【フィギュア】君は「MAZINGER 1901」シリーズを知っていたか

※MAZINGER 1901
MAZINGER(マジンガー) フューチャーモデルズ(FEWTURE MODELS)  MAZINGER 1901 シリーズ
  
 昨日以来、フィギュアのマジンガーZをいろいろと調べていたら、やたらムキムキマッチョ系のマジンガーのフィギュアを発見。それを辿っていくと「MAZINGER 1901」シリーズという物に行きあたってしまいました。何ぞ、これ?
 

MAZINGER 1901シリーズ
http://artstorm.co.jp/mazinger1901_series.html
1901年、ヨーロッパ。
第一次世界大戦を13年後に控えているこの時代は、発明家たちや芸術家たちが
自由な発送でさまざまな実験を試み、芸術品を生み出していた。
ヨーロッパの歴史に関わる者たち、アドルフ・ヒトラー12歳、スターリン22歳である。
日本は明治時代の後期になっていた…。


そんな時代の とある広大な土地の地下に、この時の化学技術をはるかに上回る優秀な科学者たちが集結し、
いつしか街を形成したメトロポリスが誕生していた。
彼らの研究は飛躍的に進行していき、この年、ついに一つの完成形である「合金Z」が成功したのである。
幼少の頃、日本から渡ってきたJUZOは、離別した兄との悲しみに耐え、父親との生活の中で、
BOSS、SAYAKAと出会う。3人は同様の施設訓練を重ねていった。
またメトロポリスのさらに地下に位置する、荒廃の地下都市「ダークポリス」では
Dr.HELLと呼ばれる者が自ら実験施設を整え、ここでも新たなる物質が完成していた…

 
 どうも詳細がいまいちわかりませんが、故・韮沢靖氏がマジンガーZに出てきたメカ、マジンガーZ、アフロダイA、ボスロボット、ガラダK7、他を韮沢風味満載で再デザインしたらしいんですよ。言われてみれば、うん確かに韮沢風味だわ。このままスーパー戦隊とかライダーの怪人として出てきそう……
 
 
 

まだまだあるマジンガー

 マジンガー関係は、その他にも

EX合金 ロボ師WORKS EX合金ロボ師WORKS MAZINGER1969
http://artstorm.co.jp/exgokin_mazinger1969.html

EX合金 ロボ師WORKS ENERGER1969
http://artstorm.co.jp/exgokin_energer1969.html

 とかも発見されたし、みんなどれだけマジンガーが好きやねん!という感じですのう。
 
 
※MAZINGER1969 リペイントver.
アートストーム ロボ師WORKS MAZINGER1969 リペイントver.
 
※ENERGER1969 リペイントver
アートストーム ロボ師WORKS ENERGER1969 リペイントver
 
EX Gokin : MAZINGER 1901 DOUBLAS Silver Ver. by Art Storm [並行輸入品]
 
 

【SFアニメ】「SFマガジン」が「正解するカド」や「ID-0」を推しているのが痛々しい……

SFマガジン 2017年 08 月号 [雑誌]

S-Fマガジン2017年8月号 | 種類,雑誌,SFマガジン | ハヤカワ・オンライン
2017/06/24
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013582/shurui_71_SFM/page1/order/

S-Fマガジン2017年8月号
スペースオペラ&ミリタリーSF特集
幼女戦記』のカルロ・ゼンが放つ最新作《ヤキトリ》、
《宇宙英雄ローダン》のリブート(再起動)シリーズ《ローダンNEO》など、
この夏はスペースオペラ&ミリタリーSFの注目作が出揃う。
まさに豊穣の時代を迎えたといえる、本ジャンルを特集する。


□《ローダンNEO》、開幕!
・《ローダンNEO》刊行までの道 井口忠利
・祝《ローダンNEO》開幕! 刊行記念エッセイ 嶋田洋一/二階堂黎人
・《ローダンNEO》開幕記念描き下ろしコミック toi8

