感想:小説「ポルレイターの秘密兵器」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 538巻)(2017年2月9日(木)発売)

ポルレイターの秘密兵器 (宇宙英雄ローダン・シリーズ538)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121133
ポルレイターの秘密兵器 (宇宙英雄ローダン・シリーズ538) 文庫 2017/2/9
マリアンネ・シドウ (著), ホルスト・ホフマン (著), 若松 宣子 (翻訳)


長き深層睡眠から目ざめた、もと太陽系艦隊提督キャラモンは、ポルレイターの秘密兵器を見つけるため惑星ズルウトに向かうが……


25世紀の昔、球状星団M-3にある惑星ユルギルで囚われの身となった、もと太陽系艦隊提督クリフトン・キャラモン。かれは1600年の深層睡眠からよみがえり、宿敵であるポルレイターの堕落者トゥルギル=ダノ=ケルグとの対決を覚悟する。ダノの先手を打つためかつてのかれの戦闘艦《ソドム》で、五惑星施設の第三惑星ズルウトに向かった。ところが、原住動物ケラクスのからだに宿るダノも《ソドム》に乗りこんでいた……

 
発売日 = 2017年2月9日(木)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」
 
【※以下ネタバレ】


内容

◆1075話 ポルレイターの秘密兵器(マリアンネ・シドウ)(訳者:若松 宣子)

 クリフトン・キャラモンと「堕落したポルレイター」のダノは、ボルレイターの残した秘密兵器を求め競争を開始したが!?


 いやはや、ローダン・シリーズで「最強の兵器とは無償の愛だ」なんて台詞が出て来るとは思いもしませんでしたよ。ローダン・シリーズも1000話を超えて、本当に初期とは変わりました……



◇1076話 ポルレイターの道(ホルスト・ホフマン)(訳者:若松 宣子)

 ローダンたちは、ポルレイターを惑星ズルウトへと輸送するが!?


 全くもって、ポルレイターの恩知らずぶりときたら……、ドイツの諺に「忘恩は世の習い」 Undank ist der Welt Lohn というのがありますが、それを地で行っています。それにしてもこのサイクルは、戦う相手がはっきりしなくてモヤモヤしっぱなしですね。セト=アポフィスと全面抗争中という感じでもないのに、そこにポルレイターまでが参加してくるとは……


 前半・後半ともまずまずのお話でした。


表紙絵

 メインは銃を構えるクリフトン・キャラモン。背景はボルレイター・ダノの宿った猛獣ケラクス。


あとがきにかえて

 担当は「若松宣子」氏。全4ページ。前半は、作中の男尊女卑的発言とヒラリー・クリントン他の活躍についての話。後半はこの巻から参加した新作家ホルスト・ホフマンの経歴。


次巻予告

 次巻は539巻「異変の《ソル》」(デトレフ・G・ヴィンター&クルト・マール)(2017年2月23日(木)発売予定)。


おまけ

関連サイトは、以下のページからどうぞ。
archduke.la.coocan.jp

感想:アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!2」第7話「このふてぶてしい鈍らに招待を!」


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』オープニング・テーマ 「TOMORROW」【通常盤】

アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!2』公式サイト http://konosuba.com/
スニーカー文庫公式サイト http://sneakerbunko.jp/series/konosuba/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第7話 このふてぶてしい鈍(なまく)らに招待を!

 

あらすじ

 カズマはバニルとの間で、異世界(元住んでいた世界)の商品を再現してバニルに渡し、バニルがそれを売りさばく、という契約を結んでいた。ところがバニルはこたつ他を見て、大きな商売になると踏み、知的所有権一括譲渡を持ちかけてくる。これを受ければ、カズマの懐には一生遊んで暮らせるだけの大金が転がり込んでくることになる。

 カズマとアクアはこの話に大乗り気で、もう危険な冒険者など辞めてしまおうと皮算用を始めていた。二人は、魔王討伐は冒険者を雇って代理でやらせ、とどめのところだけ自分たちがやれば良い、と横着な計画を立ててにんまりする。ところが何故かめぐみんだけはこれに大反対で、カズマの決心が変えられなさそうと見るや、突然温泉で有名なアルカンレティアという街に行こうと言い出す。

