感想:ホラー漫画誌「コミック特盛2013年夏号増刊 アウターゾーンスペシャル」(2013年6月22日発売)


 発売日:2013年6月22日
(※以下、雑誌の内容に触れていますのでご注意ください)

コミック特盛 夏号増刊 アウターゾーンスペシャル|ホーム社
http://www.homesha.jp/e/mag/p.php?tag=pc/sp/outer_sp

 季刊誌「コミック特盛」の大人気連載(多分)の「アウターゾーン」の大特集号…、といいたいところですが、新作が1本のみなので、「スペシャル」というのはどうかと。どっちかというと、アメリカのゾンビ物ドラマ「ウォーキング・デッド」特集というか、作品紹介&ゾンビ漫画一杯掲載号、となっております。


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アウターゾーン リ:ビジテッド 光原伸

 「Episode 9 リフト・オブ・ザ・デッド」

 ゾンビがあふれかえり荒廃した街。もうすぐ街は爆撃されるため、まだまともな人間はとあるビルの屋上からヘリで脱出するように言われていた。ある父娘がビルのエレベーターに乗ろうとするが、父親は別の男に撃たれてしまう。男は混乱にまぎれて刑務所から脱走した凶悪な犯罪者だった。エレベーターの中にはミザリーもいるが、そのうちエレベーターはストップし、さらに乗っていたうちの一人がゾンビ化し始めた。凶悪犯は他人を脅してゾンビの餌に差し出して、時間を稼ごうとする。ミザリーも餌にされかけるが(人間ではないので)食べる対象として認識されない。そのうちエレベーターは屋上に到着するが、死んだと思われていた父親が待っていて凶悪犯を撃って娘たちを助ける。で、ミザリーの「ビルから脱出できてもこの先生き残れるかどうかはまたわかりませんが…」みたいなナレーションで〆。


 増刊で弟9話が登場。特集のゾンビ物に合わせた内容で、いつもの意外なオチは無いもの、どんな話でも対応可能なアウターゾーンなので、これもまずまず面白うございました。



非情の標的 光原伸

 コミック未収録作品。ある小説家が、妻と秘書が浮気をしていることを知り、妻に爆弾を仕掛けておいて、秘書には、あるスイッチを銃で撃てば爆弾は止まるので頑張って撃ってみろ、みたいな状況に追い込む。実はそのスイッチを撃ち抜くことで爆弾が止まるのでは無く爆発する仕掛けだった。秘書はそのうち小説家がまともに助けてくれるわけが無い、と考え、上手く小説家を騙して浮気相手を救い出し脱出する。で、その際小説家はむごたらしい死に方をするような仕掛けをしておいてきてしまいました。


 相当古い作品みたいで、絵がシャープかつ女性キャラが可愛い。内容は「ヒッチコック劇場」的な暗い話なのですが、絵柄が対応できてないというか、まだ少年誌から離れて時間が経ってなかったのでしょう。



絶対安全サーヴィス会社 光原伸

 コミック未収録作品。とあるサラリーマンが、女の子から携帯電話のあるサービスを薦められる。それはお金を払うと自分の身に迫る危険を五段階で警告してくれるというものだった。最初は軽い気持ちで利用していたが、そのサービスが実に的確に危険を予告するので、すぐに離れられなくなってしまう。やがて自分が死ぬような危険を予告されパニックに陥るが、このサービスで危険を回避すると別の人間に不幸が降りかかる、ということを知る。で、自宅にいる妻が危ないと気がつき、戻ってみると押し込み強盗が妻を襲っていた。男は強盗に刺されて死んだ、と思いきや、携帯電話が刃物を止めていて命は助かる。例のサービスの会社はいつの間にかなくなっていた。


 ミザリィの出ないアウターゾーンというか、「トワイライトゾーン」というか。ちなみにこれも絵シャープ&女の子可愛い系で、1990年代の作品に違いないと予想。



 あとは「ウォーキング・デッド」ストーリー紹介とか、光原伸氏の奥さんの浅美裕子さんによる「ウォーキング・デッド」エッセイ(?)漫画、などを掲載。まあアウターゾーンスペシャルというタイトルは詐欺に近いのですが、内容的には結構イケました。
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