 隔月化して以来本屋で見つけることも困難になったSFマガジン誌。SFアドベンチャー亡きあと頑張ってきたものの、今ではこの有様でSFの衰退っぷりがよく解ります……、

 しかし、まあ最新号は「ローダンNEO」の漫画が掲載されているというので、慌てて探し回りなんとか見つけることが出来ました。まあお目当てのtoi8氏の描き下ろしコミックというのは、単に一ページのイラスト集みたいなもので、なんだこりゃ感はありましたが、一応目的は果たせたので満足満足……

 と思ったら、最近のSFマガジンはアニメに傾倒していた(?)のね。


SFアニメすら守備範囲にしていたとは

□TVアニメ『ID-0』特集
・『ID-0』エピソード・ガイド 小林 治
・『ID-0』監督・谷口悟朗&シリーズ構成・脚本・黒田洋介メッセージ
・『ID-0』メカニック・デザイナー座談会 海老川兼武片貝文洋柳瀬敬之 司会&構成:小林 治

 なんと春アニメID-0を強力に特集しています。いやまあ、確かに宇宙未来SFアニメではあったけどさぁ。あと、ご存知の通り、やはり春アニメだった「正解するカド」についてもストーリーについて中盤までのエピソードを詳細に説明していて、「さすが野崎まどが書いたシナリオだ、終盤の展開に大期待」みたいに褒めちぎっているんですよ……、はふぅ、あれを褒めますか?

 いやまあ、早川は正解するカド関連で本を出していて、まさに利害関係者だから持ち上げるのも理解できるけどねぇ。空しくないか……、あと、ID-0も成功したという印象は無いけどねぇ。


時代は変わったものだと

 40年前には「「スターウォーズ」とか「ガンダム」とかSFじゃねぇよ、そんなものにSFヅラされるとこっちが迷惑なんですけど?」みたいな感じだったんですが、変われば変わるもんです。日本SFマニアの総本山(?)SFマガジンが、テレビアニメごときを取り上げて記事にする時代が来るなんて……、いやーびっくりですよ。

 でもそれなら今が旬の宇宙戦艦ヤマトをとりあげたらどうでしょうか。さすがに「ヤマト」をSF認定するのは、昔のアレルギーがきつすぎて無理か?


あと佐藤大輔氏追悼記事もね

□追悼・佐藤大輔
・押井 守インタビュウ「小説を読むかぎり、佐藤大輔はそこにいる」 インタビュアー&構成:前島 賢
・描き続けた“一歩先” 銅 大
佐藤大輔 長篇シリーズガイド 大山 格/鹿内 靖/高梨俊一/堺 三保/松浦晋也/銅 大/細谷正充/田中成之

 3月に亡くなった佐藤大輔氏の追悼記事も有り。なんと氏は押井守ツーカーの仲だったのか。故人の評価が、大抵の作品を途中で投げ出すので「通称 三巻王」だとかいう説明にちょっと笑った。あと、作品の解説をしている人にやたらウォーゲーム関係者が多い……、SFマガジンで鹿内靖・高梨俊一といった方々の名前を見る日が来るとは思いもしなかったね。
 
 
誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)
誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)
 
 

【数学】「0.999999…」と「1」は同じ、って納得できる?

Newton(ニュートン) 2017年 09 月号 [雑誌]

科学雑誌ニュートン最新号 | ニュートンプレス
http://www.newtonpress.co.jp/newton.html

 

「0.999999…」と「1」はイコールなんて納得できない!?

 ネットの数学ネタでこういうのを見たことは無いでしょうか?

1)1を3で割ると「0.333333…」。分数で表現すれば「1/3」。
2)つまり「0.333333… = 1/3」。
3)両辺に3を掛けると「0.999999… = 1」。

1と0.999999…が一緒だなんておかしい! つまり、上記の説明のどこかが矛盾している!!