 カズマは傷をいやすために温泉も良いと、アクア・めぐみんダクネス・ウィズと共に馬車でアルカンレティアに向けて出発する。ところが途中、固いものを好むモンスター「走り鷹鳶(はしりたかとび)」の群れが、ダクネスの特注の鎧目指して突っ込んできた。カズマは騒ぎはダクネスのせいだと責任を感じ、乗客にも関わらず迎撃を買って出る。


脚本/待田堂子  絵コンテ/小岩井礼文  演出/鈴木孝聡、吉田俊司 総作画監督/田中紀衣  美術監督/三宅昌和


感想

 今回もまずまずの面白さで一安心。


・冒頭の、高級な紅茶がどうのこうのと、妙に満ち足りた感じのカズマとアクアのやり取り

・アクアとバニルが互いに相手の能力をバカにしあう漫才シーン

・馬車の護衛たちが、ダクネスが単に趣味で危険なことをしているだけなのに、全く勘違いしてダクネスの献身ぶりに涙するシーン


 といったところが面白かったですなぁ。


TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 2』エンディング・テーマ 「おうちに帰りたい」

感想:アニメ「幼女戦記」第8話「火の試練」

幼女戦記 (1) Deus lo vult

TVアニメ「幼女戦記」公式サイト http://youjo-senki.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全12話+総集編1話。

【※以下ネタバレ】
 

第8話 『第捌話 火の試練』 (2017年3月3日(金)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 1925年。ターニャたちの魔導大隊はライン戦線で戦っていたが、後方のアレーヌ市で共和国軍の支援を受けた市民が蜂起したため、鎮圧を命じられる。建前上は共和国軍兵士や民兵のみを攻撃し、一般市民には手を出さないことになっていたが、現実の戦闘でその区別ができるはずもない。事実上の非戦闘員の大虐殺に、兵士たちは動揺するものの、ターニャはあくまで上からの命令と気にする様子もなかった。

 一方、協商連合のアンソン大佐は実は重傷を負ったものの生き延びており、神から悪魔を討てとの啓示を受けていた。

脚本:猪原健太 絵コンテ:小林寛 演出:migmi 作画監督:三島詠子 / 緒方歩惟 / 梁博雅 / 南井尚子

感想

 うーん、つまらなくはないのだが、だからどうしたという感じの話である。ターニャが、人的損害への配慮とか、人道主義とか、そういうことに全く縁のないキャラクターだというのは既にわかっている訳ですし。

 それにしてもアンソン大佐がしれっと生きているのにちょっと笑ったぞ。大佐が惨殺されたから、娘の怒りの描写が生きるのであって、大佐が生存していたら台無しじゃん。


幼女戦記 2 Plus Ultra<幼女戦記>

感想:アニメ「タイガーマスクW」第18話「誕生!スプリングタイガー」

300ピース ジグソーパズル タイガーマスクW 二頭の虎(26x38cm)

テレビアニメ「タイガーマスクW 」公式サイト http://www.toei-anim.co.jp/tv/tigermask_w/

【※以下ネタバレ】
 

第18話 誕生!スプリングタイガー

 

あらすじ

 春奈は親しくなった女子プロレスラーのミルク&ミントが再度GWMの大会に出場し、クイーン&ペイン相手に前回のリベンジマッチを行うことを知って応援に向かった。ところが試合直前、ミルクが急病で病院に搬送され、出場できなくなってしまう。このままでは興行に穴が空き、ミントたちは違約金を支払わされることになってしまう。見かねた春奈は自分がミルクの代役で出場すると申し出る。実は春奈は拳太郎たちに内緒でこっそり体を鍛えていたのだった。

 ミスXはその提案を了承し、春奈はマスクをかぶって「スプリングタイガー」という名前で試合を行うことになった。ところが相手チームはペインの代わりにミスXが「Xウーマン」と名乗ってリングに上がってくる。ミスXは日頃何かと小うるさい春奈に痛い目を見せてやろうと考えていたのだった。試合はスプリングタイガーがXウーマンを追い込み、ミントがとどめを刺して快勝した。

 一方、虎の穴の本部ではタクマが「ヘル・イン・ザ・ホール」の開催を告げられていた。


脚本:あみやまさはる  演出(絵コンテ):西田正義/広嶋秀樹  作画監督小林一三/斉藤和也/羽山淳一  美術:木賊美香


感想

 ツッコミどころ満載過ぎるエピソード。春奈もミスXも要するに筋トレが趣味のムキムキな女性というだけでプロレスのトレーニングしている訳じゃないのに、それでリングに上がろうなんて、馳浩から「プロレスをなめるな!」とか怒られそう。

