アニメ「魔法少女リリカルなのはStrikerS」#26(最終回)

■公式サイト
http://www.nanoha.com/

 CS放送・ファミリー劇場での視聴です。

#26 約束の空へ


■お話

 事件は終わり、機動六課解散の日がやってきた。


■感想

 ホント、まとめ方だけは上手いよな、と感心してしまう。半年かけて殆ど何もしていない(強大なボスと戦ったわけでもなんでもない)のに、最後だけは最終回に必要な要素はキッチリ満たしているという。

 なのはもフェイトもはやても本気を出して戦うシーンなんか殆ど無く、物語の盛り上げに直結していもしなかった。そもそも最初から最後まで脇役を貫き、自らが活躍する場面は無かった。では、なのは達が育てようとした若手達は成長したのか、といえば、印象に残るシーンは殆ど無い。ラスト、隊長二人をそれぞれの部下たちが助けたのが成長の証という事なのだろうか。

 最後にしてようやく解ったが、第三期「StrikerS」のテーマは「若手の成長物語」であったのだ。だからこそなのは達はひたすらサポートに回ったし、敵も、なのは達が出てこないと倒せないような強大な悪では無かったのだ(というか雑魚ばかり数が多かったのだ)。さもないと、「若手が育ったといっても、結局隊長達がいないと事件は解決できないじゃん」となってしまうから。

 が、そういうテーマは結局上手く描けたとは言えないと思う。前述のとおり、若手たちの成長振りが目に見える形で描けたとはいえないからだ。スバルのギンガ超えや、ティアナの1対3からの勝利は、形としては「良く育った」という事だろうが、ストーリー展開のテンポの悪さとあいまって「あれ、何時の間にか勝っていたよ」程度の印象しかなかった。こここそがメインテーマだったはずなのだから、もっとシナリオなり演出なりで強烈に印象つけるべきだった(あなたは心に残りましたか? 私はNOです)。

 また、サポートに回るべきなのはが、結局は最後に主役を取ってしまい、ヴィヴィオとの決戦や自称ボスキャラのクアットロを仕留めてしまったのも「若手の成長物語」というテーマをぼやけさせた。

 結局のところ、構想が細部まで煮詰めきれておらず、2クールという長丁場を支えるだけの中身が無い作品だった。「若手の成長」そのものは2クール使うのはいいテーマだったがそれを支えるべき中身が無かった。それが全てだと思う。

 このシリーズも、なのはが少女でも無く、主役でもなくなった以上、これ以上続けるのは無理だろう。今後、第四期があるとしたら、見るとは思うが、その時は最初から期待度はかなり低めに設定してから視聴するはすだ。


☆蛇足

 四騎士が・・・、「その後」もぴんぴんしているじゃん。ヴィータの悲壮な台詞はなんだったのさ。