 いや、ホントその通り。1は1であって0.999999…ではないのだから、イコールだなんておかしいですよねぇ。


大事なことは全てニュートンから教わった

 さて、世の中には「ニュートン」という科学雑誌があります。一般人に科学の難しい世界の事を優しく説明してくれるというのがウリで(と思っている)、毎回難しいジャンルの事を豊富なイラストとやさしい解説で親切丁寧に教えてくれます。私は相対性理論の説明で、過去のニュートンの特集記事以上に腑に落ちる物を読んだことがありません……

 また、このニュートンは、科学だけではなく数学も守備範囲にしており、過去に「微分積分」「虚数」「素数」などをやさしくレクチャーしてくれました。


 さて、ニュートン最新号の2017年9月号では、こんな記事が掲載されています。

深遠なる数の世界 第2回
√(ルート)と無理数の不思議【試し読み】
小数点以下がくりかえさずに無限につづく,けっして分数にできない数
数のうち,分母と分子が整数の分数ではあらわせない数を,「無理数」という。 2の正の平方根である√2や,円周率のπは,有名な無理数である。 有理数無理数の不思議な性質について,みていこう。

 ここで例の「0.999999… = 1」問題が扱われています。


正解はこうだ

 ニュートンは初学者の事を考えてくれるので、難しい事も難しい言葉でごまかしたりしません。ズバリ答えを出してくれています。


 「0.333333… = 1/3」という式は、「左辺は小数点以下の桁が無限に続き、そのため結果的に1/3 になることを表している」のだそうです。『便宜的に 0.333333… と 1/3 は同じという事にしておこう』みたいな曖昧な意味ではなくて、そのものずばりだったんですね。

 0.333333…は1/3なのだから、三倍すれば1になるのは当然でした……。


 『0.999999… は どこまで行っても0.999999… であって、1とイコールなんかじゃねーよ!』とかいうのは、数学というものの理屈を分かっていないおバカさんの戯言だったんですね。無限の彼方ではきちんと1になっていた……

 さすがニュートンは解りにくい説明ではなく(※)、ズバッと言い切ってくれて有難かったです。


(※)より深く知りたい人向けにきちんと証明も書いてはあるのですが、そっちは難しすぎてさっぱりでした……
 
無限の果てに何があるか 現代数学への招待 (角川ソフィア文庫)
  
 

感想:アニメ「THE REFLECTION(ザ・リフレクション)」第2話「サバイバー」


THE REFLECTION WAVE ONE - Original Sound Track

THE REFLECTION ザ・リフレクション http://thereflection-anime.net/
放送 NHK総合。23:00~23:25。全12話。

【※以下ネタバレ】
 

第2話 サバイバー (2017年7月29日(土)放送)

 

あらすじ

 少し前。リフレクションの犠牲者追悼式典に超能力者「リフレクティッド」のフレイミング・フューリー(三瓶由布子)が乱入し、自分たちは世間の人間たちから忘れられているので、嫌でも存在を思い出させてやる、とぶち上げる。しかし、そこにエクスオンやアイガイが出現し、彼らの計画は邪魔されてしまった。


 エクスオンはエレノアが単なる自分のストーカーだと確認して安心し(?)、もう自分をつけまわすなと警告する。エレノアはエクスオンに自分の超能力の使い道を示してほしいと頼み込むが、エクスオンは全く興味を示さず、その上で「イアン」を探してみろとヒントを出して消え去る。

 アイガイはホームグラウンドのLAに戻り、犯罪リフレクティッド退治を開始して、世間からもてはやされる。アイガイの中身は、かつて大ヒットを飛ばしたもののその後鳴かず飛ばずのミュージシャン・イアンで、3年前のリフレクションで力を得たのだった。しかし、スティール・ルーラー(日笠陽子)は、アイガイが犯罪リフレクティッドを捕まえてくれれば、仲間になりそうな人材がそれだけ見つかる、と歓迎していた。

感想

 第二回は、一回目よりはマシだったものの、やはりもう一つの感は否めず。テンポが遅いし、話の流れがなんかスムーズではなくて、複数の話を不器用にくっつけただけという感が強い。3回目もこの程度のクオリティだったら見切りをつけよう……

 ところで、炎を吹き出す怖い姉御「フレイミング・フューリー」の声は三瓶由布子さん。この人、「少年キャラ専門」というイメージが強いので、女性キャラをやっていると違和感が凄いわ。

【フィギュア】2018年版マジンガーZのボディは「××××」ている…… こいつぁ凄いぜ

マジンガーZ(21st century ver.)