 しかしどこで練習したのか二人ともプロレス技をバンバン繰り出し、

春奈:インディアンデスロック、鎌固め、アンクルホールド、弓矢固め
ミスX:4の字固め、サソリ固め、ジャーマン

を華麗に使いこなすという……、特にミスXの4の字がブリッジしながら仕掛けるシャーロット・フレアー型だったので大ウケしましたわ。まあこれもお遊び回だから内容は深く気にするなという事でしょうか。

感想:アニメ「AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-」第9話「ゲームのカードで戦ってしまったのですが!」


AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION- ヒロインB2タペストリー

AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-アキバズトリップ・ジ・アニメーション) 公式サイト http://akibastrip-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)(全13話)

【※以下ネタバレ】
 

第9話 『TRIP9 ゲームのカードで戦ってしまったのですが!』 (2017年3月1日(水)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 タモツは有紗の影響でトレーディングカードゲーム「バトルクリーチャー(バトクリ)」にハマってしまう。同じころ、アキバの自警団が次々と解散の危機に直面していた。新規加入した女性メンバーをめぐって、団員たちがいがみ合うになってしまっていたのだった。タモツたちは「姫をめぐって崩壊するサークル」を連想するが、その女性メンバーは、まさに「プリンセスカンパニー」という会社が自警団に派遣していた「サークルの姫」だった。

 タモツたちはプリンセスカンパニーが怪しいとにらんで乗り込むが、予想通り会社の社長「政田池輝(まさた・いけてる)」(小野大輔)はバグリモノで、アキバ支配のためにアキバ自警団を消滅させようと「姫」を送り込んだのだった。しかも池輝は戦闘力が高く、戦いを挑んだまとめは一蹴されてしまう。ところが池輝はリアルバトルは美しくないので、バトクリで勝負をつけようと言い出し、唖然とするまとめを無視して、タモツはノリノリで申し出を受ける。

 そしてタモツは、池輝の猛攻に大苦戦しつつもチート的なレアカードで大逆転勝利した。自警団も無事元通りとなり、アキバの平和(?)は守られたのだった。


脚本/雑破業  絵コンテ・演出/青柳隆平 総作画監督/満田一  作画監督/吉岡敏幸


感想

 今回は最初から明示されていますが、遊戯王をおちょくった内容で、もう苦笑としか言いようがなかった(笑)

 タモツの髪型がやたらとげとげしくなって刺さりそうになっているとか、やたら大げさなカード供給装置(?)を腕にはめて「●●をドロー!」とかノリノリで叫ぶとか、どこかで見たようなシーンが頻出。しかし、それらはあくまでイメージの世界で、現実には椅子に座って対峙したプレイヤーがチマチマとカードを出し合っているだけで、さらにそれを観客のまとめが呆れ気味に眺めているとか、この手のカードバトル物を完全にバカにしに行っています(笑) さすが雑破業先生(笑)

 さて、毎回豪華ゲストが登場するこの作品。前回のエンディングで声優ユニットミルキィホームズの四人が映っていたので、今回のゲストキャラとして活躍するのかと思ったら全然そんなことはなく、メインはまさかの小野大輔(!!)でした。小野Dなら「大物枠」の資格十分ですよね。ハンサムキャラもギャグキャラも巧みにこなすお方ですが、あのハンサム声でアホみたいなシチュエーションの演技をされると、余計におかしくて仕方なかったですわ(笑)


一件落着ゴ用心【AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-盤】

感想:アニメ「クラシカロイド」第21話「ブレイク・スルー」


クラシカロイド クリアファイル

アニメ「クラシカロイド」HP http://www.classicaloid.net/
放送 NHK Eテレ。土曜日17:30~18:00。

【※以下ネタバレ】
 

第21話 『♪21 ブレイク・スルー』 (2017年3月4日(土)放送)

 

あらすじ

 ある日、シューベルト音羽館の住人で自分だけが個室を持っていないことに(ようやく)気が付いて異議を申し立てるが、他のクラシカロイドたちは、誰一人まともに対応しようとしない。業を煮やしたシューベルトはムジーク対決を持ち出し、各人のムジークで空き部屋を一番きれいにできた順に部屋を獲得しようと提案する。しかしその対決で、シューベルトは自分の意思でムジークを発動させることができないことが判明、クラシカロイド失格とうなだれて音羽館を去る。

