫)

満願 | NHK ミステリースペシャル https://www.nhk.or.jp/dsp/mangan/index.html
放送 NHK総合。全3話。

【※以下ネタバレ】
 

米澤穂信のベストセラーミステリー短編集『満願』の中から、
「万灯」「夜警」「満願」を3夜連続でドラマ化。


2014年のミステリー界で、史上初めて「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリー・ベスト10」「ミステリーが読みたい」のそれぞれで1位になり、3冠に輝いた『満願』。この中から短編3作品をドラマ化します。緻密な謎解きはもちろんの事、岐路に立たされた人間の葛藤、業などを精細に描きだすミステリードラマです。

 

第3回(最終回) 『最終夜 満願』 (2018年8月16日(木)放送)

 

あらすじ

最終夜「満願」
総合:8月16日(木) 夜10時から10時59分


美しき下宿屋の女将が守りたかったもの
鵜川妙子が、殺人事件の裁判の控訴を取り下げる。弁護士の藤井は控訴を主張していたのに。妙子は、藤井が学生時代に世話になった下宿の女将であった。苦学生であった藤井が弁護士になれたのは、優しい妙子の支えがあったからである。しかし夫の借金のため家計は苦しく、ある日妙子は、返済を強要する金貸しを殺害した。いったい、なぜ?


おもな登場人物
藤井 高良健吾
鵜川妙子 市川実日子
鵜川重治 寺島進

 
 法律を学ぶ苦学生・藤井は、畳屋を営む鵜川の家に下宿させてもらうことになり、妻の妙子からは、身の回りの事だけではなく、精神面、さらに金銭についても世話になる。その支えがあり、藤井は大学在学中に司法試験に合格することができた。

 その妙子が殺人で裁かれることになり、駆け出し弁護士の藤井は弁護を引き受けることになった。鵜川は店が上手くいかなくなったあと、金貸しから借金をしたもののその金を遊興に使い果たした挙句、病気で倒れてしまっていた。妙子は金貸しから返済を迫られ、相手を自宅に招き、包丁で刺し殺したのだった。

 犯行現場にかかっていた掛け軸からは、殺害時の被害者の血液が検出されていたが、その掛け軸は妙子の実家に伝わる家宝だった。藤井は妙子が被害者を殺すつもりで呼び出したのなら、家宝が汚れるような危険を冒す筈は無く、つまり今回の事件は突発的におきた正当防衛だと主張する。しかし結局懲役十年の判決が下されてしまう。

 やがて鵜川は病気で亡くなり、妙子は藤井に財産を処分して借金を返済するように頼み、また控訴はしないという。藤井はまだ勝てる見込みがあると主張するが、妙子は考えを変えなかった。


 数年が過ぎた。ある時藤井は事件の証拠資料を見直し、掛け軸に付着した血液が、偶然ついたのではなく、妙子によってわざと付けられた事に気が付く。鵜川家の財産は借金の返済のため全て取り上げられたが、殺人の証拠品となった掛け軸はその対象にはならなかった。藤井は妙子の狙いがこれだった事を悟る。


 事件から10年後。立派な弁護士事務所を構える藤井の元に、刑期を終えた妙子が連絡してきた。藤井は妙子のため警察から掛け軸を取り戻す力になろうと思う。

感想

 米澤穂信の短編作品のドラマ化。

 「ミステリー」というよりは「ちょっとした謎解きの有る一般ドラマ」という方が近い作品。そのためオチは拍子抜けだったが、まあ悪くはなかったかなと。
 
 

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