 
 2018年にマジンガーZの劇場アニメが公開される予定ですが……、主役のマジンガーZのデザインがかなり微妙だった……、というお話です。

マジンガーZ:新作劇場版が18年1月13日に公開 新ビジュアルも公開 - MANTANWEB(まんたんウェブ
https://mantan-web.jp/article/20170710dog00m200023000c.html
1970年代を中心に人気を集めたロボットアニメ「マジンガーZ」の新作劇場版アニメ「劇場版マジンガーZ(仮題)」が、2018年1月13日に公開されることが11日、分かった。

森久保祥太郎さんが主人公・兜甲児、茅野愛衣さんがヒロイン・弓さやかをそれぞれ演じる。


 7月24日発売のホビー雑誌「フィギュア王 No.234」で、この2018年マジンガーの関連記事が掲載されていまして、ここでバンダイのロボットおもちゃのブランド「メタルビルド」でマジンガーZが発売されることが告知されていました。

METAL BUILDの商品一覧 | 魂ウェブ
http://tamashii.jp/item_brand/metal_build/
さまざまなクリエイターの手を介し、『超合金の良さ』と『作品に応じたデザインアレンジ』が融合した究極の完成品トイブランドです。リアルロボットをモチーフにするため表面的な合金使用は抑えられつつ、敢えて金属のまま露出させるようなデザインアレンジ、可動性のための造形アレンジ、重さを感じる設計など随所に超合金シリーズのノウハウが活きています。

 さて、そのマジンガーZの姿ですが……、体中がめちゃくちゃに「ひび割れている」んですよ……、絶句物です。うなされそうなくらい。おなかの白い部分とか、手首からひじにかけて、膝から足首にかけて、あたりが、もう滅茶苦茶に線が入っています……、悪夢だ……

 まあ、こう線を入れて、そのひび割れたパーツ毎に可動することで、柔軟な動きが表現できるという事らしいのですが……、マジンガーZにそういうリアリティ要ります? デザインした柳瀬敬之氏のインタビューやアニメ用の設定資料も掲載されていて、一応映画では遠目にはこの線は目立たないようにするらしいのですが、逆に言えばアップだとひび割れマジンガーなわけですよね? 

 ホントこれどうなんでしょうか…… 気になる人はフィギュア王を見てください…… そして絶句してください……
 
 
フィギュア王 No.234
フィギュア王 No.234 (ワールドムック 1152)
 
 

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第82話(シーズン4 第4話)「魔薬B-230 (後編)」

スパイ大作戦 シーズン4<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ
海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 

第82話 魔薬B-230 (後編) The Controllers (Part2) (シーズン4 第4話)

 

あらすじ

研究所に実験台の囚人として潜入していたウイリー(ピーター・ルーパス)が、B-230のすり替えを行ない、奪ったB-230を利用した新たな作戦を…。一方、計画が失敗、大佐を死なせてしまったフェルプス(ピーター・グレイブス)は、殺人容疑で裁判にかけられるが…。


研究所に実験台の囚人として潜入していたウィリー(ピーター・ルーパス)が、B-230のすり替えを行い、奪ったB-230を利用した新たな作戦を始める…。一方、計画が失敗し、大佐を死なせてしまったフェルプスは、殺人容疑で裁判にかけられるが…。

※DVD版のタイトルは「麻薬B-230 (後編)」。


【今回の指令】
 承前


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:メレディス


【作戦の舞台】
 某国


【作戦】
 フェルプスは車で研究所を飛び出すが、その際車を兵士に撃たれ、トランクに積んでいたボロディン大佐は弾に当たって死んでしまう。IMFボロディンを使って作戦を遂行するはずだったため、フェルプスは計画の修正を迫られ、とりあえず死体の入った車を崖から落とす。

 やがて副首相たちの元に、フェルプスボロディン大佐を射殺した、という知らせが届く。トレック博士とメレディスは口裏を合わせ、酒に酔ったフェルプスボロディン大佐と口論した末に射殺してしまったと証言する。フェルプスは収監され、軍は裁判を開くため、フェルプスのための弁護人をコンピューターで選出するが、IMFがデータに手を加えていたため、パリスが選ばれる。