 その後シューベルトは大凧に絡まれてアメリカまで飛ばされた挙句、偶然響吾と再会した。そして響吾から好き勝手にやれば良いというアドバイス(?)をもらう。そのあと、またシューベルトはまた大凧で日本に飛ばされ、音羽館に帰還するが、館の住人は誰一人としてここ数日シューベルトが不在だったことに気が付いていなかった。それにキレたシューベルトはムジーク「魔王」を発動させ、ラップで全員をディスりまくる。

 この一件で一皮むけたシューベルトはラッパーと化して勝手気ままな生活を始めるが、行き過ぎて全員の怒りを買い、慌てて土下座することになりました、というオチで〆。


感想

 前回が何か思わせぶりなシリアスな風味で〆たので、今回もその延長かと思いきや、相変わらずのバカ展開だったのに苦笑というかなんというか(笑) クラシックの「魔王」をベースにラップに作り替えるという発想がぶっ飛んでますのう。

※他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com


クラシカロイド MUSIK Collection Vol.1

感想:アニメ「龍の歯医者」後編「殺戮虫編」

龍の歯医者 クリアファイル

NHKアニメワールド 龍の歯医者 http://www.nhk.or.jp/anime/ryu/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

彼の国には龍が棲んでいる──
神話によれば、古の人々との契約により、龍は人を助け、人は龍を助けるという…


舞台は “龍の国”。
主人公は、国の守護神 “龍”を虫歯菌から守る新米・歯医者の野ノ子。


隣国との戦争が激化する中、ある日彼女は、龍の歯の上で気絶した敵国の少年兵を見つける。
少年の名はベル。
大きな災いの前に龍が起こすと言われる不思議な現象で、巨大な歯の中から生き返ったものだった。


自らが置かれた状況に戸惑うベル。そして彼を励まし、彼を龍の歯医者として受け入れる野ノ子。
激しい戦いに巻き込まれながら、二人はやがて自らの運命を受け入れて行くことに…


かつてない壮大なスケールで描かれる冒険ファンタジー!

 

後編 殺戮虫編 (2017年2月25日(土) 20:00~20:46放送)

 

あらすじ

エヴァ」ゆかりの制作陣がおくる新作大型アニメ、ついに後編!


新米の“龍の歯医者”野ノ子と、ふしぎな運命で野ノ子たちと出会い、見習いの歯医者となった敵国セルペナーダ育ちの少年・ベル。虫歯菌“天狗虫”の出現でむしばまれ、落下した龍の歯を追い、野ノ子とベルは、戦乱ただなかの地上へと降りたつ。彼らを追うセルペナーダの傭(よう)兵たち。そして、腕利きの歯医者でありながら、天狗虫に取り憑(つ)かれ、姿を消した柴名。壮大な物語がいよいよクライマックスへ!


【原作】舞城王太郎【監督】鶴巻和哉
【声】清水富美加岡本信彦山寺宏一林原めぐみ松尾スズキほか

 野ノ子とベルは龍の歯と共に地上に落下し無事地上に降り立つが、歯は崩壊して小さな欠片的な物になる。そこに敵軍のブランコ率いる部隊が襲撃してくるが、友軍の助けで難を逃れる。ブランコは以前上官だったベルを邪魔とみなして殺した男だった。

 ブランコたちは野ノ子たちを再襲撃し、歯を奪うと飛行機で龍に向かうが、飛行機には野ノ子とベルもひそかに乗り込んでいた。飛行機は歯の力で龍を守る「壁」をすり抜け、内部に入り込むが、野ノ子たちが大暴れしたために墜落する。ブランコは龍と人間が契約するための鍵である「親知らず」を求めていた。

 一方、龍の歯の抜けたところからは、超巨大な虫歯菌が現れ、龍は耐え切れなくなって墜落し、虫歯菌は戦場で殺意のある人間を選んで殺戮の限りを尽くす。また虫歯菌と化した柴名は、既に亡くなった恋人を生き返らせようとして龍の歯の中に潜り込む。