 早速裁判が開かれ、最初はフェルプスに不利な証拠ばかり出て来るが、フェルプスは自分は妻のメレディスにボリティカンを盛られて操り人形にされていた、と反論する。さらにパリスはメレディスの日記を証拠として取り出し、そこにはメレディスが数年前に学会でトレック博士に会ったときから彼に恋心を抱いており、夫フェルプスとの仲はすっかり冷え切っていた事が書かれていた。裁判官の将軍は、トレック博士とメレディスも怪しいとみなし、二人も収監してしまう。

 一方、ウィリーは研究施設からB-230を盗み出し、バーニーはそれを貯水タンクの水の中に放り込んだため、研究所内の人間は全員薬の影響で廃人化してしまう。パリスは副首相に電話をかけ、トレック博士が脱獄するためB-230を水に混ぜたので、すぐに捕まえに来てほしいと連絡する。

 続いてパリスはトレック博士の助手に変装し、牢屋のトレック博士に面会し、博士を助けるためB-230を水に混ぜたといって彼を牢から出す。トレック博士は、助手(実はパリス)にフェルプスもメレディスも殺しておけと命じて、自分は逃げ出す。そこに副首相率いる軍隊が到着し、トレック博士は問答無用で射殺される。最後、IMFメンバーが車で立ち去るシーンで〆。


監督: ポール・クラズニー
脚本: ローレンス・ヒース


感想

 評価は○。

 スパイ大作戦の前後編は、大抵が一話分のアイデアを二話に引き伸ばしただけの大味なエピソードばかりで辟易していたが、今回はきちんと二話をかけるだけの内容になっており、初めて前後編らしいと納得できたエピソードだった。

 今回の後編では、IMFが練りに練ったプランが、ボロディン大佐の死亡というアクシデントで根底から崩れ落ちてしまう、という珍しい危機的展開が描かれる。いつのもIMFのミッションであれば、必ず計画通りにキチンと話が進むのだが、前後編で余裕があり、多少の回り道をする時間があるため、こういう話の流れになったと思われる。そしてパリスとメレディスが、計画変更を打ち合わせ、当初プランから色々と変えていくさまが描写された。前後編はこうでなくては、というところである。

 多分IMFの当初のプランでは、「裁判でボロディン大佐がトレック博士が黒幕だと証言し、パリス弁護士が大活躍して、トレックが収監される」という風になるはずだったと思われる。しかし、その手が使えなくなったので、メレディスがトレックへの熱愛を綴った日記を即席ででっちあげ、それを元にパリスがトレックを牢に放り込むように裁判を動かしてしまう。このあたりの展開は実に面白い。

 またアクシデントと言えば、もう一つ、バーニーが給水タンクの梯子を上っていたところ、梯子から転落して途中の階に落ちて失神してしまう、という事件も発生する。ミッションのためにはB-230を決められた時間までに水に放り込まなければならないのに、バーニーは気絶したまま刻々と時間は過ぎて行ってしまう、という展開が、定番ながらハラハラさせられた。

 今回ウィリーがB-230を盗み出すために使うのが、アナログメカのマジックハンドである。過去に何回か登場しているが、数メートルも伸ばせるうえに、先端が爪のようになっていて、細かい作業も自由自在という便利グッズである。ウィリーは壁に開けた直径10センチほどの穴からマジックハンドを突っ込み、瓶の蓋を器用に開けて、さらにそこにホースを突っ込み瓶の中の粉末のB-230を手元の容器に移し替え、逆に手元の偽薬を向こうの瓶に流し込んでばれないようにする、という展開が細かく描かれ、いかにも極秘ミッションをやっている感じで大満足だった。

 今回のクライマックスで、バーニーがB-230(ピンク色の粉末)を貯水タンクに放り込んだため、研究所の中の人間は廃人化し、ただぼーっと突っ立って呼吸をしているだけの案山子状態になってしまう。ミッションのためとはいえ、IMFはかなりえげつない手に出たものである。まあ、研究所の連中は罪もない人たちをモルモット代わりにして人体実験を敢行していたので、自業自得と言えなくもないが……

 オチは、トレック博士が助手のおかげで無事逃げだせたと喜びながら用意された車に飛び乗るが、どうしてもエンジンがかからない(パリスが電気回線を引きちぎっていたため)。焦っているところに、やがて副首相指揮する兵士が到着し、慌ててトレックは逃げ出すものの猛射撃を受ける。死亡するシーンは描かれないが、確実に死んだことであろう。一方、IMFの面々は実験台にされていた女性も助けて悠々と車で立ち去るのである。その対比には思わず笑いが込み上げてきてしまった。ということで、スパイ大作戦とはかくあるべし、という見事な前後編だった。


参考:今回の指令の入手方法

 承前


参考:指令内容

 承前
 
 

シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 
 

感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第81話(シーズン4 第3話)「魔薬B-230 (前編)」

スパイ大作戦 シーズン4<トク選BOX> [DVD]

スパイ大作戦BSジャパン http://www.bs-j.co.jp/missionimpossible/
スパイ大作戦 パラマウント http://paramount.nbcuni.co.jp/spy-daisakusen/
放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ
海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 

第81話 魔薬B-230 (前編) The Controllers (Part1) (シーズン4 第3話)

 

あらすじ

完成間近の人間を意のままに操れるという薬品B-230。この薬の開発を阻止し発明者共々抹殺するという指令を受けたIMF。ライバルの科学者夫妻に化けたフェルプス(ピーター・グレイブス)とメレデス(ダイナ・メリル)。夫が人間を指示通り動かせる別の薬を提案しB-230開発者を追い込み、妻は夫を裏切った協力者として近づく。


完成間近の、人間を意のままに操れるという薬品「B-230」。この薬の開発を阻止し、発明者共々抹殺するという指令を受けたIMF。ライバルの科学者夫妻に化けたフェルプス(ピーター・グレイブス)とメレデス(ダイナ・メリル)。夫が人間を指示通り動かせる別の薬を提案し、B-230開発者を追い込み、妻は夫を裏切った協力者として近づく。

※DVD版のタイトルは「麻薬B-230 (前編)」。


【今回の指令】
 某国は科学者カール・トレック博士(Dr. Karl Turek)に命じて、人間の意思を奪い操り人形に変えてしまう薬物「B-230」の開発を進めている。だが、B-230には現時点では服用者を廃人にしてしまう危険な副作用があり、まだ完成には至っていない。しかしアメリカから某国へ亡命予定の研究者ジャービス博士夫妻(Dr. Arthur Jarvis and his wife, Vera)が開発に参加すれば、B-230が完成することは確実である。IMFはトレック博士とB-230に終止符を打たなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:メレディス


【作戦の舞台】
 某国


【作戦】
 フェルプスとメレディスは、ジャービス博士夫妻(アーサー&ベラ)にすり替わり、某国に入国した。トレック博士は、優秀な研究者であるベラがB-230の開発に加われば、完成は確実だと到着を心待ちにしていた。しかし、フェルプスはベラ(メレディス)をトレック博士とは会わせず、またトレック博士の前でB-230は完成の見込みはなく、さらに自分はB-230に匹敵する薬品「ボリティカン」を既に完成させている、とぶち上げる。(もちろんフェルプスの大嘘)。それを聞いてトレック博士と犬猿の仲のボロディン大佐は大喜びする。

 フェルプスは視察に来ていた副首相の前で、翌日ボリティカンの効果を実演してみせると説明し、IMFはウィリーがその実験の被験者になるように上手く仕向ける。翌日の実験では、ウィリーはボリティカンが効いたふりをしてフェルプスの命令になんでも従ってみせる。それを見て副首相は大喜びして、フェルプスのボリティカンに予算を保証する一方、トレックを完全に見放してしまう。

 追い込まれたトレックをメレディスが部屋に呼び、B-230の改良案をノートにまとめていたのに夫フェルプスに隠されてしまい、しかもフェルプスが銃を隠し持っていた、と訴える(つまり夫妻の中は冷え切っているという演技)。トレックはメレディスに対し、お互いの命と地位を守るためにはフェルプスを殺すしかないと説得する。

 フェルプスはメレディスにボリティカンを盛られて操り人形になったふりをして、トレックの前でボロディン大佐を射殺したふりをする(実際は麻酔弾を撃ち込んだだけ)。そのあとトレックは、フェルプスに「ボロディンの死体を車に積んで車ごと崖から転落しろ」と命じる。フェルプスは車にボロディン大佐を積み走り出した。続く。