 野ノ子が持ち帰った歯を、歯が抜けたところに埋め込むことで、巨大虫歯菌は死んだ。ブランコは親知らずを持ち去ろうとするが、ベルと相討ちに的に死んだ。柴名は結局恋人を生き返らせることはできず、そのまま去っていった。正常に戻った龍は再び浮上した。


感想

 評価はまあ〇。


 まあエンターテインメントとしてはそこそこ面白かったかなと。世界観の説明とかを省略して、ひたすらアクションシーンだけでつなげているストーリー無しの雰囲気アニメでしたが……

 途中、野ノ子とベルが飛行機に頑張って飛び乗って悪党と戦うというシチュエーションに「宮崎アニメかよ」とか思ったりもしましたが、柴名が異空間でタケモトさんと舌をデロンデロンに絡めてアダルツなキスをするシーンを見て、「ちょっと違うかも」とか思い直しました……


 アニメ人は、漫画やラノベとかの原作無しで好きにアニメを作っていいと言われると、(京都アニメーションの「MUNTOhttp://www.kyotoanimation.co.jp/works/munto/ みたいに)、なんだかよくわからん異世界ファンタジー物を作りたくなるのかなぁ、とかぼんやり考えたりしました。まあ、少なくともMUNTOよりは面白かったですよ。

原作・脚本
舞城王太郎


脚本
榎戸洋司


キャラクターデザイン・作画監督
関修一


プロデューサー
緒方智幸
苗代憲一郎


アニメーションプロデューサー
岡島隆敏


制作統括
土橋圭介
柴田裕司
川上量生
庵野秀明


アニメーション制作
スタジオカラー


監督
鶴巻和哉




キャスト
野ノ子
清水富美加


ベル
岡本信彦


悟堂
山寺宏一


柴名
林原めぐみ


ブランコ
松尾スズキ


有栖川
名塚佳織


修三
徳本恭敏


宗達
高木渉


小澤
櫻井孝宏


ギレリ
津田健次郎

 

2017年視聴映画のあらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

2017年視聴映画あらすじ・感想一覧
 
 

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第35話(シーズン2 第7話)「暗殺計画を利用しろ」

スパイ大作戦 シーズン2<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第35話 暗殺計画を利用しろ Operation “Heart” (シーズン2・第7話)

 

あらすじ

心臓に持病を抱かえる考古学者の妻に扮したシナモン(バーバラ・ベイン)。厳しい監視下にある学者を救い出し、同時に進行する大統領殺人計画を阻止することができるのか。


某国でスパイ容疑で捕まった考古学者。実は大統領暗殺を目論む警察長官が、万が一の情報漏れ防止のため釈放せずにいた。IMFの任務は重度の心臓病で危険な状態の学者を救出しつつ、暗殺計画を阻止すること。妻に扮したシナモン(バーバラ・ベイン)、雑誌記者役のフェルプス(ピーター・グレイブス)が、なぜか彼がスパイだという証拠を積み上げて…。

※DVD版のタイトルは「暗殺計画に便乗しろ」。


【今回の指令】
 西側陣営に属する某国において、現在クーデター計画が進行中である。首謀者はその国の警察長官ゴマルクで、大統領ルーリッチを暗殺して政府を倒すつもりであり、決行日予定を「記念日」と称している。ところがその国に滞在していた高名な考古学者ベネット教授が、スパイと疑われて逮捕され、厳しい取り調べのため心臓疾患が悪化し生命の危機にさらされている。IMFはベネット教授を救出し、また大統領暗殺を阻止しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:オーエン医師(心臓疾患の権威)


【作戦の舞台】
 某国


【作戦】
 シナモンはベネットの妻に扮して、わざとベネットが諜報員であるような状況証拠を積み上げる。それを見たゴマルクはあまりにわざとらしいので、ベネットは諜報員ではないと結論する。一方、フェルプスは雑誌記者としてルーリッチ大統領に近づき、ベネットが腕利きの諜報員であると吹き込む。ゴマルクはベネットが病気で死ぬのに任せるつもりだったが、大統領は自分で取り調べをしたいので、ベネットの手術をするようにとゴマルクに命じる。

 IMFは酸素ボンベの中に時計を仕込んだ爆弾風の機械を作り、病院の手術室に運び込む。そしてベネットの手術が始まった途端、医者のふりをしたローランが時限爆弾が仕掛けてあると大騒ぎし、爆弾処理の専門家に変装したバーニー・ウィリー・オーエン医師を呼び込む。