監督: ポール・クラズニー
脚本: ローレンス・ヒース


感想

 評価は○。

 スパイ大作戦の前後編は、一話分のアイデアを二話に引き伸ばしただけの大味なエピソードであることが多いが、今回はそこそこ頑張っていて、わりと面白かった。

 IMFがメンバー総がかりで「ボリティカン」というありもしない薬をでっち上げ、その薬の存在をもってターゲットのトレックを追い込んでいく、という過程がなかかな面白かった。しかも、前半では出番の少なかったパリスが法律関係の専門家の軍人という設定で後半活躍するらしいので、そのあたりの期待の持たせ方も上手い、という感じである。


 今回笑ったのが、IMFがウィリーを実験の被験者に送り込む段取りで

1)ウィリーが建物の電気回線に仕掛けをする(あとから電話の回線だと判明する)
2)バーニーが被験者候補の入っている施設に行き、受付に一人連れてくるように頼む。しかし1)でウィリーが細工して電話がつながらないので、受付がその場を離れる
3)バーニーがその場を立ち去る
4)パリスとウィリーが受付の詰め所にこっそり入ってきて、パリスが受付、ウィリーが被験者、のふりをする
5)そこに研究所から人が来て、ウィリーを連れていく
6)パリスが詰め所を離れる
7)バーニーが戻ってきて、受付が連れてきた被験者を連れていく

という感じで、三人で上手い事立ちまわって、誰にも怪しまれずにウィリーを研究所に送り込むことに成功するのである。この一連の過程を見ていると、視聴者視点ではあまりにも話が上手くいきすぎてコントみたいでちょっと笑ってしまった。

 今回のIMFの助っ人となる女性エージェントはメレディス(ダイナ・メリル)である。積極的にトレック博士に絡んで嘘を吹き込むなど、IMFメンバーらしく、それなりに重要な仕事を担当していた。麻酔弾を撃たれて昏倒したボロディン大佐に近づき、さりげなく服に血のりをつけて、実弾に撃たれたように見せかける場面など、なかなか面白かった。

 このエピソードのサブタイトルの原題「The Controllers」とは「支配者」の意味だと思われる。指令のテープで、上司はB-230が完成すれば自由世界は支配されてしまう云々と言っていたので、それを意味しているのであろう。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが車で高速道路の料金所に乗り付け、停車させて部屋の中に入る。そして机の引き出しから大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、この録音テープは自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。これは、B-230と称する薬品の実験のために廃人となった人間モルモットたちである。B-230は、人間を自由にコントロールする、つまりロボット化する催眠性の薬品で、開発者はカール・トレック博士である。ただ、このB-230には目下副作用があるが、その副作用解決の鍵を握るのがアメリカを裏切ったジャービス博士夫妻であり、現在ジュネーブにいるボロディン大佐が二人の亡命工作にあたっている。もし彼らがB-230を完成するや、われわれ自由世界は、彼らのロボットと化することは明らかである。

 そこで君の使命だが、トレック博士とそのB-230に終止符を打つことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音テープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 

シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 
 

【コミック】山田風太郎原作漫画「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」が地味に面白いという話

エイトドッグス 忍法八犬伝 1 (SPコミックス)

株式会社リイド社 http://www.leed.co.jp/

【※以下ネタバレ】

 現在リイド社の「コミック乱ツインズ」で連載している「エイトドッグス~忍法八犬伝~」(漫画:山口譲司/原作:山田風太郎)が地味に面白くて、毎月のお楽しみになっています。

コミック乱/乱ツインズとは?

 どちらもリイド社の漫画雑誌……、という事でめちゃくちゃマイナーで、存在もほとんど知られていなさそう……、内容は「コミック乱」「コミック乱ツインズ」共に「時代劇画」を専門に扱う雑誌です。ゆえに「鬼平犯科帳」とか「剣客商売」とか「仕掛人 藤枝梅安」とか、いかにもの作品が掲載されていて、中年以上の読者御用達、という雰囲気を漂わせています……、

 が、その反面、「時代物だったらニンジャとか魔物とか、そういうのが出てきてもOK」という妙な緩さもあり、おかげで、にわのまことの「変身忍者 嵐X(カイ)」とか、楠桂の「鬼切丸伝」とかが、しれっと掲載されているなど、妙に油断のならないところがあります。その「乱ツインズ」に掲載されているのが、山田風太郎忍法帖を原作にした荒唐無稽ニンジャ漫画「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」なのであります。


お話はこんな感じ

忍法八犬伝」を山口譲司が乱ツインズでマンガ化、ふくしま政美の読切も - コミックナタリー 2016年7月13日 21:49
http://natalie.mu/comic/news/194445
本日7月13日に発売されたコミック乱ツインズ8月号(リイド社)にて、山田風太郎の小説「忍法八犬伝」を原作とした山口譲司の新連載「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」が始動した。


「エイトドッグス ~忍法八犬伝~」は、南総の地を治める里見家に代々伝わる家宝「伏姫の珠」をめぐる時代もの。ある日のこと、里見の城を訪れた美女たちが珠を盗みだしたことから物語は動き出す。

 舞台はあの里見八犬伝の150年後。里見家とり潰しのため、服部半蔵率いる伊賀くノ一八人衆が里見家に伝わる家宝「伏姫の珠」を盗み出してしまう。里見家家老は珠の奪還のため、八犬士の子孫である甲賀忍者たちを招集するが、その大半が出奔してしまっていて行方知れずで……

 しかし里見家の村雨姫が、珠を取り戻すために江戸にやって来ると、話が転がり始めます。出奔した八犬士たちは、今では江戸で好き勝手に暮らしていて、里見家に対する忠誠心はゼロ、お家おとり潰しになろうがどうでも良いと思っています。

 しかし、村雨姫には、その昔修行中にキツイ思いをしていたころに優しくしてもらったとかいう思い出があり、恩返しというかで姫の前では良い格好をしたいと思っています。そのため、各自の能力を使って次々とくノ一八人衆と戦っていくことに……


意外とあっさり目

 しかし八犬士もくノ一も、手練れの忍者の割には、けっこうあっさり死にます。特に八犬士は、登場したと思ったら次の回にはもう脱落、直後新キャラが登場したと思いきや、次の回であっさり死亡、とか実にスピーディというかキャラの掘り下げが無いと言うか、出てきただけというか、でバタバタ倒れていきます。またくノ一たちも、服部半蔵配下の精鋭のはずですが、死ぬときはもう簡単に死にます。まあ、人数が多いのでダラダラ生き残っていたら話が進まないからかもしれませんけど。


これが忍法?

 劇中に出て来る忍法は、文字に書き起こせないようなエロティックなタイプのものもあれば、「四つん這いになって獣そっくりに走ることで相手の目をくらます」という「どこが忍法だ!」という物など色々ありますが、犬江親兵衛が使う「忍法地屏風」は、スケールがでかい大技です。何せ「重力を操る」ですよ。

 具体的には、忍法の範囲内の重力のかかる方向を水平向きに捻じ曲げてしまい、するとこの中にいる者にとっては、今まで立っていた地面が垂直にそそり立つ壁に変わってしまい、その壁を転がり落ちて地面と化した家の壁などに叩きつけられる、という強烈技。ここまで地味っぽい技が多いだけに、この忍法の発動シーンは印象的でした。地面がそそりたった様が「まるで屏風みたいだ」という事ですかね?


絵がまた良いし

 漫画担当の山口譲司氏は、アホっぽいコメディ漫画も「江戸川乱歩異人館」「村祀り」といったダーク系の漫画もそつなくこなせる人なので、エロとアクションが混ざった原作を上手く絵に落とし込んでいます。おかげで乱ツインズの中では最強クラスで面白いです。


漫画はいよいよクライマックス

 漫画連載は、八犬士の内五人死亡、くノ一八人衆は六人死亡、珠は六個奪還、というところまで来ており、いよいよクライマックスに突入の模様。多分後二、三回で終わってしまいそうですが、いったいどんな手で珠を全回収に持ち込むのか、先が楽しみですよ。

2017/09/15追記

 最終回の感想を書きました。
 ↓
perry-r.hatenablog.com
 
 
村祀り 1 (芳文社コミックス)