 バーニーたちは心電図に細工をしておき、ベネットを運び出そうとしたところで異常を表示させ、もう助からないので置いていくと言って、医者を別室に閉じ込めて姿を消す。病院の外にいたゴマルクは、バーニーたちがベッドで何かを運び出そうとしているので、ベネットだと思い調べるが、爆弾(という設定の酸素ボンベ)しかなかったので見逃す。実はベッドは二重底になっており、そのなかにベネットが隠されていて、無事に連れ出される。

 直後、大統領やゴマルクが手術室に入ると、何故かここにもベネットがいて、虫の息でゴマルクに「大統領暗殺は成功したのか?」とつぶやいて死んでしまう。大統領はゴマルクが裏切り者だったと気が付き、即座に射殺する。実は死んだベネットはローランの変装で、病院を抜け出すと待っていたフェルプスと共に立ち去る。


監督: レオナルド・J・ホーン
脚本: ジョン・オデア&アーサー・ロウ


感想

 評価は○。


 手術シーンを作戦に組み込んだ珍しいエピソード。色々と細かいところで疑問に感じるところもあったが、まずまず面白い話だった。


 一番の見どころは、やはりクライマックスの手術室でのシーンだろう。IMFはベネットを助けに来たはずなのに、途中で「もう助からないので置いていく」とか言い出し、次の場面では、バーニーたちが病院から移動式ベッドで何かを運び出してくる。それをゴマルクが調べてみると、爆弾という設定の酸素ボンベ3本しかないので、視聴者は何が何だか分からなくなる。ところがベッドを車の中に運び込み、ボンベを降ろして、さらにふたを開けると中に眠ったままのベネットが隠されている、というオチで、ここでようやく視聴者がIMFの作戦に気が付く、という事になる。この辺りはなかなか痛快な展開だった。

 また最後は連れ出したはずのベネットがなぜかまだ手術室にいて、わざとらしくゴマルクがクーデターの主犯だと暗示する台詞を言い残してから死んでしまう。もちろんこの「ベネット」はローランの変装なわけだが、この(視聴者にとっては)見え見えの策略が、いかにもIMFがやりそうな手で、つい笑いが漏れてしまった。

 しかし、妙に感じることも多少あり、例えばシナモンがベネットの妻に扮して夫が諜報員だという状況証拠を残して回るのは何の意味があったのか、とか、大統領暗殺を狙う人間がいると思わせるため、バーニーが本当にフェルプスに銃弾を撃ち込む必要があったのか、とか、どうもよくわからない点もあったが、まあ矛盾というほどでもないので、気にしなければ良いのかもしれない。

 それにしても今回の舞台となる国は、東南アジアか中南米あたりだと思われるが、どうみても軍事独裁国家である。その証拠に、最後に大統領が裏切ったゴマルクを裁判にもかけずに簡単に射殺してしまうのだから、まともな司法制度が機能しているとも思えない。そういう国家でも西側についているなら支援する、というアメリカの姿勢は、まあ当人たちには当たり前なのかもしれないが、日本人からするとやはり「ダブルスタンダード」といった言葉が脳裏にがちらついてしまうのは、致したないところだろう。


 ところで序盤のフェルプスの説明台詞で、ベネット教授が考古学でノーベル賞をもらった云々と言っていますが、ノーベル賞に考古学部門はありません。

 今回の悪役ゴマルクの声は、仁内建之氏(太陽の牙ダグラムのラコックの声の人)でした。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが車を止めて、セルフの写真撮影機(いわゆる証明写真ボックス)に入り、鍵のかかった蓋を開けると、中には大きめの封筒とオープンリールテープコーダーが入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはようフェルプス君。考古学の権威ベネット教授は、現在ある国のクーデター計画の犠牲になっている。クーデターを画策しているのは、写真の左側の男、その国の警察長官ステファン・ゴマルクである。彼は友人でありかつ西側びいきの大統領であるルーリッチを暗殺し、政府を倒そうとしているのだ。一方、誤って逮捕されたベネット教授はゴマルクの激しい尋問にあって、慢性心臓疾患が悪化、今は厳重な監視のもと病院のベッドにあえいでいる。

 そこで君の使命だが、ベネット教授を無事救いだし、ゴマルクの大統領暗殺計画を覆すことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。成功を祈る。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com